今回は、これから起こりうることを予知している夢ということで、「予知夢」についてお話をします。
ユングは、「夢は単なる記憶の整理ではなく、未来へ向かう無意識の方向性を示す」と考えており、意識と無意識のバランスを取る「補償作用」として夢を重視しました。特に、無意識からの重要なメッセージであり、人生の変容(個性化の過程)を促すものと捉え、予知的な側面も認めていました。その実証例が、超感覚的知覚です。
超感覚的知覚
(Extrasensory Perception / ESP)とは
視覚・聴覚・触覚などの五感や通常の感覚器官を介さずに、外界の出来事や情報を認識する能力とされる概念で、超心理学の主要な研究対象です。テレパシー、透視、予知の3つが代表的で、「第六感(Sixth Sense)」とも呼ばれます。
主な種類
- テレパシー(Telepathy):
他人の心の内容や思考を、言語・身振りなしに直接読み取る能力。 - 透視(Clairvoyance):
物理的に見えない遠くの場所や物事を、視覚的に認識する能力(千里眼、天眼通など)。 - 予知(Precognition):
未来に起こる出来事を、前もって知る能力(例:事故の予見、虫の知らせ)
昔からこういった超常現象体験は多くの人が報告している。しかし、科学的根拠がないために、話半分で人々に受け入れられてきたが、ユングの理論から考えれば、このような超常現象が起きることも説明がつきます。
ユング自身の体験
ユングは、1913年の旅行中に幻覚を見ています。洪水が北海とアルプスの間の北の低地地方のすべてをおおい、多くの溺死体があり海全体が血に変わるのです。この幻覚は1時間続きました。そして、2週間たってからまた生じたのです。それから、1914年の春から初夏にかけて、同じような不吉な夢を三度もくりかえしみています。
ユングは「このような幻覚や夢は運命的なものであるので、私は何事かが起こるのではないかと覚悟していた」と自伝に書いています。そして、1914年の8月1日、第1次世界大戦が勃発するのです。ユングは、夢や幻覚が現実と何らかの関係性のあることを知り、自分の夢日記の分析を通じて「集合的無意識の仮説」に到達しました。
ユングの「集合的無意識の仮説」について詳しくは、
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