小説を読んで魂に触れ
画を見て時間を超える
陶酔は現実に勝り、
官能は日常を奪う。
その全てが映画、花筐(はなかたみ)にあった!
大林監督 花筐(はなかたみ)を見る前と見た後では、
世界が変わる。
「あ、こりゃ、また、なーんてこった」となった時にはもう遅い。
大林さん、のエネルギーは、超越的だ。
檀一雄さんの小説の小さな幻想世界にぶち込まれた、我々!(とあえていう)、日本人の、文化、存在。
地獄に落ちた勇者どもの、オトコぶり、女ぶり。
そろそろノアの箱船も出来上がった頃だろう。
この大林作品を船に乗せて、未来に伝えたい。
私たち日本人は、かくのごとく考え、如此く振る舞う。
自虐、退廃、それが甘くて悪いか、と、
赤い毒に染まって慄き、昂まって、心の中で嗚咽する。
久しぶりに芸術のどう猛な牙に触れ、
官能の嵐に浸った!
久しぶりに「勇敢」という言葉を思い出した。
大林さんは、勇敢な芸術家て、勇敢な日本人だ。