経済成長の鍵は企業の投資活性化 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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わが国はICT分野で米国や中国に遅れを取っている。
消費増税対策のキャッシュレス還元を機会に私のようなジジイでも電子マネーを使うようになったが、中国ではとっくの昔に乞食でもキャッシュレス決済を導入している。

中国でキャッシュレス化がこれほど早く進んだのには、偽札が多く現金が信用されていないという社会背景がある。また、彼らが技術的に他国にあっという間に追いついけたのは、様々な方法で日本を含む他国企業の技術を盗んできたからだ。

しかし、それだけでは他国に追いつくことは出来てもアメリカを脅かすほどにはなれない。
世界のデジタル覇権を目指す習近平政権と結びついたファーウェイなどIT企業が人材、研究開発、設備などに巨額の投資をし続けてきた結果でもある。

一方、長いデフレ時代を経験してきたわが国の企業はこれらの投資に積極的になれなかった。
利益が出ても借金返済や株の持ち合いなど財務体質の改善や経営の安定に回し、将来を睨んだリスクのある投資に回す経営者が少なくなってしまったのである。

ここで、わが国のICT分野への投資額がどのように推移してきたのか、また他国と比べてどうなのかを総務省の情報白書のデータで確認してみよう。
中国の数字を知りたいところだが、信用できるデータがないからか米国と比較している。



(総務省 情報通信白書 令和元年版)より
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd112210.html


(同上 平成30年版)より 
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd113120.html

米国が右肩上がりに増えているのに対し、わが国はずっと横ばいのままだ。
様々な経済指標が改善している第二次安倍政権になってわずかに上昇しているが、右肩上がりに増えている米国とは比較にならない

こうした現状に対し、甘利明税制調査会長は経済再生担当大臣当時から危機感を持ち、企業に投資を促してきた。
4年前の自身の国会レポートにも次のように記している。

問題は、相変わらず投資が伸びていないということです。企業の内部留保は史上最高を更新し続け、ついには350兆円に達しました。経営側からはこの中には設備に変わったものや、海外企業を傘下に入れた買収株式も含まれていますから、と説明がありますが、それを引いた現預金等でも、史上最高の210兆円に積みあがっています。「人口減少の日本市場で、増産のための設備投資をする意味はない。」という声も聞こえますが、要請しているのは増産投資ではなく、生産性を上げ高付加価値化するための投資です。20年前と現在を比べれば、日本の製造業やサービス業の設備のビンテージは5,6年古くなっています。つまり、海外のライバル企業とは中古の機器で戦っているという現状なのです。併せて2点で投資を考えるべきです。

一つは、IOT、ビッグデータ、AIという、いわゆる第4次産業革命への対処です。世界のライバル企業は借金しても投資を行います。有り余る資金を抱えて投資に踏み切れなければ、後々経営判断を問われることになりかねません。

(以下略)
続きはこちら(衆議院議員 甘利明 公式サイト 国会レポート第322号2015年11月17日)


甘利さんは「内部留保」という言葉を使っているが、実際には企業が必要以上に保有している現預金のことを言っている。要は、世界のライバルに勝つための投資なら、お金があってもなくても、リスクをとってでも積極的にやるべきと言いたいのだ。

いまだにデフレマインドが抜けない日本の経営者たちは、お金がないからではなく成功するかどうかわからない研究開発に投資して失敗するリスクを恐れているのである。
そこで、甘利さんが会長を務める自民党税制調査会は次のような案を検討している。

企業の投資活性化へ税制優遇 20年度、与党税調始動
11/21 18:11(共同通信)

 自民、公明両党は21日、税制調査会の総会を開き、2020年度税制改正作業を始めた。企業の投資を活性化させ日本経済の成長を支えるため、競争力向上につながる合併・買収(M&A)や、第5世代(5G)移動通信システムの整備を促す税制上の優遇策を議論する。個人向けでは私的年金の加入期間延長や、未婚のひとり親への支援拡充を認めるかどうかが焦点だ。

 両党は12月12日にも与党税制改正大綱を策定する。自民党の甘利明税制調査会長は総会の冒頭で「未来を先取りして公正で公平な税制を築く」と述べた。

https://www.saga-s.co.jp/articles/-/456640

経済政策の司令塔として企業に積極的な投資を呼び掛けてきた甘利さんが、今度は税制面で具体的な政策を打ち出そうとしているのである。
そして、具体策の第一弾として、こんな案が出てきた。

大企業に投資促す方策 政府・与党 調整急ぐ
NHK 2019年11月30日

来年度の税制改正で、政府・与党は大企業が利益をため込まず、投資に回すよう促すためベンチャー企業に出資した金額をあらかじめ損金に算入することを認める案など税の負担を軽減する方策について調整を急いでいます。

企業が配当などに回さずに蓄えとして内部に残している利益剰余金、いわゆる内部留保が膨らんでいることから、来年度の税制改正では、大企業が内部留保を投資に振り向けやすくする方策が焦点の1つになっています。

経済産業省は、大企業がベンチャー企業に一定額以上の出資を行った場合、税額を控除する制度の創設を求めていますが、投資で利益を上げた場合も優遇が受けられるため、国民の理解が得られないという指摘があります。

このため政府・与党は、ベンチャー企業への投資をめぐり一定の条件を満たした場合、出資した金額を株価の低下に備えた「準備金」としてあらかじめ損金に算入することを認める案や、将来、ベンチャー企業の株式を売却する際に、損失が生じた場合に限って、損失の一部を税額から控除する案を軸に検討しています。

(以下略)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191130/k10012196871000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_020

以前の私なら、こんなチマチマしたことをしなくても、政府が国債を発行してドンと投資したらいいのにと考えただろう。
しかし、これはお金を出しさえすれば解決する問題ではない。

政府は重点分野を設定して規制緩和や減税、補助金などで支援することはできるが、具体的なテーマを見つけて研究開発を進めるのは民間なのである。企業が借金してでも、失敗するかもしれないけど投資しようと思えるネタを見出すことが大切なのだ。

実際に事業をしている企業が主体的に研究開発を進め設備投資をしていかなければ経済の活力は生まれない。そのための費用が本当に必要ならリニア新幹線のように財政投融資を活用する手もあるし、現在の経済環境ならそこまでしなくても企業はお金は調達できる。

つまり、企業の投資が進まない原因はお金ではないのである。

とはいえ、企業の投資を活発にするために政府ができることはある。

消費増税対策として実施しているキャッシュレス還元は遅れていたキャッシュレス化を大いに進めているし、来年9月から実施予定のマイナンバーカード還元はさらなるICT化進展に貢献するだろう。また、上記のような税制上の優遇策は企業の投資や技術開発の意欲を刺激する

現在政府が検討中の10兆円を超える経済対策では、災害からの復旧・国土強靭化などと共に、次世代通信規格「5G」の次をにらんだ技術開発、マイナンバーカード保有者への商品購入時のポイント付与、小中学校でパソコンの1人1台配備なども含まれている。

米中に対する遅れを一気に取り戻すのは難しいがこのような施策により経済に刺激を与え、経営者のデフレマインドを払拭することが重要なのである。

(以上)
 

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