『ザ・キラー』 Netflix同時配信ですが | 悪食のシネ満漢全席

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ろくに情報知らぬまま、当たり屋みたいに突撃して、 しょーもない感想を言い合って、備忘録代わりに残します。 かなりの無責任、言いたい放題、無礼千万をお許し下さい。

 

悪食 70点
今年 109本目

監督 デビッド・フィンチャー
脚本 アンドリュー・K・ウォーカー
出演 マイケル・ファスベンダー

デビッド・フィンチャー監督が手掛けたNetflixオリジナル映画。
池袋シネ・リーブルへ。

鑑賞結果、ストイックな殺し屋の後片付け。ストイックだわぁ🤣

ここからネタバレ満載でいきますからご注意を⁉️



殺し屋とはこういう者だということをこの殺し屋(マイケル・ファスベンダー)は淡々と説明していきます。


「計画しろ。予測しろ。即興はするな」
これが彼の仕事の流儀。ポリシーだ。
自分の殺しのポリシーから、プロとしての心得、そして辛抱強く待ってその時が来たら引き金を引く。
しかし彼は遠距離からの殺しは得意とはしていない様だ。距離はミスを誘発する。銃は音がする。障害物が球の軌道を変える。様々な要因が彼を悩ませる。だから彼は近接距離が得意だ。相手を直に確認出来る。
しかし今回の依頼は近寄ることが出来ず、やむなくライフルを使った仕事となった。


彼の嫌な予感は当たることになる。
ターゲットの部屋には娼婦がいた。彼女はボンテージで誘惑している。殺し屋の放った銃弾は不幸にも彼女に当たった。


殺しは失敗した。
すぐさま、証拠を消し去りながら現場を後にする。

空港に直行すると、自分の隠れ家のあるドミニカへ。しかしそこで待っていたのは暴力の限りを尽くされ、病院送りになった恋人だった。しかし彼女は彼のことは一言も喋らなかった。もう一度逢いたいからと。

ここから殺し屋(マイケル・ファスベンダー)の復讐というには温度感の低い、仕事の後片付けが始まる。


先ずは恋人から相手は男女の二人組だったということを聞く。しかし隠れ家の情報はバレることはない。仕事仲間がバラす以外は。仕事を依頼してくる手配師がいる。殺し屋は先ずそこに乗り込むと手配師を殺し、その秘書から情報を得て秘書も殺す。感情も一切入れないのだ。


情報を元に運び屋を殺すと、次は実行者。同じ殺し屋であるから簡単にはいかないが殺して回る。それは世界中を駆け巡ることになる。殺される側も覚悟をしている。情報を漏らせばそれは死を意味する。


そして最後のターゲットはクライアント。
殺し屋は関わるなと言い残して消えた。
その後、殺し屋は退院した彼女とドミニカの海辺で静かにくつろいでいた。
エンド。

という映画です。「ザ・キラー」というような恐ろしげなタイトルですが、派手なアクションはほとんど無く、どちらかというと殺し屋のストイックな世界観の説明に終始します。
そのストイックさこそが殺し屋の命を長らえさせているものであり、彼の生き方であるのです。
人物像をキャラクターとして描くのでは無く、そのストイックな精神性のみを語ることによって殺し屋というものを何のフィルターもなく描くことが監督の狙いなのでしょう。
ヒーローでも無く、悪人でも無い。ただの人間がその仕事を選んだだけであり、その仕事の説明をしているだけ。
そう、まるで取説の様に。
クールですよぉ〜。
Netflixで見れるのでそちらでと言いたいところですが、だからこそ劇場で観るのがクールも。