故事成語辞典より | ジャズと密教 傑作選

ジャズと密教 傑作選

空海とサイババとチャーリー・パーカーの出てくるお話です

「わたしの金歯」というタイトルの歌がある。

 

それを紹介するMCのゴンチチも言う。これ、なんですかねえ。この歌の内容ですけど。わたしの金歯って、なにを言おうとしてるんですかねえ。

 

パブリックな英語でもないこの歌の歌詞の言い表すところをぼくももちろん、誰もが量りかねるのだった。

 

金歯は金だけあって貨幣に換算できる。金歯を持つその人がどういう人であれ、その人の口の中には、それなりの金銭的価値が否応なしに存在しているのである。

 

なにかあった時には、よし、そうだ。この金歯を金に換えてどうにかしよう。

 

そんな事態は早速起こり、一文無しの彼は自分の金歯を売ってはした金を得る。彼はその日の食事にそうしてありつくことが出来たのだった。

 

ん?だが待てよ。歯というものを退けてしまったら買ってきたその食べ物をどうして胃袋まで送り届けることが出来るだろう。

 

腹が減ったが金がない。仕方がないから金歯を売って金を作ろう。そうして食い物は手に入れたものの、今度は歯がなくて食うことが叶わない。

 

おお、なんか中国の故事みたいな話になって来たぞ。

 

教訓は・・・えーと、あれだ、ものを先まで考えない安直な策は失敗を呼ぶ、とか。なんだよ、やらなきゃよかったじゃねえかって、よくあるでしょ?ないか。