『オーメン ザ・ファースト』 オーソドックスだが怖い! | 悪食のシネ満漢全席

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ろくに情報知らぬまま、当たり屋みたいに突撃して、 しょーもない感想を言い合って、備忘録代わりに残します。 かなりの無責任、言いたい放題、無礼千万をお許し下さい。

 

悪食 80点
今年 32本目

監督、脚本 アルカシャ・スティーブンソン
脚本    キース・トーマス
主演    ネル・タイガー・フリー
     タウフィーク・バルフォーム
      ラルフ・アイネソン
      ビル・ナイ
      ニコール・ソラス

オーメン」の前日譚。ダミアン誕生の秘密を描くホラー映画。
木場109シネマズへ。

鑑賞結果、ザ・ファーストと付いて面白かった映画はありません。ですがこれはオーソドックスなホラー映画ですが面白いし、次回作が楽しみになります。

ここからネタバレ満載でいきますからご注意を⁉️



アメリカ人のマーガレット(ネル・タイガー・フリー)はアメリカの教会で奉仕活動をしながら育ったが、是非にと呼ばれてイタリアの教会に移り、奉仕活動をしながら修道女となるべく生活を送くることになった。


しかしその修道院は何処か普通とは違っていた。
悪いことをした少女を閉じ込めるお仕置き部屋までもがあった。
マーガレットはそこで1人の少女、カルリータ(ニコール・ソラス)に出会う。彼女は他の少女達と違って何処か影があった。


そんなマーガレットにある日、ブレナン神父(ラルフ・アイネソン)が尋ねてくる。
ブレナン神父は修道院にいるカルリータは悪魔の子だと、そして詳しい話をしたいから夜に部屋に来いとマーガレットに伝えた。
マーガレットはそんなブレナン神父が信用出来なくて、行く気はなかったのだが、1人の修道女が焼身自殺を図った為に話を一応聞いてみようと出かけて行った。


ブレナン神父の話は俄かには信じられないとんでもない話だった。
教会は信仰心を無くした人々を教会に呼び戻し、権力を取り戻す為に、神に対抗する悪魔という存在を作り出して人々の前に送り込むべきだという信じられない陰謀論を語ったのだ。
そしてカルリータはその悪魔の子を産むべき母体となるべく、悪魔の山犬との間に作られた子なのだと。
それを証明する書類をマーガレットに持ち出してきて欲しいという話だった。
マーガレットは信じられないと言ってブレナン神父の部屋を後にした。



マーガレット(ネル・タイガー・フリー)は、カルリータ(ニコール・ソラス)がお仕置き部屋に閉じ込められていることを知ると、カルリータを助け出し、出生記録を調べ始めた。出生記録はシルヴァ修道院長(ソニア・ブラガ)の隠し部屋に保存されていた。そこには6月6日の6時に生まれたと書かれており、母親と父親の名は記されてはいなかった。


その記録を持ち出し修道院を出ようとしたが、シスター達に捕まってしまう。しかしマーガレットはガブリエル神父(タウフィーク・バルホーム)に助け出されてブレナン神父の元へ。
そしてそこで、もう一つの恐ろしい事実を見つけてしまう。それは悪魔の子供を産む候補の女性はカルリータだけではなかったのだ。
マーガレットもまた悪魔の山犬と人間の女性の間に生まれた子供だったのだ。
自分の頭にも666の痣があったのだ。
そして自分もまた悪魔の子供を宿していることに思い至ったのだ。
何とかしなければならないと街を出ようとしたところで、マーガレットは首謀者であるローレンス枢機卿(ビル・ナイ)達に捕まってしまった。


そして帝王切開による出産が強制的に行われた。
マーガレットが産んだのは双子だった。1人は女の子、そしてもう1人は待望の男の子だった。
ローレンス枢機卿は男の子が欲しかった。
マーガレットと女の子には興味がなく、殺してしまえとシルヴァ修道院長に告げた。


マーガレットは一度だけ赤ん坊を抱かして欲しいと懇願し、隙をついてローレンス枢機卿を殺し、我が子をも手にかけようとしたが叶わなかった。
男の赤ん坊はシルヴァ修道院長に連れ去られてしまった。
修道院に火がかけられ、マーガレットは殺されそうになったが、女の赤ん坊とカルリータを連れて逃げ出したのだった。

数年後、人里離れた家で暮らすマーガレット(ネル・タイガー・フリー)と幼少の女の子とカルリータ(ニコール・ソラス)。
そこにブレナン神父(ラルフ・アイネソン)が再びやってくるのです。
ブレナン神父はマーガレットに伝えたことは、マーガレットの息子はアメリカ大使の養子になったこと、名前をダミアンということ。そしてマーガレット達はこれからも命を狙われるということ。それだけを伝えて去って行った。
エンド。

という映画です。
先ず感想としては、オーソドックスなホラー映画の作りでありながら、怖くて面白いのである。
「オーメン」という映画が登場した時の理不尽な死というものが今回も様々に登場し、その背後には悪魔という存在を感じざるを得ないということを突きつけてくるあの感じです。
ストーリーとしては先の展開はある意味分かりやすく読みやすいのですが、それでも怖い。
そして理不尽さが半端ない。
そして「ダミアン」がどうやって生まれてきたのかという意味というものが、それこそ最大の理不尽さで表現されている。
この考え方、この行為、これこそが悪魔だと言わんばかりに。
神と悪魔というのは所詮、人間が考えだしたものなのかもしれないと思えるほど。
しかしそんな考えの中にも悪魔はほくそ笑んでいると思うだけでもやっぱりこの映画は怖い。
いいですよ。
そして「オーメンシリーズ」がこれからも新たなる展開を見せていくんじゃないかという期待も持たせてくれます。
期待しないで観に行った分、とっても満足感の高い鑑賞となりました。
是非、劇場で。悪魔に魅入られてください。
そうそう主役のネル・タイガー・フリーが魅力的なのも怖さを引き出してくれています。小悪魔というよりは悪魔的で。