ミュージカル『レベッカ』の円熟味 | 拝啓、ステージの神様

拝啓、ステージの神様

ステージには神様がいるらしい。
だったら客席からも呼びかけてみたいな。
観劇の入口に、感激の出口に、表からも裏からもご一緒に楽しんでみませんか。

拝啓、ステージの神様。
思いつくままですが……。

 

シアタークリエで上演中のミュージカル『レベッカ』。

今年初のミュージカルだったので、
気に入ったところ、気になったところを思いつくままに書いてみよう。
 
・「わたし」役の大塚千弘さんが、可憐。(本作では「わたし」役はトリプルキャストです)
歌い上げるナンバーもあるけれど、プロローグが力が入りすぎてなくて、一瞬で「わたし」という彼女を見守りたくさせてくれた。
 
・お屋敷の壁紙が素敵
イギリスの邸宅らしい、シックな柄の壁紙が美しかった。ダークな色もまたミステリアスな雰囲気にピッタリ。こういうところに目がいくようになったのは、友人に壁紙のプロがいるからだな。
 
・衣装が好み
登場人物たちが着ている衣装が好き。特に、チェックのスカートやワンピース、アーガイルのソックスなど、レトロでオシャレ。
 
・モリクミさんはやっぱり!
ヴァン・ホッパー夫人役の森公美子さんはやっぱり存在感抜群。
緊張感が続く作品なので、モリクミさんの出てくるシーンでホッとできたのは私だけではないはず。

・ダンヴァース夫人が気になり過ぎる
とにもかくにも、ダンヴァース夫人が歌う「♪レベッカ」の旋律。観劇前に「曲が頭から離れなくなりますよ」と聞いていたのだけれど、こ、このことか・・・・・・と。怖さも強さも哀しさも、「この感情」と一言では言い表せないダンヴァース夫人を覆っているものと歌が一体化していて、気になって気になって……。

・そしてダンヴァース夫人の保坂さんが気になり過ぎる
どうしよう、カーテンコールまで笑顔がない・・・・・・。だけど。
一応ここでやめておこうっと。

・大塚さんと出雲さんのデュエットがいい
「わたし」役の大塚千弘さんとベアトリス役の出雲綾さん。
二人の関係は義理の姉妹ということになるわけだけれど、2幕で歌う「♪女は強くなる」のデュエットが素敵だった。なんというのか声の相性なのかな。ああ、もうちょっと歌っててください、もう1曲そのまま二人で……とリクエストしたくなる感じだった。

・円熟味がすごい
この作品が再再演であること、全国での公演を経てシアタークリエでの上演を迎えていることなどいろいろひっくるめて、カンパニーの円熟味がすごかった。
ジュリアン大佐の今拓哉さん、フランク役の石川禅さん、ジャック役の吉野圭吾さんなどなど、「自分まだまだいけますけど……」なミュージカル巧者たちが脇を固めているものだから、その熟し加減ってばもう・・・・・・。

・山口祐一郎さんがお茶目
いや、劇中のマキシムはシリアスでスマートで、マキシム・ド・ウィンターそのものなのに、カーテンコールの山口さんのお茶目さ加減が、その落差が尋常じゃないです。この山口さんにノックアウトされているファンの方は多いのだろうな、と勝手に推測。

番外的に
・リーヴァイさんがいらした!
終演後、劇場を出たら、この作品の音楽、編曲を担当されている、つまり生みの親のシルヴェスター・リーヴァイさんがいらっしゃいました。
これまでパンフレットとか舞台上で挨拶される姿しか見たことがなかったから、同じ地上を歩いていて(ファンの方と写真を撮ったりもしていらした)、なんだかお年玉感があった。
ちなみに私が観劇したのは1月8日(火)のマチネ。
 
再演、再々演される作品の強さを感じた『レベッカ』。
熟す力とフレッシュなパワーが折り重なって上演されていた『レベッカ』。
こんな風にやはり最後は繰り返したくなってしまう『レベッカ』。
書きながら頭の中で歌っていることは言うまでもない。
 
パンフレットの表紙もこの「R」。
そして見ただけでやはりあのメロディーが……。
 
ロビーに飾られていたチラシの数々。これは『レベッカ』初演時のもの。
いろいろ懐かしいものがほかにもたくさんありました。もう10周年なのですね、シアタークリエさん。

 
<公演日程>
2018年12月1日(土)~12月4日(火)
シアター1010
 
2018年12月8日(土)~12月9日(日)
刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール
 
2018年12月15日(土)~12月16日(日)
久留米シティプラザ ザ・グランドホール
 
2018年12月20日(木)~12月28日(金)
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
 
2019年1月5日(土)~2月5日(火)
シアタークリエ