消費増税を乗りこえる | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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今回も延期、あるいは全品目軽減税率を適用するかもとの期待もむなしく、消費税は予定通り引き上げられた。

様々な選択肢の中で、安倍総理はこの厄介な課題を任期中に乗り越える道を選んだのである。

安倍総理は本来は消費増税に反対の立場だったが、ある頃からは「消費税10%まではやむを得ない」と言うようになっていた。
谷垣総裁時代に決まった三党合意を後継総裁として継承することにしたのだ。

ただ、2014年の増税のダメージが予想以上だったこともあり、その後は「増税により経済が失速するようなことがあっては元も子もない」と繰り返し述べている。
だから、その後、解散など大きな政治的なエネルギーを費やして2度も延期したのである。

しかし、今回は延期せずに自分の任期中に実施する道を選んだ。もちろん、その背景には様々な対策を実施すれば影響を最小限に抑えられるとの判断がある。前回の増税がなぜ想定以上のダメージがあったのかを分析し、その対処策を用意したから踏み切ったのだ。

実は、以前のエントリで何度か増税のダメージが想定以上だった理由を分析したことがある。
それらをまとめると、次のような要因が挙げられる。


① 3%の税率アップは大きすぎた(1997年は2%アップ)

② 民主党政権時に決まった社会保険料の増加が国民の可処分所得を減らした

③ 物価が上昇気味だったところに消費増税と便乗値上げのトリプルパンチ

④ 駆け込み需要とその反動が大きかった

⑤ 団塊世代が高齢者の仲間入りして収入も消費も減り、全体の消費額を押し下げた


まず、について。

あの日本経済が奈落の底に落ちるきっかけとなった1997年の増税でも3%から5%だから、3%のアップはきつかった。それに対し、今回は標準税率は2%上がるが、軽減税率により実質の上げ幅はさらに抑えられる

は案外見過ごされているが、増税後の消費回復が予想以上に遅れた大きな要因だろう。
1997年の増税時にも所得税減税の打ち切りが重なったことがあの悲惨な結果につながった。これが十分配慮されなかったことは反省点だ。

それに比べて今回は、可処分所得を減らしていた社会保険料率の上昇も厚生年金が2017年以降は18.3%に固定されるなど、一時に比べ落ち着いている。
その結果、家計部門の可処分所得は順調に増えているのである。


出典:社会保障分野における安倍政権下での主な成果(経済財政諮問会議 内閣府資料)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/0930/shiryo_02.pdf


だから、①と②の要因については前回より影響はかなり軽減されている
さらに、今回は増税分の半分を教育・子育てに回すことにした。日本経済を支える現役世代に回すことで、景気への影響をさらに軽減しようとしているのである。

は少し説明が必要だ。

初めて消費税が導入された1989年当時の物価は高度経済成長期ほどではないが、2~3%程度のインフレ率が続いていた。多くの国民は、まだまだ物価は上がるのが当たり前だと思っていたのだ。だから、物品税を廃止したうえでの3%のインパクトはあまり感じなかった

しかし、その後、価格競争に明け暮れた長いデフレ期を経験してそんな感覚は消えていた
そして、景気回復に伴う緩やかな物価上昇が続いている時に消費税が3%も上がり、価格競争で疲弊していた企業はこの機会に価格の適正化を図ろうとした。

そのトリプルパンチが、まだデフレマインドがまったく抜けていない国民の消費心理を直撃したのである。
④はその心理が行動に影響を与えた結果でもある。

そして、この心理に効果がありそうななのが、キャッシュレス決済ポイント還元の導入だ。
さらに、低所得者向けにプレミアム商品券の中でも特に収入の少ない人向けの対策として年金生活者支援給付金や介護保険料の軽減が用意された。

全体として目立つのは子育て世代と低所得者への配慮と、所得が減ったとはいえ一定の収入を得ている高齢者は対象外となっていることだ。金融資産をたっぷり持っている高齢者には、もっと預金を取り崩して消費増加に貢献してもらえばいいのである。

これらの対策で増税による家計への負担がどのくらい軽減されるかだが、ブログ友のべてらんずさんは次のように説明している。

べてらんず@kmasahiroYHK
上がると思わなかったので、全く調べててなかったけど、政府試算では

前回の増税時、(民主党政権が決めた)社会保障関連の負担増も重なったため、家計部門のネット負担増は 7.9 兆円

今回はネット 1.4 兆円の負担増加にとどまる見込み

昨今、年5兆円ほど雇用者報酬総額増えてるから、カバーは可能

https://twitter.com/kmasahiroYHK/status/1178971083988336641

関連レポート→『消費増税、世帯タイプ別の影響』日本総研 緒方尚子
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/other/pdf/11297.pdf


べてらんずさんはマクロ的な影響は軽微で大半の低所得家庭はさらに軽微で、一部は還元効果のほうが大きいと指摘している。
ただし、軽減税率は混乱と事務的ロスコストが膨大な失政だとも指摘している。

この混乱に拍車をかける懸念もあるキャッシュレス決済ポイント還元だが、一方では、直接数字に表れない効果が期待できる

昨日さっそくこの制度を導入している地元のスーパーに行ったら、キャッシュレス決済のお客ばかり目立ち、現金専用レジには誰も並んでいなかった。
しかも、その中でも高齢者が案外目立ったのである。

ポイントは我々の世代にとってはむしろストレスだ。

あっちこっちにポイントがあって何がどうなっているのかややこしいし、ぼんやりしていると失効してしまう。しかも、支払い時には現金と一緒にポイントカードも出さなければならない。

しかし、キャッシュレスにすると、それだけで支払いとポイントの処理が終わってしまう。
今日も何か所かで使ったが、一度使い始めるとこちらの方が便利でやめられなくなりそうだ。

わが国はデータ覇権競争で後れをとっており、政府はその対策の一環としてキャッシュレス化を急いでいる。今回のポイント還元は、それを一気に加速する意図もあったはずで、その狙いは当たるかもしれない。

とはいえ、世界経済の不透明感が広がる中での増税にはリスクがある
だから、安倍総理は繰り返し、消費増税の影響を注視して問題があれば追加の経済対策を打つと明言している。

実際には具体策を用意していて、実施のタイミングを計っているのだと思う。
6カ月限定のキャッシュレスポイント還元を延長するとか、所得税減税も考えられるし、状況によっては全品目に軽減税率を適用する可能性もまだ残っている。

とにもかくにも消費増税は予定通り実施された。
あとは、安倍政権がここをなんとかうまく乗り切り、さらなる成長路線につなげることを期待したい。

以上
 

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