国宝 《金銅能作生塔》 鎌倉時代 13世紀
東京国立博物館の常設展に展示。
奈良の長福寺所蔵。東京国立博物館に保管されています。
鎌倉時代の国宝の能作生塔。
この作品は記憶にないので、初めてきちんと観ましたね。
●《金銅能作生塔》 鎌倉時代 13世紀 奈良・長福寺蔵
■能作生塔とは
能作生珠(のうきしょうのたま)というものを入れる容器のこと。
能作生珠とは、あらゆる願いを叶える不思議な珠。如意宝珠と同じ意味をもつ珠のこと。
7つ揃ったドラゴンボールですね。
真ん中にある丸いところにその能作生珠を入れるらしいのですが、この作品には、その珠は残っていません。
この作品に似ているものは、京都府の海住山寺の所有のものが他に唯一残っています。
それには水晶でできた珠が残っていて、それが能作生珠なのでしょうね。
▼上部分
色々な部分が組み合わさって、作り上げられているようです、個別に全く違うようですが、うまくバランスが取れた作りですね。
▼下部分
下の方の細かなデザインは繊細。
この作品には鍍金(金メッキ)、鍍銀(銀メッキ)、毛彫などの高い技術に裏打ちれた、繊細な美しさ溢れています。
鎌倉時代を代表する金工芸品だそうです。
▼中央部分
中央部の画像。
左端に見えるのが、蝶番で開けられるようになっているそうです。
中は金箔張りとのこと。
よく見ると魚々子(ななこ)という、魚の卵を散らしたような細かいツブツブが地の部分にあるのですが、それが毛彫の蓮華唐草の模様とマッチて、とてもいい感じですが、、、
うまく写りませんでしたね。
残念。
キャプションによると、
能作生珠は釈迦の遺骨の仏舎利と同じように崇拝されたそうです。
形も古代インドの舎利容器と似ている水瓶の形を踏まえているそうです。
どうりでどこかインドぽいですよね。
■奈良県・長福寺
奈良県、生駒市にあるお寺さん。
聖武天皇によって勅願。行基上人が開山という、由緒あるお寺です。
鎌倉時代に作られた、重要文化財の本堂などが残るそうです。
今では住宅街にあるお寺さんですが、
そんなお寺にも国宝がちゃんと残っている奈良県。
さすがに歴史があるということは、色々なところに素晴らしい物が残ってる。
ということなのでしょうね。