ゴッホと静物画 ー伝統から革新へ
新宿の西口、SOMPO美術館で1月21日まで開催していました。
先日終わってしまいましたが、そのレポートとなります。
場所はJRの新宿駅から歩いて5分ぐらいですね。
本来は2020年に開催予定の展覧会でしたが、コロナ禍が理由で今年まで延期された展覧会です。
SOMPO美術館で20年ぶりのゴッホの展覧会だそうです。
■フライヤー この展覧会はダブルA面です
ゴッホの《ひまわり》と《アイリス》を使っています。
平日の午後4時過ぎに行ったのですが、結構な混み具合でした。
売店では1時間待ちの可能性もあります、なんて張り紙がありました。
もっと早い時期に行くべきでしたね。
作品のほとんどは撮影可能でしたが、、、
ヴラマンクの作品は禁止でしたね。
■作品紹介
●ゴッホ《ひまわり》1888年11−12月 SOMPO美術館
おなじみのゴッホの《ひまわり》。
いつも常設展に飾ってありますが、今回は絵の具の盛り上がりの感じを撮影してみようと、下からあおり気味に撮ってみました。
厚塗りの感じが掴めたでしょうか?
●《アイリス》1890年5月 ファン・ゴッホ美術館 アムステルダム
純粋に絵としてみると《ひまわり》よりこっちの方か好きかも。
絵としてとてもシャープな感じ。青とオレンジの捕色の関係がはっきりと意識されています。
ゴッホって何気に、センスというより、構図や色彩を計算ずくで作っている印象があります。
今回のゴッホの作品の紹介はこんなところ。
この展覧会では、ゴッホに影響を与えた作家の静物画と、おまじひまわりを題材にした作品などが展示されています。
実はゴッホの作品より、その他の作家さんの作品がとても気になりましたね。
●ジョージ・ダンロップ・レスリー 《太陽と月の花》1889年 ギルド・ホール・アートギャラリー ロンドン
中でも一推しの作品。
母親と娘との、無言の気持ちのやりとりを描いています。
母親から娘に向けた心配そうな視線を辿ると、花を切っている娘がいます。
彼女はハサミを使って花を切っています。
そして足元には切ってしまった、ひまわりの花が落ちています。
床には、二つの花瓶があって、母親に近くの右の花瓶には母親が生けたのだろうひまわりが飾ってあります、
もう一つの左側の花瓶には、何も生けてない状態。
これから娘が花を生けるのでしょうね。
▼部分
娘を見守る母の姿、足元にはすでに生けてあるひまわりがあります。
この部分図には見えていませんが、母親の右手の先にはすでに切ってあるひまわりの花が窓辺においてあります。多分、娘がうまくいかなければ、その花を使うつもりのなでしょしょうね。
▼部分
一生懸命に花を切る娘の姿。
足元にはひまわりの花が落ちています。
▼二つの花瓶
ジャポニズムっぽい花瓶ですね。
娘がわの花瓶にこれから花が生けられることになるのですね。
何も言わなくても、通じる母と娘の姿が絵がかれています。
レスリーは19世紀から20世紀にかけて活躍したイギリスの画家。
こんな日常の何ない作品を多く描いているそうです。
●ドラクロワ 《花瓶の花》1833年 スコットランド・ナショナルギャラリー
キャプションによると、ゴッホはドラクロワの色彩について感銘を受けているそうです。
ガラスの花瓶のところなど、自由な感じで描いていますね。
●アンリ・ファンタン=ラトゥール 《プリムラ、洋梨、ザクロのある静物》1866年
クレラー=ミュラー美術館 オッテルロー
19世紀のフランスではブルジョアジーの社会的な地位向上によって、このような室内の風景を描いた作品の需要が増えたようです。
果物の切ったところの瑞々しさ、花びらの存在感なんて本当にいいですよね。
●ルノアール《アネモネ》1883ー90年頃 ポーラ美術館 部分
アネモネもルノアールはこう見えるというわけですね。
●ピサロ 《丸太作りの植木鉢と花》1875年 松岡美術館
ピサロは印象派の作家の中でも、多くの後輩たちを面倒を見たことで知られているそうでエす。
キャプションによると、ガッシュ医師をゴッホの弟のテオに紹介したのもピサロだそうです。
ピサロは風景画家。
1000点を超える彼の作品のうち、花を描いたものは14点だけだそうです。
●モネ《グラジオラス》1881年 ポーラ美術館
縦長の画面。
キャプションによると、東洋の掛け軸を意識したようなことが書かれていましたね。
背景には何も描かないのですね。マネはね。
ゴッホの絵というより、他の作家さんの紹介が中心となってしまいましたが、、、
ゴッホ展というより、花や静物画の展覧会。
他の作家の作品がとても印象深いので、ゴッホ絵の特徴を際立たせている気がしましたね。