
ドラマ「良いこと悪いこと」(最終感想)
この前の土曜日に最終回を迎えたドラマ「良いこと悪いこと」の最終感想です。
※多少のネタバレを含みます。すでに放送終了していますが、配信などでこれから観る予定の方はスルーしてください。
日本テレビ・土曜ドラマ枠で放送。全10話。
出演は、間宮祥太朗、新木優子、森本慎太郎、深川麻衣、戸塚純貴、剛力彩芽、木村昴、藤間爽子、工藤阿須加、松井玲奈、稲葉友、森優作、水川かたまり、徳永えり、木津つばさ、玉田志織、秋谷郁甫、田中美久、宮崎莉里沙、矢柴俊博、赤間麻里子、他。
6人の顔が塗りつぶされた卒業アルバムから始まった連続不審死の謎を解く考察ミステリーです。
元6年1組の同窓会で22年ぶりに掘り起こされたタイムカプセル。その中に入っていた卒業アルバムは6人の顔写真が塗りつぶされていた。その夜、6人のうちの1人がマンションから転落して死亡した。その6人というのが小学生の時に猿橋園子(新木優子)を虐めていたという共通点があって、疑われたくない猿橋園子は顔写真が塗りつぶされていた1人である高木将(間宮祥太朗)ともに真相を調査するというのが序盤の展開…。
普通に考えたら6人以外の同級生が犯人だと予想出来てその線で観ていましたが、終盤になっていじめっ子グループの7人目の存在やもう一人のどの子の存在が明らかになって、これには驚きました。ミステリーで終盤に新たに怪しい人物を唐突に登場させるのは反則にも思えますが、小学生当時の記憶なんて曖昧でましてや転校が絡むと忘れてることも多いので、ここら辺は設定を上手く使ったと思いましたわ。
そして予想外の真犯人。最終回の1つ手前で真犯人が明らかになって最終回は何を描くのだろうと思っていたら、無関係と思われていた2人が事件に関わっているなど意外な真相が明らかになって、まさかここまで計画されていたものだとはね…。ミステリーとしての意外性と相まって思わず唸りましたわ…。
最初からヒューマンドラマとしても面白いと思っていましたが、最後はいじめの撲滅について議論を巻き起こすような内容になっていて、いろいろ考えさせられました。
考察系を謳っていたので大量の伏線やミスリードを入れ込んだ散らかった展開になるのかと思ったら全然そんなことはなくて、上質のヒューマンミステリーに仕上がっていました。むしろ考察系などと謳わない方が良かった気がしますよ。
主要登場人物の小学生時代を演じる子役の子をちゃんと似ている感じの子を配役していたのは良かったですね。日本のドラマってこういうところが雑なことも結構あるのでこのドラマはちゃんとしてると思いました。
主演の間宮祥太朗はこれまであまり上手い俳優だとは思っていませでしたが、本作は役にハマっていて非常に良かったと思いました。新木優子も落ち着いた雰囲気で良かったですね。
最初から視聴意欲が高かった訳ではないですが、次第に毎週楽しみになっていきました。ミステリーとしてもヒューマンドラマとしても面白くて良いドラマでした。
おまけ。
タイトルの「良いこと悪いこと」は、「良い事悪い事」なのか「良い子と悪い子と」なのか、ずっと気になっていました。最後まで観たら分かるかと思っていたのですが最後まで観ても分かりませんでした。皆さんどう思いますか?
ドラマ「地獄は善意で出来ている」(最終感想)
この前の木曜深夜に最終回を迎えたドラマ「地獄は善意で出来ている」の最終感想です。
※多少のネタバレを含みます。すでに放送終了していますが、配信などでこれから観る予定の方はスルーしてください。
フジテレビ/関西テレビ・木曜深夜0:45~1:15で放送。全10話。
出演は、草川拓弥、高野洸、渡邉美穂、吉田健悟、井頭愛海、細田善彦、他。
前科者が集められた「元受刑者特別支援プログラム」に仕掛けられた残酷な罠と彼らの運命を描いたヒューマンサスペンスです。
傷害罪で2年間服役した高村樹(草川拓弥)はカトウ(細田善彦)という謎の男に声をかけられ、元受刑者特別支援プログラムに招待される…という出だし。
他の元受刑者5人とともに施設に集められた高村。しかし元受刑者の支援というは表向きの目的で、逆に犯罪被害者遺族を支援するために元受刑者へ復讐するのが本当の目的というのは早々に明らかになって、初回で早くも元受刑者1人が犠牲になりました。
積極的に復讐を望む遺族もいれば復讐を躊躇う遺族もいる中で、窃盗罪の堂上翔太(吉田健悟)、詐欺罪の一ノ瀬夢愛(井頭愛海)にはカトウの手によって復讐が実行されていきます。
しかし、高村、横領罪の立花理子(渡邉美穂)、麻薬取締法違反の小森琥太郎(高野洸)の3人は真の目的に気がついて、果たして彼らの運命やいかに…。
そもそも興味深い設定とブラックな展開に引き込まれたこともあって、前半は被害者遺族やカトウの方に感情移入しながら元受刑者に復讐が実行されるのを良しとして観ていましたが、次第に高村ら元受刑者側に感情移入してなんとか施設を脱出してほしいと思いながら観ていました。
裏切り者の存在にハラハラしたりサスペンスとしての面白さもさることながら、最後は思いがけず友情の物語となって想像以上に面白いドラマとなりました。
最後も希望に満ちた良い終わり方でした。
最近ドラマでちょこちょこ見かけて草川拓弥くんの存在を認識しましたが、このドラマもなかなか良かったです。細田善彦くんはこの手のちょっとヤバい奴を演じさせたら流石に巧いですね〜
何か原作があるのかと思ったらオリジナル脚本でした。設定の面白さだけに頼って尻すぼみになることなく最後まで面白かったのは評価したいです。
30分枠で短いながらも見応えにあるサスペンスで観て良かったです。



