日常会話なんですけど、「なにもない」と言われるのが、私は好きじゃないのです。
彼は冷蔵庫を開けて「食べるものがなにもない」っていうのも、よく言うのだけど、
冷蔵庫にはいろいろ入っているのです。
そのたびに
「食べられるものはあります。あなたが食べたいと思うものがないだけです」と訂正する私。
いちいちめんどくさいとウザがられながらも、冷蔵庫に食材はいろいろ入っているのに、「ない」というのがイヤなのです。
言葉は大事です。
夜9時をすぎて「なにもない」ということは、彼はごはんを食べてないし、作ってもないということ。
ヘロヘロの私には、それから作るパワーはもちろんありません。
家に向かう私の視線の先にからあげ屋さん。
「からあげ買って帰ろうかな」
「いいんじゃない?」
帰ったら、「からあげ♪からあげ♪」と歌いながら、私の持っていたからあげ弁当を奪い取り、ビールを用意し、嬉しそうに、私が手を洗ってうがいするのを待つだんなさん。
ふたりでからあげ弁当を食べて、この地味でしょーもない日常が幸せだなあと、じんわりしみじみ思いました。
きれいなワンピースでなく、着込んでヨレヨレのTシャツの自分、
ノーメイクで髪の毛ボサボサの自分、
ごはん作りたくない、からあげ買って夕ご飯にするズボラな自分、
読んだ本は出しっぱなし、洋服は脱ぎっぱなし、しょっちゅう無くしものをして探してるだらしない自分、
口元への字で緊張感のない表情の自分、
今日できることをついつい明日に先延ばししてしまうダメな自分、
イヤなことがあって、機嫌悪いのをずっと引きずってぷんぷんしてる自分、
酔っ払って帰ってきて、そのまま寝そうなのを怒られながらシャワーして着替えて、なんとか布団にはいる自分。
こんなダメダメな自分を人には見せられないと思って生きてきたけど、大丈夫だったよ。
こんな自分を見せても、嫌われないどころか、1番の味方でいてくれて、大切にしてもらえてる。
いや、
そんな自分を見せているから、
味方になってくれて、大切にしてもらえるのだ。
2年前。
今読んで、自分でほっこりしてる。
昔の私は知りませんでした。
結婚したら、おつきあいするなら、ちゃんとしないといけないと思っていたし、
身なりも、態度も、いつもキレイでいないといけないと思っていたし、家事もがんばってやらないといけないと思っていたし、友だちと飲みに行けなくなると思ってました。
それ全部、私が勝手にそう決めていただけで、
結婚して一緒に暮らしてもそうでなくていいって、ほんとに知らなかったんですよ。
このブログを書きながら気づいたのですが、
料理下手で、家事が苦手で、よれよれの格好で、ダメダメな奥さんは、私の母親でした。
結婚したらあんな奥さんにはならない、なりたくない。
あんな奥さんだったらだんなさんに嫌われる、捨てられる。
おいしい料理をいつも作って、家事をちゃんとして、いつもキレイな奥さんになろうと、
確かに子どもの私は思っていました
でも、ほんとうの私はダメダメ人間なので、日常でそれを続けていくにはめっっちゃがんばらないといけない。
→それはしんどすぎる
→結婚はしんどい
→なかなか結婚できない
ってなるわ
私がイヤだと思っていた〝だらしない〟〝ダメダメな〟母親は、それでもちゃんと父親に大事に思われていました。
私がそれを知ったのは、母親が死んだ後だけど。
だらしなくてダメダメな自分を出すとパートナーシップがよくなるよ、
おしゃれなレストランでの食事より、からあげ弁当の日常が大切なんだよというブログを書くつもりが、
自分の母親のことに着地して気づくことがあって、
今日はこのまま、動揺して終わります。
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