神が遣わした羽音は、優しいばかりではない。
スタインウェイの黒く光り輝くピアノの、その艶やかな漆黒の深さ鋭さは、恐ろしいとさえ感じた。
途方もなく大きく広がるホワイトホールに足を掬われ、はるか波の間にまに割れる光の音が押し寄せて来る。
ホテルのラウンジで心地良く奏でるピアノのイメージとは途方もなく違う、、純粋芸術のピアノリサイタル。
なんだか、凄いもの聴いちゃったな、
プロコフィエフソナタ7番。
純粋芸術家、純粋ピアニスト井上和恵さんの
無から有に渡る意識と音の時間。
物語ではない表現か、、
いつもは使わない脳のどこかを刺激されたようだ。