『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』 人間の下品な欲 | 悪食のシネ満漢全席

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ろくに情報知らぬまま、当たり屋みたいに突撃して、 しょーもない感想を言い合って、備忘録代わりに残します。 かなりの無責任、言いたい放題、無礼千万をお許し下さい。

 

悪食 80点
今年 111本目

監督、脚本 マーティン・スコセッシ
製作    レオナルド・ディカプリオ
脚本    エリック・ロス
出演    レオナルド・ディカプリオ
      リリー・グラッドストーン
      ロバート・デ・ニーロ


実話に基づいた西部劇サスペンス。
二子玉川109シネマズへ。

鑑賞結果、欲望に駆られた人間の愚かで醜い姿をディカプリオとデニーロが好演しています。演技は凄いです‼️

ここからネタバレ満載でいきますからご注意を⁉️



1920年、オクラホマ州オーセージ郡に住む先住民族のオーセージ族は石油の発掘によって一夜にして莫大な富を手に入れる。


オーセージ族は石油の既得権を有していたが、その権利は親族だけに限られて有することが出来るものだった。
その為、その既得権を狙い、オーセージ族と結婚してその権利を手に入れる資格を持とうとする白人もいた。
悲劇は起こった。白人と結婚したオーセージ族の親族が次々と殺される連続殺人事件が起きたのだ。
莫大な金を独り占めしようとする白人の仕業だった。

この事実に基づきこの映画は出来ている。

戦争から戻ったアーネスト(レオナルド・ディカプリオ)はオクラホマ州オーセージ郡に住む叔父のキングことウィリアム(ロバート・デ・ニーロ)のもとに行った。


そこでアーネストは石油の権利で大金持ちになったガイル家の運転手として働き、そこの娘モーリー(リリー・グラッドストーン)と親交を深めていった。


叔父のキングはアーネストにモーリーと結婚する気はないかと勧めてきた。
アーネストは叔父のキングの勧めでモーリーと付き合うようになり、結婚をするのである。


しかしその頃からガイル家の者達が次々と不審な死を遂げるようになる。
モーリーの母親、姉、妹。
モーリーはもともと糖尿病を患っていた。
キングはモーリーの為に糖尿病の薬を手に入れていたが、モーリーはその薬を怪しんでいた。何故なら病状は良くなるどころか悪化の一途を辿っていた。
アーネストはモーリーを心配する傍ら、キングから渡された薬を疑いもなくモーリーに渡していた。



もともとアーネスト(レオナルド・ディカプリオ)は純朴な青年だった。


モーリー(リリー・グラッドストーン)への気持ちも金蔓だけという訳ではなかった。
しかし叔父のキング(ロバート・デ・ニーロ)の圧は巧妙だった。一族の為、果はこの地域の為とアーネストにそれとなくモーリーから早く既得権を奪えと圧をかけてくるのである。


アーネストは叔父を自分の面倒を見てくれる親族として尊敬し、地域の為に便宜を働く有力者としても尊敬していた。
そんな叔父を失望させたくなかった。逆らえなかったのである。
自分でも疑問に思うようなこともあり、モーリーの薬を飲んでみたこともある。
だかといってモーリーが弱っていくのをただ見ているような男だった。
結局は司法の手に捕まり、キングもアーネストも収監されることになる。
キングは復活を誓うも、獄中で死亡し、アーネストは刑期をまっとうした後は静かに暮らしていたという。
モーリーは再婚した。

一夜にして予期せず大金持ちになった原住民を騙して金を奪った白人は数多くいたらしい。
人間の欲には品性が無い。
この映画はその下品な人間をあからさまにした物だ。

その品性下劣な人間をレオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロは圧巻というべき演技力で表現している。
映画やキャラクターはともあれ、この演技は必見である。

是非、劇場で。