『カラオケ行こ!』 お気楽な映画です | 悪食のシネ満漢全席

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ろくに情報知らぬまま、当たり屋みたいに突撃して、 しょーもない感想を言い合って、備忘録代わりに残します。 かなりの無責任、言いたい放題、無礼千万をお許し下さい。

 

悪食 70点
今年 2本目

監督 山下敦弘
原作 和山やま
脚本 乃木亜希子
出演 綾野剛
   斎藤潤
   芳根京子
   橋本じゅん
   やべきょうすけ
   北村一輝

変声期に悩む合唱部の男子中学生と歌が上手くなりたいヤクザの交流を描いた和山やまのコミックの実写映画化。

二子玉川109シネマズへ。

鑑賞結果、ヤクザと中学生を歌で繋ぐなんてアニメあるあるを実写化させたお気楽な映画で新年に相応しいなぁ😄

ここからネタバレ満載でいきますからご注意を⁉️



中学時代最後の全国大会の切符を逃した合唱部。部長の岡聡実(斎藤潤)は、ボーイソプラノを担当していたが、変声期に入っていたことで1人悩みを抱えていた。


そんな合唱コンクールを聴いていたのがヤクザの成田狂児(綾野剛)。狂児は組長の誕生日会で開かれるカラオケ大会で最下位になることを非常に恐れていた。毎年行われるカラオケ大会で最下位になった者は、組長から直々に刺青を彫られるのだ。それも酷いものを。
狂児は背に腹変えられず、合唱コンクールで一番いいと思ったチームの部長に狙いを定めたのであった。一番いいチームの部長なら間違いなく歌が上手いだろうと。


半ば強引に拉致する様にカラオケルームに聡実を誘った狂児は、自分の十八番であるXジャパンの「紅」を披露するが、聡実に「裏声が気持ち悪い」と散々な言われよう。それから2人のカラオケでの歌の特訓が始まるのであった。



このシチュエーションがもうすでに馬鹿馬鹿しい。ヤクザと中学生の組み合わせ。何をどうしたらこうなるのか?
蛇に睨まれた蛙の如く、最初は怖くて従っていただけ。それが段々と変わっていく。まるで友達の様に。
友達では無いのかもしれない。何処か年など関係ない同志の様に。



しかしある日、いきなり現実に引き戻される。
聡実(斎藤潤)がバスに乗っていると、見慣れた車とパトカーが。車は運転席が潰れていた。真横から車に突っ込まれた様だ。そして救急車に運ばれる担架には布が被せられているが、そこから飛び出た腕は血だらけ。その黒いスーツにも見覚えが。
バスを降りて現場に行く聡実。救急車が走り去るそこで見たものは、狂児(綾野剛)の買った血だらけの音叉。
聡実は狂児がカラオケ大会の場所だと言っていたスナックに飛び込んだ。
中ではヤクザ達がカラオケ大会の真っ最中。誰もが呑気に歌を歌っている。
聡実はキレた。「狂児さんが大変なことになった。こんなところで呑気に歌なんか歌っていていいのか?所詮、お前らはクズのヤクザだ」と。
静まり返る店内。おもむろに組長(北村一輝)が言った。「そこまで言うのならお前はケジメとして歌を歌え」と。


聡実は狂児が愛した「紅」を熱唱した。声変わりしかけている声は「紅」の高音部分が上手く歌えない。それでも構わず聡実は歌い切った。自分の迷いや不安を打ち消す様に。
店内は拍手に包まれた。そこには拍手する狂児もいた。
唖然とする聡実。「死んだんじゃなかったの?あの担架の人は?」狂児が答えた。「あれは俺に車で突っ込んできた野郎で、俺がボコボコに半殺しの目に合わせた」と。組長は「嘘ついてごめんね〜」とか言ってる。店内は爆笑に包まれた。
ヤクザは信用出来ないと聡実は店を飛び出した。

暫くしてヤクザの事務所のあった場所が都市開発で一気に区画整理された。
ヤクザの事務所は姿を消した。そして狂児も姿を消した。
聡実がLINEをしても返事は無かった。

聡実(斎藤潤)は中学を卒業した。
今まで通りの平穏な生活が始まった。
エンド。

と言う映画でエンドタイトルテロップが流れます。
しかしそれが終わると、聡実(斎藤潤)のスマホが鳴るのです。出てみると、「カラオケ行こ!」と狂児の声が聞こえるのです。

と、オマケが付いてます。

こんな映画なので、お気楽に観るには十分な映画でそこそこ面白い。
まあ、そこそこですが。ですから是非、劇場へとは言えないなぁ。
地上波に来てから暇つぶしに観るのが丁度いいでしょう。