マタハラ~母性健康管理指導事項連絡カード~ | 愛しの3匹のこぶた~長男とミックスツインとの愛しき日々~
『母性健康管理指導事項連絡カード』
皆さんはご存知でしょうか? 
利用されていますか?
妊娠中に医師からちゃんと説明をして頂けましたか?


お恥ずかしながら、私は妊娠するまでその存在すら知りませんでした。

そして、長男を妊娠してからもちゃんと理解できていませんでした。


そして、

『マタニティハラスメト』

近年、少しずつ浸透してきた言葉ではありますが、
まだまだマタニティハラスメト ...
マタハラはよくあり得るのが現実です。

それは、無知や未経験であるが故に
想像力、思いやりの欠如から
横行しているのではないかなと感じております。

たとえば....
悪阻の辛さは経験した者にしか分からない。

でも、思いやりの気持ちや知識があれば
たとえ経験したことがなくとも配慮した言動ができるはずです。

でも、私も含め哀しいかな人は
当事者にならないと
深く考えることが難しいのだと思います。

故に
妊娠、出産経験があっても
何のトラブルもなく
悪阻もない、または極軽度だった
そんな女性による
マタハラもとても多いように感じます。


『妊娠は病気ではない』

この言葉。

とっても違和感!
なぜ、こんな言葉が生まれてしまうのでしょうか。

『病気ではない』
だから
『動け』
『働け』
『休むな』
...とでも言いたいのでしょうか?

『重症悪阻』
『切迫流産』『切迫早産』
『妊娠高血圧』
『妊娠糖尿病』
...他にもまだまだあります。
これらは、れっきとした、言わば
『病気です』
治療が必要な場合も大いにあり得ます。
妊婦の命や健康を脅かすこともあります。
出産後も抱えていかなければならない事もあります。

そして、赤ちゃんに何かトラブルを抱えていることもある。

どれも、端から見ても分からない。

例え、何のトラブルもなかったとしても
妊娠し身体の変化による体調不良はいくらでもあります。

それを

『妊娠は病気ではない』

そう思っている方がいるとするならば
無知過ぎる。
浅はか過ぎる。

お腹の中で
『命』
を、守る。
育てる。

それって、大変なことです。

その大切な『命』を失ってしまうことに繋がる場合だってある。
その責任をとれるのか?
無責任なことを言わないでほしい。

そう思います。


以前、職場に悪阻の酷い後輩がいました。
その頃、私は結婚はしていましたが、まだ妊娠はしていませんでした。
故に悪阻の辛さも分かりません。

でも。
真っ青な顔で
どんどんと痩せていく彼女。

それでも、頑張って出勤し業務をこなしていました。

いつか倒れてしまうのではないか。
そう心配になる程です。

ある時、彼女に聞きました。

『大丈夫? 休ませてもらえないの?』

その問いに彼女は辛そうに

『悪阻で休みなんてあげられない、そう言われて休みをもらえないんです』

驚きました。
普段から一生懸命に働く子です。
妊娠する以前も休むことなんてなかった子です。
そんな子が

『休ませてほしい』

そう言いに行く。
よっぽどのことだと、何で分からないのでしょうか?
たとえ、そう訴えなかったとしても

『少しお休みした方がいいよ』

と、声をかけたくなる程、見ていて辛そうでした。

幸い、周りのスタッフは思いやりのある方が多く、勤務中は少しでも彼女が動かなくてすむように、協力をしていました。

ある時、子供のいる男性スタッフが彼女に

『医師に診断書を書いてもらいな。そしたら、休みをあげないなんて、言えないから。休んでいい状態だよ』

と、アドバイスをしました。
そして、彼女は診断書を持って上司に再度申し入れをしました。

診断書がある以上、休業はできるはずです。

でも、上司は

『悪阻で休むなんて前代未聞だ』

と、大騒ぎ。
周りのスタッフの冷ややかな目にも気付かない。
むしろ『大丈夫?』と声をかけてあげる立場だろと、怒りを覚えたくらいです。

そして、この上司。
私の中の良い3人の子供がいる同期に

『○○さん、休む程、悪阻そんなに辛かった?』

って、聞いたんです。
同期は

『私は悪阻はほとんどありませんでした。
でも。人それぞれです。辛い人もたくさんいると思います。』

言いたいことはたくさんあったけれど、ぐっと堪え、それだけ答えて立ち去った、と呆れながら言っていました。

そんな上司の言動に、私を始め、周りのスタッフが驚き腹が立った1番の要因は

子供が1人いる妊娠出産経験のある女性の医療従事者

だからです。

自分は悪阻がなかったそうです。
だから、

『悪阻なんて大したことない』

そう思っているんです。
あんなにも真っ青な顔をし、どんどん痩せていっているのに。

その後、辛く長い悪阻を経験した私は
彼女がどんなに辛く、それでも頑張って仕事場に来て、業務をこなしていたか、
今では痛いほど分かります。


こんな思いをする方がこれからはいないでほしいです。



そして、
私もマタハラを経験した1人です。


長男が授かったと分かった時、
夜勤のある不規則な3交代のお仕事をしていました。

始業1時間前には職場に到着し、8時間の日勤業務を行う。
もちろん終業の17時過ぎになんて仕事は終わらない。
残業は当たり前。
そして1~2時間の仮眠をとって、深夜にまた始業開始1時間前に職場に行き、8時間の夜勤業務を朝まで行う。
もちろん。夜勤も終業時間には終わらない。

(夜勤だけの勤務は基本ありません。必ず日勤を行ったその深夜に夜勤業務を行うという勤務体制ですショボーン)

仕事内容もハードで、その8時間の間、
ほとんど座れなかった...
ということも珍しくありませんでした。

妊娠していない時でさえ、年を重ねる毎にきつくなっていく勤務体制。

それを妊婦がこなすのは容易ではありません。


妊娠報告を職場にするタイミングは様々なご意見があるかと思います。


安定期と言われる時期までは言いたくない。
それが私の本心でした。


でも、仕事内容的にはそれでは身体的負担が大き過ぎる..

でも。

もし流産になってしまったら...


悩んだ末に心拍が確認できたら報告しよう。

そう決めていました。

しかし、妊娠判定が出るか出ないか...
そんな初期から悪阻が始まり、嘔吐を繰り返し、夜は気持ち悪さで眠れない...

一睡もできずに日勤に向かい、必死に悪阻やだるさ、眠気を我慢し、日勤業務を通常通り行う。

帰宅し、仮眠も全くとれないまま、また夜勤業務に行く...

身体が限界でしたショボーン

いつか倒れてしまう。
業務に支障が出てしまう。


夜勤業務は万が一、休む場合は代理を立てないといけない。

不規則な勤務で代理を立てることはとても大変で、とても迷惑をかけてしまう。
だから、今までも体調管理に気を付けていました。

その為、悩んだ末に

心拍確認前でしたが

上司が翌月の勤務表を作成する前に報告し、翌月から夜勤の免除をお願いすることにしました。

その結果

『母子手帳を出していない以上、妊娠とは認められない。』

『母子手帳を出して妊娠したとなっても、悪阻程度で夜勤の免除はできない』

と、言われたのです。


病院や地域によっても違うと思いますが、私の通ってた病院は心拍が確認されてから母子手帳を交付してもらう手順になっていました。
故にまだ母子手帳を受け取っていなかったのです。

もちろんそれを説明しましたが、理解して頂けるわけもなく...

『妊娠している』

とさえ、認めてもらえませんでした。


ちょうどその頃、昇格試験目前で
私の部署は例年になくたくさんのスタッフが受ける予定でいました。

その為、昇格試験を受けない私は
通常では考えられない連勤となり、
ハードな勤務体制を強いられていたのです。

身体はとうに限界を迎えていました。

せめて、このハードな連勤の1日だけでも休みを頂きたい。

そう伝えても

『人がいないから無理』

そう言われ、どうすることもできませんでした。

この時の上司は、上記の後輩の時から代わり

未婚、出産経験のない女性

です。


母性健康管理指導事項連絡カード。
その存在を私はこの時、知りませんでした。

本来、妊婦が申請をしたら

*夜勤業務の免除
*勤務時間の短縮
*負担の大きい作業、ストレス・緊張を多く感じる作業の制限
*長時間の立ち作業、腰に負担のかかる作業、同一姿勢を強制される作業の制限

の権利があります。

そんなことまでは言わない。
でも、
『限界だ』
と言っているのだから
少しの配慮はしてほしかったです。

長らく働いてきて、お休みを願いでたのはこの時が初めてでした。

そして、私は公務員でもあります。
国が定めた制度を公務員が働く現場でも知られていない。
マタハラがある。
これが現実です。

自分自身もちゃんと制度を知っていたら

この連絡カードや制度がしっかり普及していたら

そんなことを今は思います。

なぜなら、
私はそのすぐ後に
勤務中に多量の出血をし、赤ちゃんの命が危険にさらされることととなるんです。


長くなりましたので、その時のお話しはまた次回に...


1人でも多くの方の理解と、
母性健康管理指導事項連絡カードの普及、
辛い思いをされる妊婦さんがいなくなることを

切に願います。


そして、お腹の赤ちゃんを守れるのは自分だけです。
嫌みを言われても、嫌な想いをしても
無理をしないでほしいです。

流産や死産は誰にでも起こりうることです。

『自分だけは大丈夫』

そんなことは絶対にありません。

何かあってからでは、遅いのです。