『法廷遊戯』 この法廷サスペンスは面白い! | 悪食のシネ満漢全席

悪食のシネ満漢全席

ろくに情報知らぬまま、当たり屋みたいに突撃して、 しょーもない感想を言い合って、備忘録代わりに残します。 かなりの無責任、言いたい放題、無礼千万をお許し下さい。

 

悪食 80点
今年 110本目

監督 深川栄洋
原作 五十嵐律人
脚本 松田沙也
出演 永瀬廉
   杉咲花
   北村匠海
   柄本明
   筒井道隆
   大森南朋


第62回メフィスト賞を受賞した作家、弁護士の五十嵐律人の法廷ミステリー小説の映画化。
豊洲ユナイテッドシネマヘ。

鑑賞結果、これは面白い‼️法廷劇なのだが、二転三転する謎は意外な方向へと進んでいく。
杉咲花が素晴らしい。


今回はなるべくネタバレしないように話します。



弁護士を目指してロースクールに通うセイギこと久我清義(永瀬廉)と同じ学校で法律を学ぶ幼馴染の織本美鈴(杉咲花)、そして同級生でただ一人学生のうちに司法試験に合格した天才、結城馨(北村匠海)は学生達の間で流行っている無辜(無辜とは罪がないこと。無罪)ゲームと呼ばれる模擬裁判を楽しみながらも勉強に明け暮れる毎日を送っていた。


そんなある日、セイギの机の上に過去人を刺したという犯罪歴を暴露するチラシが。


セイギは無辜ゲームで犯人を特定する。しかし犯人は匿名の人物から謝礼と共に頼まれたと言い残してロースクールを去った。


その少し前くらいから美鈴もまた誰かに見張られているような気がすると言い出した。調べてみると探偵(大森南朋)が美鈴を監視していた。しかし問い詰めようとした時に逃げられてしまった。
この事件の後、二人の周りで何かが起こることはなく、無事に卒業し、セイギと美鈴は弁護士になり、馨は大学に残り司法の研究に明け暮れていた。



暫くして久し振りに無辜ゲームを行うことになったから参加してくれと薫(北村匠海)から連絡が入った。


そのゲームの終わりに同窓会でもしようという話だった。
無辜ゲームが行われていた洞窟にセイギ(永瀬廉)が行くとそこには血に濡れたナイフを持つ美鈴(杉咲花)とナイフに刺されて息絶えた薫が横たわっていた。
そして美鈴はセイギに「私の弁護をして」と言ってきたのである。



ここからがこの映画が二転三転と目まぐるしく展開していきます。
何故美鈴(杉咲花)が馨(北村匠海)を刺したのか?
そこには彼らが知り合う前にまで遡ることになる。
セイギ(永瀬廉)の美鈴に対する想い。そして美鈴の依存症とも思えるセイギへの想い。
そこに薫がどのように絡んでくるのか?
薫は何を考えて彼らと一緒にいたのか?
そしてこの3人キャラクターが大きくこの物語を形づけていく。
セイギは正義の為に法律を目指し、弱いものを助けるという弁護士になることを夢見ていた。しかし彼には自分が許せない罪を犯している。美鈴の為ととった行動は彼の正義に影をさすのである。
そして美鈴はその一途の性格から守るということに対して澱みがない。例えそれが問題のある行動だとしても。彼女の行動には一貫性がある。
そして薫は大きな目的を持っていた。自分の人生を全て賭けていいと思うほどの目的。それは自分の命を持ってしてでも成し遂げたい。その結果、目的達成が成し得るように考え抜いた方法は度肝を抜かれます。

こんな3人がそれを持ち前の演技力として映画の中で表現している。
若手役者の競演と言っていいだろう。
しかしその中でも杉咲花は凄かった‼️
前半は何を考えているのか分からないくらい感情を殺し、セイギとの関係もよく分からない。しかしその彼女の気持ちが吐露し始めるとその感情は徐々にこちらを押しつぶすほどの大きさになって襲ってくる。そして自分の行為が自分の最も望まない結果を呼んだ時のその感情表現は爆発的に発動される。その演技力に「うわっすげぇこんな演技出来るんだ⁉️」
絶賛です‼️
そんな映画を是非、劇場で観て驚いてください。
オススメです‼️