深夜二時。
カーテンの隙間から、街灯の光が薄く差し込んで
いた。
フリーターはベッドに横たわりながら、
スマホの画面をスクロールしていた。
《#青い封筒 #罪を告げる声》
タグのついた匿名投稿が、また増えている。
「誰かが、まだ動いている……」
口の中で呟き、指先で画面を撫でた。
あの夜から、何かがおかしい。
監視していたはずの“彼女”のSNSが、
まるで自分の行動を知っているかのように投稿を
上げてくる。
まるで――
こちらの“目”を、誰かが覗いているみたいに。
ふと、スマホが震えた。
通知欄に一件のDM。
《あなたの視線、見えてるよ》
息が詰まる。
画面を閉じようとしても、指が震えて動かない。
(誰だ……?)
部屋の中は静まり返っていた。
パソコンのモニターがスリープから勝手に点灯
する。
黒い画面の中に、自分の顔が映った。
“見ている”と思っていた。
すべてを掌で転がしているつもりだった。
だが今、
その画面の向こうから――
誰かがこちらを覗いている。
息を殺しながら、カーテンを少しだけ開ける。
向かいのマンション。
その窓の奥に、淡い光。
誰かがスマホを掲げていた。
一瞬、画面の中に――
ベッドの上でスマホを見つめる“自分”が映った
ように見えた。
気のせいかもしれない。
けれど、心臓の鼓動だけがはっきりと聞こえた。
血の気が引いた。
スマホが再び震える。
画面に浮かんだ通知。
《#青い封筒 #見ているのは誰?》
指先が止まる。
息を吸い込んでも、空気が喉を通らなかった。
「誰が……俺を……?」
答えはない。
ただ、向かいの光が、
ゆっくりと消えた。
📩 次回予告
“視線の連鎖”が、ついに円を描く。
主婦の手元に届いた一枚のスクリーンショット。
そこに映るのは、誰の罪か――。
👄見られていたのは、あなたかもしれない。
