「軍師官兵衛」で殿のおそばにピタッと寄り添い、黙々と従って次々と成果を上げる栗山善助は濱田岳さんが熱演して大変わたしたちの身近な存在になってきています。そして来月は栗山善助の命日です。その命日に地元住民の皆さんがぜひ善助の、いや濱田岳さんのメッセージをいただきたいとの声があがりました。

 昔とった杵柄、濱田岳さんの心に届けとばかりに東峰テレビから直球を投げ込みました。そして本日、大願成就!!地元住民を代表して杷木町志波の富田さんをお連れしてNHK「軍師官兵衛」のロケの合間のお時間をいただきました。濱田岳さんは栗山善助そのものになりきっておられる印象を持ちました。

 殿の官兵衛様に寄り添い、二十四騎の強者どもをがっしりとリードするもの静かで剛胆な栗山善助の存在がインタビューでくっきりと見えました。これまでずっと応援してくださっているNHK福岡放送局のスタッフのみなさんのお陰で今日はチーフプロデューサーはじめNHKスタッフのみなさんとお会いしましたが「官兵衛で国創り」をよくご存知で、短時間で大変濃い交流の時間がもてました。

 あさって8/3(日)の第31回「官兵衛で国創り」はこのままわたしは東京に残り、杉並にて制作合宿を行い、そこから中継にてお送りします。さらに今夜生まれるビッグニュースも含め、今回も新鮮な情報、話題満載でお送りします。

住民ディレクター発!
「官兵衛で國創り」~NHK大河ドラマ追走番組~

毎週日曜日放送

NHK「軍師官兵衛」放送:午後8時~午後8時45分
とうほうTV「官兵衛で國創り」:午後8時45分~午後9時

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 第28回「軍師官兵衛」で「本能寺の変」を知った官兵衛が秀吉に「ご運が開けたのですぞ」と語り、毛利方の安国寺恵瓊に信長の死を知らせ、「羽柴様が天下に名乗りをあげる好機が訪れたのでございます」と和議を迫ります。

 多くの皆さんがこの恵瓊とのシーンに疑問を投げかけておられるようです。しかし、そうだろうか?!わたしにはとても自然に見えました。恵瓊は官兵衛と最初に会った当初からなかなかの策略家として描かれている。毛利方の外交僧で官兵衛の行く手を度々邪魔する憎き奴!!、しかし官兵衛と交渉を重ねるうちにいつしか秀吉の器を認め、好感さえ持つようになっていった。大河ドラマの複線としては随分前から恵瓊は「信長は許せんが秀吉様には惚れている」はインプットされてきていた。

 しかし恵瓊の立場は毛利方で、秀吉とは敵、毛利方として対信長調略をすすめた。・・が、信長の勢力が巨大になるにつれて毛利方には不安感が漂いはじめる。そして高松城攻めに至る過程でいよいよ軍師としての官兵衛のスケールの大きさも認めざるを得なくなっていった。水攻めという前代未聞の戦術で毛利方の最後の忠臣、清水宗治までも失おうとしている。毛利の実質の精神的支柱小早川隆景も官兵衛を信頼しはじめていた。そこへ日本全土を揺るがすメガトン級の情報「信長の死」を知らせての和議のお誘いである。

 恵瓊にしてはこれに乗じて一気に毛利が京を目指す好機でもある。しかし一方で長期的な展望を考える。ここで足腰が弱った毛利を救い、お家を立て直すには・・・。信長ではなく秀吉をトップにできるなら明智や柴田勝家、家康・・の誰よりも後々、付き合いやすい。俺がぞっこん惚れ込んで来た奴が天下を取るんだ。これこそ最大の好機だ!!・・・、官兵衛はそこまで恵瓊という人間の心を洞察した。

 ずっとそうだった、人からは調略や策略と言われても常に考え抜いて相手方見方側の双方が最も少ない被害で収まるように行動して来た。最後は直球で勝負して来た。それでも相手方に通じない時はやむなく最小限の犠牲で済むように・・、「それが俺という軍師のやり方だ。半兵衛様に身をもって学び取った。」

 時刻を少し遡る。前夜、いち早く信長の死を知らせる密書を手にした官兵衛は栗山善助に命じ、誰も寄り付けず一人自室に籠って必死で考える。絶望的な状況にうめきだすような雄叫びとなった。

 もし、その時、自分が官兵衛なら・・・、愛する光姫、長政、熊之助、忠臣とその家族の顔が次々と浮かんだろう。村重の妻で残忍な殺され方をした「だし」や戦場で殺さざるを得なかった多くの武将や百姓や女子供も映ったのではないか?光秀の天下となればすでに秀吉と共に討たれる側になってしまっている黒田、運命は猛スピードで決まりつつある。光秀は再々自分を家臣にと誘った、しかし、時は既に遅い。勿論、秀吉様を裏切ること等絶対ない。何ができるか??その瞬間に向かうべきことは一点、ただ一点に集中するしかない。この絶望的な状況を打開する今すぐ打つ手は??頭蓋骨がキリキリ音を立てるように痛み、全身が洪水のように汗びっしょりとなるほど全身に集中して考えた。しかし、その姿は誰にも見せない。一人である。

 そして、決断の時、時間はない。秀吉、恵瓊と今、この時に全生命をかけて真心で伝えるべきはこの二人しかない。一世一代の大勝負に出た。「軍師」官兵衛ここに極まれり!!

 昨日ドラマについて書きましたが、まさにドラマは自らが現実のようにそのドラマの中を生きること。虚構であるが故にそこで様々な人生を選べるが、ドラマとしてはやはりひとつの道を選ばざるを得ない。そうすると周囲の者がどう動くか?想像力の世界です。恵瓊とのシーンで「おかしいなあー?」とわたしがおもわなかったのはあの密書を手にしたその時、自分も密書を手にして「今、どうするか?」を生きたからです。「生きよ」のメッセージが「軍師官兵衛」のテーマだと感じ、毎回多くの「死」を前にして生きることを学べる「軍師官兵衛」はわたしには大変おもしろい。「官兵衛で國創り」という追走番組をやり続けられるのもこういう楽しみがあるからだとおもいます。


 「軍師官兵衛」の追走番組「官兵衛で國創り」も次週で29回になります。本編の「軍師官兵衛」は時代考証が甘いとか、3英傑の役者の年齢が違いすぎるとか色々と言われてますが、ドラマは本来フィクションなのでわたしは全然気にしていません。天下のNHKの大河ドラマなら史実に基づいて、と一般的に言われるのはしょうがないとしても、元々ドラマは小説と一緒で現実の出来事に意匠をかぶせてフィクションにし、最も伝えたいことを表現する手法とわたしは認識してます。

 かつて住民制作ドラマを5本作りましたが、わたしの場合は「事実を積み重ねて真実を語っている」とおもわれているドキュメンタリーでは真実は到底描ききれないとあきらめた後に向かったのがドラマでした。そしてむしろ虚構で成立するドラマこそ真実を語るに相応しいと制作をはじめました。

 「軍師官兵衛」はそういう意味で調略とか策略が軍師とおもわれていたかつてのイメージを払拭し、官兵衛の人間性復権ドラマになってると感じます。戦国時代の毎日「死」を意識する時代の人生に「我人に媚びず、富貴を望まず」を言い切った官兵衛の宇宙的スケールをこれまでの読み物や歴史は矮小化してきたと感じます。信長しかり、です。

 地球儀を見ながら「わしの真意をわかるのは秀吉と官兵衛二人」とセリフでは信長に言わせましたが、あれはわたしには「わかるのは官兵衛だけじゃのう」に聞こえました。秀吉は信長の最大の理解者ではありましたが、「信長の存在」がビジョンそのものだったので秀吉自身にはビジョンはなかったと推察しています。中国大返しの秀吉、官兵衛の思慮と行動が自然と語っています。それもその時の事実はわかりませんが後々の秀吉の狂いが生じることは歴史の事実としてあります。一方で官兵衛の辞世の句です。

「おもひおく 言の葉なくて つひにゆく みちはまよわじ なるにまかせて」

 そしていつしか官兵衛が悪者になっていくのです。調略、策略の負のイメージが誇張されます。こういうことも多くの歴史が繰り返しています。栗山大膳の「黒田騒動」しかりです。その父で官兵衛の筆頭家老 栗山善助は濱田岳さんが好演しています。先日福岡市内で善助のご子孫にお会いして善助のDNAを感じました。おおらかで他者を大事にするやさしい方です。

 平成5年にクマソ復権ドラマを創りました。野蛮でまつろわぬ者として大和朝廷に征伐されたと書かれた歴史書を疑った地元住民自身の行動からドラマがはじまりました。今回は追走番組ですが、結果的には官兵衛復権、栗山善助、大膳復権になってる感じです。そういう意味では歴史上の多くの人達の本当の姿を学ぶにはやはり大河ドラマは素晴らしい機会です。自分たちで調べる、描く、放送する、反応を聞く、・・・、これらのプロセスが地域のアイデンティティを再構築する企画力に確実につながっていきます。来年の大河ドラマ「花燃ゆ」は「松蔭の妹」を通して幕末、明治維新の庶民の見直しにつながると期待しています。

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 織田信長が気になっています。6/15(日)の「官兵衛で國創り」は信長の「天下布武」を住民ディレクター視点で独自に解き明かすのですが、結局今回は自分でやることにしました。

 いつもなかなか時間が無いのもあるのですが、今回は「官兵衛で國創り」というタイトルでこのNHK追走番組を仕掛けた本質に迫るものなので自分でやるしかないともいえます。「軍師官兵衛」は秀吉の軍師ですが信長という中心があって秀吉があり、官兵衛があります。天下統一事業という面で見ればの話です。

 信長が突如「天下布武」を宣言し天下統一の大事業の旗印が鮮明になり、官兵衛もその旗印をしっかりと受け止めて「信長しかいない」と確信します。このへんの細かい事情は「軍師官兵衛」では省略されていますが今回は官兵衛にとっても重要なメッセ−ジだった「天下布武」を前回の「二兵衛」と同じくまち創りの視点で解き明かしたいと考えています。

 昨日、福岡市図書館に籠り約20冊の信長本を斜め読みしてきましたが、そのまま書店で信長関連の本を6冊買い込み、昨日今日は信長にどっぷりです。第24回「官兵衛で國創り」は信長の「天下布武」とは?そして、東峰テレビのためにふくおか官兵衛くんの木工品を作ってくださった熊谷さん、高倉さんの二人のじいさまがゲストです。

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@「官兵衛で國創り」生放送は コチラから  Ustream 


 「官兵衛で國創り」の広報チームというのがあって全国組織です。打ち合わせはいつもシンデレラタイムの頃、深夜0時前後からはじまり、あっという間に1、2時間。全員仕事があるので早朝に起き出して日常生活へと動いています。

 さてそのチームで進めているある企画の素材を創っていて面白いことを発見しました。「官兵衛で國創り」はスタートは約8年前!!?、小石原焼の窯元の奥さん梶原成美さんが長男の匠太朗君と小石原の行者杉を散歩する番組を作ってくれたのが始まりでした・・・、と、いうことが整理していてはっきりと見えてきました。

 実は先週出演いただいた黒田武士のモデル、母里太兵衛のご子孫母里市兵衛さんから人の繋がりを展開していたら何とそこに行き着きました。この人脈図は「番組づくりが地域づくり」になることを証明する俯瞰図のような航海図のようなものです。「地域住民」だからこそできる真の地域密着で、地域住民だからこそ伝えられる番組づくりです。

 さらに番組づくりをしているうちに人がこのようにつながり、地域がつながり、豊かな暮らしを創造する礎をクリエィティブしていきます。それが暮らしの情報の受発信で豊かな生活を創造する「住民ディレクター」です。動画を作る技術や、番組づくりのノウハウを身につけるのではなく、真逆です。番組づくりを経験することで人や地域がつながり、地域を演出したり経営する総合的な企画力がついてしまうのです。逆は真ならず。ここがとても大事なので住民ディレクターをお伝えする時はしつこくこだわっています。

 見えない航海図の実線をひいていくのが住民ディレクター活動です。普通には見えないその点線を実線にするには絶え間ない実践が求められます。実践は何もないところからものごとを創り上げる創造的活動です。一般的には起業家精神というほうがわかりやすいかも知れません。


 黒田武士といえば母里太兵衛、「軍師官兵衛」では速水もこみちさんが演じています。その第24代目のご子孫が福岡市内に住まれている母里市兵衛さん。

 6月6日が太兵衛の命日なので「官兵衛で國創り」は急遽本日お話を伺いにいくことにしました。いつものように昨日決定です!!個人的には母里さんとは深いご縁を感じています。母里太兵衛は光姫と同じ兵庫県加古川市の出身です。官兵衛について黒田二十四騎のなかでも最強の黒田八虎の一人です。福島正則から強要された大杯の酒を吞みほし、名槍日本号をとってしまうのですが黒田節になり詩吟では松口月城の名槍日本号になります。

 そしてその松口月城は福岡市早良区で医療の普及に尽くし、詩吟を愛した文化人でした。今回はそこまでいきませんが母里太兵衛からご子孫、ロボスクエアのお仲間達、早良区の月城通りへとつながりは広がって行きます。勿論、すでに放送した太兵衛のお墓がある嘉麻市とのつながりは進行中です。

 さらに加古川出身のわたしとしては同級生にいた母里くんのことが気になっています。広がる深まる「官兵衛で國創り」はいよいよ福岡県内から列島行脚の道となる後半戦に入るべく態勢を整えています。

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 18年前に構想が閃き、テレビ局を退職して始めたことが今の時代にやっと具体的になってきたことをおもえば「地域のプロデュース」という仕事は木を植えて育てるようなものですね。

 テレビや映画のプロデュースではなく地域をプロデュースするということはほとんど目に見えないことの積み重ねです。実際は毎日大きく動いているのですが、花子やアンのように「豊かな想像の世界」が見える人には見え、見えない人には全く見えないのです。だから正しく理解されないことから周囲の誤解が生じる。それが現実です。

 白連をモデルにした蓮子様にはもっと大きな大きな周囲の誤解が相次ぎ、本人にはどうすることもできない飛んでもない状況が重くのしかかっていきます。仲間由紀恵さんの蓮子は素晴らしい好演で、花子も浮き立ちます。最近NHKにばかりチャンネルをとられるのはやはり時間とお金をかけて良いものを作れる環境があるからでしょう。

 まだ書いてませんが「軍師官兵衛」のずっと後の午後11時にあった「トンイ」も素晴らしかったです。実は官兵衛以上に面白く没頭してました。日曜日は毎夜、官兵衛の打ち上げがあったので録画で見てましたが、わたしが録画で毎週見ることになったのは「トンイ」が初めてです。あえてこういう言い方をすればプロデューサー修行の番組でした。王宮殿が舞台で権力の奪い合いではありますが小さな村で起こっている日常と同じです。そこには人間の欲がむき出しで結果的にやさしい人々が傷つけられていきます。追い込まれます。しかし、トンイは不屈の精神と芯からの純粋な気持でその艱難辛苦を超えていきます。地域づくりのプロデューサー修行としては大変興味深くグイグイ引き込まれていました。

 「軍師官兵衛」もまた同じですし、「花子とアン」も。

 黒澤明監督の「七人の侍」を誰も地域おこしの映画とは見ないでしょうが、わたしはまさにあれが原点です。「七人の侍」が今、「軍師官兵衛」「トンイ」「花子とアン」に連綿とつながっていると見えます。今年の夏は「プロデューサー修行合宿」を予定してますが教科書はNHK??になるかもですね。


 九州総合通信局の局長賞をいただいた時に熊本県民テレビ時代からプリズム、最新の(社)八百万人までのお仲間にお祝いをしてもらってからすでに10ヶ月になろうとしています。

 東峰村を中心に福岡県で様々な形で地域活性化のお手伝いをさせていただいてますが、熊本とも繋がる動きを、と久しぶりに会った旧友のみなさんと企画に花が咲いていました。しかし、「官兵衛で國創り」のスタート以来なかなか熊本までは動けない状況です。そこへ九州総合通信局の受賞時に関係があった方々からのお誘いで熊本で住民ディレクター講座を開催させていただき、またそのご縁で来週講演にお邪魔することになりました。

 久しぶりですが講演は一般参加も大丈夫だそうですので主に熊本の皆さんでお時間ある方は来ていただければあのときの企画の話をどんどん詰めていきたいと考えています。NPOくまもと未来からも参加してもらいますので熊本で地域活性化に取り組まれている皆さん、よろしかったらのぞいてみてください。この日は深夜まで熊本市内で主催者の皆さん、またお仲間と語り合う予定です。