太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から
着想を得て書かれた作品、
伊坂幸太郎くんの『バイバイ、ブラックバード

を読みました。

 

バイバイ、ブラックバード/伊坂 幸太郎
 

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借金のために<あのバス>に乗せられることになった
主人公星野一彦は、
監視役の繭美(180センチ、180キロ!)に、
自分がいなくなってしまう前に
付き合っていた女に別れを告げに行かせてくれ、
と懇願する。
 
最初は拒絶した繭美(いつも「常識」「気遣い」
「マナー」といった言葉が
黒く塗り潰された辞書を持ち歩いている)
だったが、
本部にお伺いを立てると意外にもOKが出た。
 
一彦は繭美(「千里の道も一歩から」
を自分の祖父の発案だと信じている)を連れ
(というか監視されながら)、
彼女と結婚することになったから別れてほしい、
と付き合っていた五人の女たちに
話してまわる事になる……
 
 
太宰の作品が完成していても、
ここまで面白くはならなかったろう、
と思いました。
 
まず、五人の女たちとの出会いが
語られるのですが、
これが絶妙です。
 
普通なら絶対にありえないような設定
(車を運転していたら刑事に止められて
「犯人を追っているから車を貸せ」
と乗って行かれてしまったから
あなたの車に乗せてください)が、
伊坂くんの手にかかると、
すっと入って来るから不思議です。
 
 
評価 ☆☆☆☆
 
 

これまでに読んで紹介した、その他の伊坂幸太郎の本

 

オー!ファーザー  ☆☆☆

SOSの猿  ☆☆

あるキング  ☆☆☆

モダンタイムス  ☆☆☆

陽気なギャングの日常と襲撃  ☆☆☆

 

 

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