河童やオシラサマ、山の神など古くから伝わる伝承や民話を集めた民俗学の始まりと言われる「遠野物語」。今回の東日本では今後の東日本支援策の打ち合わせもあって遠野市内を久しぶりに回りました。

 以前は駅周辺しか歩きませんでしたが今回は遠野物語の主な舞台となった土淵あたりにも行きました。そこで発見したのが佐々木喜善という無名の作家であり語り部でした。作家を目指し若い頃に東京にも出ていた地元の名士で、柳田國男に遠野物語を語ったのはこの佐々木喜善でした。

 柳田國男はその遠野の話しに大変興味を持ちすぐに遠野物語を書きはじめました。当時まだ25歳の佐々木喜善が柳田のまさに語り部だったのです。またその頃に柳田國男は人吉から宮崎に向かう県境にある平家の落人伝説がある椎葉村に深い関心をもっていました。が、佐々木喜善の話しがとても印象深かったらしく先に「遠野物語」を書きはじめたようです。

 もしかして佐々木喜善と柳田國男が会ってなかったら椎葉村こそが「椎葉物語」となって世に出ていたのかもしれません。・・などなど、色々な発見はありましたが実は現代の、今の遠野物語を遠野市のみなさんが描いていくことがとても大事な時期に来ているのではないかと感じました。そのお手伝いをすることも東日本支援にそのままつながりそうです。

 以前はほぼ毎日のように田舎と都市、大都市と地方都市、海と山、離島と中山間地などを行ったり来たりしていたのですが今は東峰村での生活を軸に都市や東日本や熊本等を回っているので世の中の感じ方が変わってきています。

 生きて来たキャリアや年齢もあるでしょうが基本はどこにいても楽しく生きていけることは大きいですね。よく芸術家が、例えば作家や彫刻家、画家・・、が「作品は出来上がってしまえば一人歩きする」ということや、「出来てしまえばその作品に関心はない」などと言いますがよくわかります。わたしの言葉で言えば「番組はオマケ」、「番組づくりのプロセスがまちづくり」と言ってることです。東京の夜にこんなことを考えているのは今月末に先日いただいたある賞の受賞祝賀会を開いていただくことになってこの17年間を3分でどうお伝えするか?を考えていたからです。

 振り返れば実によく全国を歩きました。オマケの番組も山ほど作り、まちづくりがいろんなところで形が見えて来ました。この17年間は毎日が「24時間戦えますか?」の世界に似たものではありましたが実際は「戦ってる」のではなく「生きてる」って感じでやれて来ました。一人で生きてないことは身体で、そして生命で十二分にわかります。そしてこのわたしの現実をどのようにお伝えするか?・・・自分で課しているのは3分です。

 凄く面白くて眠くもなりませんがどうしても「テレビ60歳」がちらちらして来ます。明日は朝一番で北上川の流れを見ます。筑前から江戸へ来て陸奥の国へ。阿弖流為とテレビがこの春はNHKで実現していました。熊襲とテレビは20年前にわたし自身が制作しました。古代とテレビ、日本の歴史とテレビ、3分は難しいけれど最高の創造活動になりそうです。


 昨日は東峰村宝珠山地区の古城原(こじょうばる)で獅子入れがありました。獅子入れ(宝珠山地区)、獅子回し(鼓地区)は既に何度も紹介してますが祭のあとの呑み会を古城原では「夏ごもり」と言ってました。こいうちょっとした表現も同じ東峰村でも色々とあって豊かです。

 昨日は新スタッフの梶原愛理(えり)ちゃんと取材したのですが彼女は地元猿喰(さるばみ)なので古城原の獅子入れは初めてでしたが皆さんが子どもの頃から知ってるので最初からリラックスしていました。今の子どもたちとも仲良しで住民ディレクターとして鍛えて?!いました。夏ごもりは正午にスタートして夕方に終りましたが元気のいい方々はさらに中心街?!へと吞みに出かけていました。と、いってもわたしも愛理ちゃんと一緒に付き合って来たのですが楽しいお酒でした。

 昼は子どもたちとよく遊び、お年寄りとも昔話を聞きながら色々と語りあえてフルで楽しんだ一日でした。特に獅子入れの終わりに英彦山(ひこさん)系の豊前坊という珍しい場所にも行けてまた新たな発見をしました。これはまた別の項で書きましょう。


 平成8年春に全国に先駆けてスタートした住民自治番組「使えるTV」はJCNくまもとで2時間番組としてはじまり現在毎月30分番組を制作中です。最初で最も長寿の住民自治番組ですが17年目にしてやっと実現したことがあります。

 写真のカメラマンとタイムキーパーはJCNくまもとの制作トップのチーフディレクター井手さんと営業部長からコンテンツ担当になられた益田さんですが遂にケーブルテレビ局との実質的な共働の形ができつつあります。16年かかったということではありますが途中何度か共働の提案や試作の機会はありましたがなかなかお互いの事情で続きませんでした。

 今回は益田さんが約1年間現場に通い続けてくれた上での制作参画ですのでいよいよ新たな段階に入りました。わたしたちのNPOくまもと未来、澤副理事長が実質プロデュースして来てくれた住民ディレクター番組ですが人の和を成すネットワークは木を育てるようにじっくりじっくりと熟成していくものです。珍しく会館の応接間がスタジオになったのも副館長の出演という事情もあったのですがこのへんの臨機応変のスタジオ運営も継続の秘訣です。

 NPOくまもと未来の膨大なノウハウ集がそろそろ世の多くの方々のお役に立つ日が来たことを強く感じた昨日でした。「村民スタッフと東峰村役場」、「岩手県住田町の町民スタッフと住田テレビ」、そして「NPOくまもと未来と熊本ケーブルネットワーク」の「民・官共働」の仕組みは全て住民自治のモデルとして同時に逞しく動き始めました。


 通称わたしが恵梨奈ツアーと呼んでいた信愛ガールズツアーは昨日華やかなうちにとうほうTVでの受け入れ担当分は終りました。本当に華やかでした。恵梨奈ちゃんの同級生が7人も揃い、わあわあきゃあきゃあ賑わってるだけで楽しいのに加え地元中原のばあちゃん軍団が6人、さらにとうほうTV村民スタッフ伯夫さん、利光さんと新人スタッフで約20人がスタジオや和室でなごやかに交流しました。

 徹夜で編集した恵梨奈ちゃんの愛する故郷映像は同窓生にはどのように見えたのか?わかりませんが2年半のポイントをざーっと見ているとあらためて豊かな生活映像の世界を垣間みました。2年半ですが東峰村はいよいよアーカイブを生かしていく時を迎えました。ばあちゃん軍団の手料理は相変わらずなかなかのものでしたがこれを心から享受してくれる恵梨奈ガールズのおかげで次なる住民ディレクター修行合宿の企画案もだいたいまとまりました。

 ツアー、学習、習得、合宿、修行、鍛錬・・、色々な要素を全てトータルに実現していける環境が東峰村にはあります。中心は人です。


 新しい村民CMを制作しました。農家の奥さんで初期からの住民ディレクター梶原京子さんの初めてのトレーニング室利用をCMにしました。

 村の保健福祉センターにあるトレーニング室とそこに毎月2回やってくるインストラクターさんの紹介を通しての利用促進が目的です。豊富な経験を元に個人個人に合ったトレーニング指導、具体的なトレーニング方法を適確に教えてくれるインストラクターさんと京子さんの軽妙な会話と動きが実際は10分番組になっています。

 その番組のPRと保健福祉センターのコマーシャルを兼ねて作りました。30秒CMですのですぐに見れます。特に自治体の皆さんはのぞいてみてください。しばらく停滞してましたが新スタッフ態勢ができて再びとうほうTVのホームページが動き始めました。

とうほうTVホームページ http://www.tohotv.jp


 今朝から東福井地区の獅子入れでした。さなぼりといって田植えが終った頃に鬼や獅子が家々を回って悪魔払いをして歩きます。伝統の祭も高齢化がぐんぐん進み今では鬼も獅子も40代後半から60代、地区では80代までが現役という状況です。

 しかしこの祭は間違いなく集落のコミュニケーションを深め、一人暮らしのじいちゃんばあちゃんを元気づけます。きょう休憩タイムに近所からぽつりぽつりとやって来た米寿のじいさまはこの獅子入れの様子をみて「もう村は終わりだ」と叫ぶというよりはつぶやきました。わたしはすかさず「まだまだ米寿、終らせんように一緒にやりまっしょ」と答えました。

 最近確実に120歳まで生きる気になっているので米寿というとまだまだって感じになっております。わたし自身は人生やっと半分近くに来てこれまでの倍の時間がまだあるのでやることやっていくしかないな、との気概。獅子や鬼の怖い面にも励まされまだまだ走り続ける力をもらいました。少数精鋭ですが東峰村の皆さんはまだまだ元気です。あのじいさまにも近いうちに酒でも持ってゆっくりと話しましょう。


 昨夜は日田のスイカ農家の皆さんと番組完成試写記念呑み会!!元々日田市内の呑み屋さんで知り合った農家の足立さん(左端)からスイカの出荷式を取材して欲しいとのことからはじまったご縁です。

 先日大分県内のマスコミがほぼ揃う賑々しい出荷式がありました。そこへ久しぶりに一人記者・カメラマンのように参入し、各局の取材の模様や農家の皆さんの自然な表情、動きをしっかりと撮りました。さらに式が終った時点でスイカゴロゴロの会場をスタジオに10分番組を収録しました。ご覧のように一人司会、カメラマン、音声です。2カメは新スタッフ東君です。

 大分県日田市のスイカ農家がなぜとうほうTV出演か?というと東峰村の皆さんは日田市へ買い物やちょっとした飲み会にはしょっちゅう行きます。その道筋で目にするのが日田スイカのハウスです。そのハウスの中で仕事されている生産者の皆さんが東峰村民のみなさんとお近づきになって少しでも日田スイカを買ってもらおうというわけです。そこで生産者の顔をしっかりと覚えてもらう番組をつくりました。そして昨夜はその試写会、大変喜んでいただいて乾杯!とあいなりました。

 熊本県合志市のあぐっと!村のスイカ農家の皆さんと同じ日田のスイカ農家とのコラボ研修が7月にあるようです。またまた面白いことになりそうです。やはり閃いたら即動くことなんですね。


  番組づくりが地域づくり、とうほうTVとこの住田町「ねんぷにやっぺし」が着々と証明してくれています。お仲間募集で出てきた言葉が「一緒にやっぺし!」でした。気持ちが通じるお仲間が徐々に集まるようなやさしい言葉です。


 最近風を感じます。今までも何度もそんな経験はありますが今までとは全然違う感じです。一気にという感じはありますがまだ一気が集まって大きな風になるちょっと前の起こりのようなものです。わかりますがこれは確実に大きな風になります。半端なことをやってると吹き飛ばされてしまいます。中心は何か?やるべきことは何か?どこへ向かうのか?何を成していくのか?中心とはそういうものを言ってます。一言でいうと未来です。未来創造の風でしょうか・・・?