ツナグ | 映画とともに生きる

映画とともに生きる

気がつけばいつも、生活の中に映画がある

【★評価】 (五つ星評価)

★★★
映画とともに生きる

【解説・ストーリー】

“使者(ツナグ)”とは、たった一人と一度だけ、死者との再会を叶えてくれる案内人。そんな都市伝説のような噂にすがって依頼に訪れたのは、癌で亡くなった母との再会を願う中年男性、畠田。しかし彼の前に現われたのは、一見ごく普通の高校生、渋谷歩美だった。その歩美のもとにはさらに、喧嘩別れしたまま事故死してしまった親友・奈津に会いたいという女子高生、嵐、7年前に突然失踪してしまった恋人・キラリの消息を知りたいサラリーマン、土谷が依頼を持ち込んでくる。しかし当の歩美は、ツナグを祖母から引き継ぐ見習いの身だった。やがて、死者との再会を仲介するという行為に疑問を感じ始める歩美だったが…。


【レビュー】

絶対にお涙頂戴な内容にしているだろうから、

見るのは気が進まなかったんだけど・・・


小説を読んでいたし、気になっていたので結局見ることに。


結果、思っていたよりもお涙頂戴じゃなかった。
小説のほうがだいぶ泣いた。


実写だと、死者といえど、人間が演じてるからかな。

あまり死者という実感がない。


内容はかなり原作に忠実なので、

展開がわかっていて真新しさがなかった、というのが大きいかな。


死者と1回だけ、1人だけ、会うことができる。

死者側も、死んでから1回だけ、1人だけ、生きている人と会うことができる。


これってかなり究極の選択。

こちらが若ければ若いほど究極だよね。


だって、これから大切な人がどんどん死んでいくわけだし、

一体全体いつ誰と会うのが良いのかなんて、選べない。

誰と、というのももちろんだけど、

タイミングが一番難しいかも。


現時点なら、誰と会いたいかは自分の中で明確なんだけど、

私がその人と会うと、他の人は会えなくなるのかぁ、

と思うと気が引けるよね。

そもそも相手が自分と会ってくれるのか、という問題もあるんだけど。


考え始めると、結構真剣に考えちゃって、

頭の中であれこれ想像して泣けてくる。

そういう意味で、やっぱり想像力を働かせる小説のほうが泣けるのよね。


ツナグを演じる松坂桃李が素朴でなかなか良かった。

イケメンを演じるよりも、こういう素朴な役のほうが似合うかも。

きっと好青年なんだろうなぁ。


小説を読んでいない人が映画を観たら、きっと泣けるのかな。

どうなんだろ。興味あり!



【基本情報】
原題: ツナグ
製作年: 2012年
上映時間: 129分
製作国: 日本


監督: 平川雄一朗
製作: 藤本鈴子 他
製作指揮: 城朋子
原作: 辻村深月 『ツナグ』(新潮社刊)
脚本: 平川雄一朗
撮影: 中山光一
音楽: 佐藤直紀
主題歌: JUJU 『ありがとう』


【出演】

松坂桃李   渋谷歩美
樹木希林   渋谷アイ子
佐藤隆太   土谷功一
桐谷美玲   日向キラリ
橋本愛     嵐美砂
大野いと    御園奈津
遠藤憲一   畠田靖彦
別所哲也   渋谷亮介
本上まなみ  渋谷香澄
浅田美代子  御園奈々美
八千草薫   畠田ツル
仲代達矢   秋山定之