『梟』 韓国では大ヒットしたらしいですが | 悪食のシネ満漢全席

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ろくに情報知らぬまま、当たり屋みたいに突撃して、 しょーもない感想を言い合って、備忘録代わりに残します。 かなりの無責任、言いたい放題、無礼千万をお許し下さい。

 

悪食 70点
今年 10本目

監督、脚本 アン・テジン
出演    リュ・ジュン
      ユ・ヘジン

17世紀、朝鮮王朝時代の記録物「仁祖実録」に記された謎を題材にしたサスペンススリラー。
新宿武蔵野館へ。

鑑賞結果、盲人の目撃者。謀殺の王家。サスペンスとして評価も高いのですが、悪食には小悪党の小競り合いにしか見えず、退屈でした。

ここからネタバレ満載でいきますからご注意を⁉️



宮廷の医師となる試験で類なる才能を見せた鍼医のギョンス(リュ・ジュンヨル)。宮廷医師の末席として働くことに。
病気の弟を救う為にも金を稼ぐ必要があった。



宮廷には王(ユ・ヘジン)が居たが、皇子は中国へ人質として出されていた。その皇子が帰ってくることに。皇子の帰りを喜ぶ王であったが、中国寄りの皇子が段々と疎ましくなっていく。退位を迫られるようになると、王は皇子の殺害を計画するのである。
宮廷医師に命じて皇子の毒殺を図ったのだ。ある日、皇子は体調を崩して倒れた。そこに呼ばれた宮廷鍼医は毒針を皇子に使ったのだ。

皇子は目、鼻、耳、口の7つの全ての穴から出血した。その治療に立ち会った鍼医ギョンス(リュ・ジュンヨル)は血を拭ったタオルの血の匂いで何かおかしいと気がついた。その時に蝋燭が消え、暗闇になった。ギョンスは血を流している皇子を見てしまった。
ギョンスは通常の光の中では、何も見えていないのだが、暗闇になると僅かに見えるのだ。


明るくなってギョンスの様子がおかしいのに気がついた宮廷鍼医はギョンスが本当は見えているんじゃないかと疑うのである。

ここでこの映画、最大のドキリとする怖いシーンが観られます。
この映画の最大の盛り上がりと言っていいでしょう。これを見逃すとこの先ずっと淡々と進みますから眠くなります。ここでしっかりと神経を逆撫でられておきましょう。
ですからこのシーンは内緒🤫

宮廷鍼医は疑いながらも、ギョンス(リュ・ジュンヨル)と共に皇子の部屋を後にするのです。
宮廷鍼医と別れ、薬剤室に戻ったギョンスはすぐさま皇子の部屋に戻り皇子を助けようとします。しかし時すでに遅く、皇子は亡くなっていた。
しかしその時に気がついたのです。皇子の頭に宮廷鍼医が打った針が一本残っていたのを。ギョンスはその針を抜き部屋を去ろうとすると部屋に近付く物音が。
宮廷鍼医が自分の鍼が一本ないのに気がついて戻って来たのだ。
宮廷鍼医は針を探すが無い。その時、窓際で物音がした。ギョンスが慌てて逃げたのだ。窓際のタンスの蝶番には足を引っ掛けて怪我をした痕跡が残っていた。
このことを王(ユ・ヘジン)に報告すると、すぐさま宮廷中の捜索が始まった。

ギョンス(リュ・ジュンヨル)は皇子が毒殺されたことを妃に話すが、妃が王(ユ・ヘジン)にそれを話すと王は全く聞く耳を持たないどころか、妃が皇子に毒を持ったのではないかと牢に閉じ込めたのだ。妃はギョンスに事の真相を大臣に話して王の暴走を止めて欲しいと話した。
ギョンスは大臣に話した。
大臣は王(ユ・ヘジン)に退位を迫る。しかし王は大臣に提案するのだ。「次期王位は大臣が決めて構わない。実権は渡す」と。
大臣はその提案に乗った。
ギョンスは悟った。生き残る為には余計なことは見ない聞かない話さない事だと。
ギョンスは捕らえられ、斬首の刑になるところだったが、盲人の目撃者と不憫に思われたのか?はたまた大臣が手を回したのか?釈放され宮廷から追放された。



ギョンス(リュ・ジュンヨル)は町で有名な鍼医として活躍していた。
弟も病気を治して元気にしていた。
国は何も変わらず、ギョンスも平穏に何も見ず聞かず語らずの生活の中で平穏な人生を歩んでいた。
エンド。

という映画です。
サスペンス仕立ての韓国映画であり、韓国では歴代一位の興行成績を挙げているとの評判で、期待に胸を膨らませながら観に行ったのですが、映画は期待して観にいくものではないんですね。
悪食は盛り上がりの無い、権力が横行する汚い世界を見せつけられただけで、面白いとは思いませんでした。
それとこの時代背景が悪食にはちょっと苦手かも。

この手の話なら「薬屋のひとりごと」というアニメがあるのですが、そちらの方がよほど巧妙にストーリーが仕立てられていて面白いです。
とは言え、映画の出来としては悪くは無いのでこの評価です。
オススメですとはあまり言えませんが。