(ネタバレあり)
ドラマは西暦999年です。ドラマの最後は1000年になっていると思われる。

まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)は石山寺で再会し、昔話に花が咲きます。
いったんは別れようとしますが、焼け木杭に火が付きます。
俗にW不倫と言われるものです。
「今一度、俺の傍で生きることを考えぬか?」という道長ですが、また振られます。
(律令制度では不倫は2年程度の実刑であったが、源氏物語を読むとわかるように、不倫は常態化していた)
(まひろの胸に赤い紐が掛かっています。この赤い紐は「掛帯」と呼ばれる古代装束で、女性が神社仏閣にお参りに行く時にする魔よけのようなものです。)

3月。定子(高畑充希)の懐妊が明らかになり、一条天皇(塩野瑛久)は大喜び。

皇子だという安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)の予言を思い出す道長。

倫子は赤染衛門(凰稀かなめ)に、彰子の育成を託します。
(凰稀かなめさんて宙組のいじめ体質の元を作った一人として名前が挙がった人ですよね。大河に出演させていいのかな。赤染衛門は「栄花物語」の作者ともいわれます)

宣孝(佐々木蔵之介)が久しぶりにまひろを訪ね、仲直りをします。

しばらくして、まひろの妊娠がわかります。
授かったのは2月だといとに教えられたまひろは、石山寺での出来事を思い出します。
(これは史実を捻じ曲げるレッドカード。これは絶対ダメですよ、フィクションの域を超えている。)

まひろは宣孝に年の暮れにはパパになることを伝えます。
しかし、宣孝は月が合わないことに気が付かないふりをします。
まひろは別れを告げますが、宣孝は拒否します。

長保元年11月1日(999年12月11日)に彰子が入内し、6日後の11月7日に定子は皇子を出産します。
(この時代出産時は弓の弦(つる)を鳴らして悪霊や邪気を追い払う「弦打ち」をします)

詮子(吉田羊)は一条天皇に皇子誕生の祝いの言葉を伝えます。 
しかし、一条天皇は、父・円融天皇に愛されなかった母の操り人形、慰み者だったと言い放ち、詮子を拒絶します。

道長は定子の出産で弱気になっていると、晴明は、彰子を中宮にすれば良いと提案します。世にいう「一帝二后」です。
(「一帝二后」は晴明が考え出したものではなく、道長、詮子、行成で考えたものと思われる。一条天皇の説得は行成が行っている)


年の暮れにひっそりとまひろも女の子を産む。
(紫式部の一女藤原賢子(大弐三位)の生年月日は不明、長保元年頃に生まれたとされる。後にドラマでは母親の仇とされる道兼の次男兼隆の妾となる。なので道兼がまひろの母親を殺すという脚本が間違っているというかフィクションとしてのミスだと思う)


【旧暦2033年問題】
直接「光る君へ」に関係ないのですが、私は常に旧暦と新暦を考慮して書いています。
彰子が入内したのは、長保元年11月1日、西暦(ユリウス暦)では999年12月11日というように

今「旧暦2033年問題」というものがあります。
簡単に言うと2033年の旧暦を作ることができないのです。

旧暦は天保暦とも言われ、一定のルールに基づいて作られています。
それが2033年はそのルールの考慮外となり、作ることができないのです。

詳細は国立天文台のHPをご覧ください。

なぜ、国立天文台がそんなことを言っているかと言うと、新暦(グレゴリオ暦)は責任をもって作るが、旧暦は自分たちの仕事ではないので、作りませんと暗に言っています。

一応国立天文台は旧暦を作るための案を3つ出しています。
2033年の夏から2034年の春までの間で、どこかで閏月(うるうづき)を入れないといけないのですが、今までのルールではそれが入れられません。それを回避する案が三つあります。でも国立天文台では決めませんと暗に言っています。

でも誰かが決めないとたくさんの人が困ります。
特に冠婚葬祭関連の人たちはどうしたらいいのかわかりません。
大安とか仏滅とか友引とかがわかりません。
その他占い関連とか宗教関連とか困るはず。

さあ、どうなるのでしょうか?
やはり国のどこかの機関が音頭をとって決めないとダメなのでは?

私はもうその頃は生きていないと思うので・・・・
でもどの案になっても六曜は変わる。占いっていい加減なんだ。
 

「光る君へ」の時代を考察する(第二十六回)