ピアニスト | アキグミ

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秋吉久美子オフィシャルブログ

好きな作曲家、、と、聞かれて、ドビュッシー、、という人はあまりいない。
でも、今日、井上和恵さんのスタインウェイ ホールリサイタルで、
ドビュッシー 18才からの第1期、
絢爛豪華な音のるつぼから、
飛び跳ねる水滴のような、
ドビュッシーの旋律の企てに満たされて、
恍惚とした。
ドビュッシーは時の偉大な作曲家チャイコフスキーに、まとまりがないと、酷評され、
新しい音楽のプロセスなのだから、、
と気にしなかったという、、
さもありなん。
そうでしょうとも。

ピアノという打楽器から、
ピコロ、フルートのような管楽器の羽音を編み出し、
チェロ、バイオリンのような弦楽器の音色を響かせ、
黒く光る大きな羽を開いた箱の中で混ぜ合わせ、
頭をおかしくさせ、心を巻き込む、、
ドビュッシーは我儘な魔法使いのようだ。




井上さんのピアノは、
メロディーをなぞるのではなく、
作曲家の生きている次元に導き、
時の艶やかさを輝かせる立体感が
素晴らしい、、と
いつも感嘆する。
耳で聴いているはずなのに、
映画を観ている気分になる。

だから癖になる。

次回、8月に行われるドビュッシーの二期も
行けるといいな、、と、
ワクワクしている。