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れいわ新撰組から当選した二人の議員のための国会のバリアフリー化が始まった。
1977年に初当選した八代英太が車いすだったことをきっかけにかなりバリアフリー化が進んでいたらしく、思っていたほどは工事の期間も費用もかからないようだ。
参院本会議場 バリアフリー化へ改修作業始まる
NHK 2019年7月28日 12時05分
(前略)
参議院では、来月1日に召集される臨時国会に向けて、2人が議員活動をしやすいようバリアフリー化を進めるため、28日午前から本会議場の改修作業が始まりました。
本会議場では、2人が大型の車いすで出席できるスペースを設けるため、出入り口近くの席を改修して、いすを取り外したり、足元にある15センチほどの段差をなくしたりする作業が行われています。
参議院の事務局によりますと、この改修にかかる費用はおよそ70万円で、作業は29日までに終わる予定だということです。
参議院では来月1日の初登院に向けて、国会議事堂の中央玄関にスロープを用意するなど対応を急ぐことにしています。
参院 管理部「十分活動できるようサポート」
参議院の管理部の笠間桂次営繕課長は、NHKの取材に対し「2人は、長めのストレッチャー付きの車いすを使用しているので、今回、その対応を新たに考えなければいけない。議員は、国民の代表であり、国会で十分活動できるようサポートしていく。臨時国会が来月1日に迫っているが、できるかぎりの対応をしたい」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190728/k10012011601000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_001
医療機器のための電源の設置もされたし、制度上も、介助者が一緒に本会議場に入ることや押しボタン採決での代理投票を認めることに決まったようだ。
とりあえずは8月1日の初登院の準備は整ったのである。
ただし、舩後氏が求めるロボットによる投票(具体的イメージが湧かない)など結論が出ていないなど課題は残っている。
また、実際に活動をはじめたら、制度の壁や物理的な壁も立ちはだかりそうだ。
とはいえ、”車いすの大臣”八代英太の登場により、国会だけではなく全国のバリアフリー化が進んだように、さらに重度の障害を持つ議員の登場が、同じような重い障害を持つ人がこれまでより積極的に活動できる環境づくりにつながることが期待される。
実際、お二人は当選後に次のように抱負を語っている。
(舩後さんは歯でセンサーを噛む方式で文字盤に表示し、介助者が読み上げ)←詳細はこちら
舩後靖彦氏
「僕という人間を皆さんの目で見て、必要な支援とは何か、いま一度考え直して頂ける制度を作っていきたいと思います」
「人間の価値を生産性ではからない教育を導入したい」
木村英子氏
「国会に重度の障害者を入れてくれるかというところから始まるので、乗り越えなくてはいけない壁があると思っている。そこを乗り越えたら、地域で当たり前に健常者と同じように生活したいと望む障害者が安心して生きられるような介護の保障やバリアフリーなどを整えていきたい」
木村氏の言う「最初の壁」は乗り越えられそうだが、舩後氏の言うように制度を作り教育を変えてゆくことは容易ではない。いや、極めて難しいというべきだろう。
とはいえ、いまの医療では進行を止められない難病を抱えながらも常に前向きに挑戦してきた舩後氏と、長く障害者の自立に力を尽くしてきた木村氏ならではの具体的な提案があると思いたい。
ただ、木村氏の次の発言には違和感がある。
(議員になった後は、今までのような公費負担が適用されなくなると説明したうえで)「介護者がいなくては生きていけない。安心して働けるように、現在受けているサービスをそのまま利用できるようにしてほしい」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201907/CK2019072702000141.html
別の報道によると「このままでは8月1日に登院できない」とも述べているので、一瞬、議員になったらまったくサービスを受けられなくなるのかと思った。
しかし、これは公費負担が自己負担に変わるだけ、つまりお金の問題なのだ。
これは、舩後氏が議場の改修などを相談するため面会した参議院事務局員に「多くの税金を使っての大規模改修は望んでいない」と語ったのとはずいぶん違う。
議員には歳費以外にその活動を支えるための政務活動費や公設秘書の給与も支払われる。
それに、政党要件を満たしたれいわ新撰組には年間6700万円程度の政党助成金も出る。
法令上の判断はもちろん、常識的に考えてもこれまで受けていた公費負担をこちらの公費に切り替えるのは当然ではないか。
国会だけではなく全国のバリアフリー化促進に大きく貢献した八代英太氏は、この件について次のように述べている。
「山本太郎君に言いたいのは、彼(舩後氏)が国会活動で支障をきたさないように、万全を期してスタッフを用意しろと。これは国がやることじゃない。人間のサポートほど強いものはないから。発言のやり方や議事録などそういうようなことも含めて、それはスタッフの仕事ですよ。万全を期して彼専従のスタッフを育ててればいい。政党の責任としてね」
(元祖車いす議員・八代英太氏が語る、重度障害者が国会に行く「意義」)から
J-CASTニュース 2019/7/26 20:46
https://www.j-cast.com/2019/07/26363679.html?p=3
この通りだと思う。
国会議員は国民の負託を受けた特別職であり、これまでの彼らとは立場がまったく逆だ。
制度的にこれまでと同じように公費負担できないのは当然だろう。
ただ、私は国民の代表である国会議員にお金の心配をさせるべきでないと考えている。
維新の会の「身を切る改革」に大反対なのだ。むしろ、もっと増やして将来の政治家を目指す若者を書生として雇えたり政治塾を開設したりできるようにするべきだと思っている。
その観点から、障害を持つ議員に障害の程度に応じて公費から負担してもいいと思うが、それは国会での論戦を経て決めるべきものだろう。
野党議員の多くがすっかり忘れているようだが、国会は言論の府なのである。
昨日も引用したが、安倍総理は「みんなが活躍できる社会を創るために、それを阻むあらゆる制約を取り除いていく」と述べている。もしかしたら、この新人議員たちがそのための前向きな提案を出してくれることを期待しているかもしれない。
とにもかくにも、国会は彼らをとりあえず受け入れる準備を整えることが出来た。
この異色の新人議員たちが安倍政権の掲げる「一億総活躍社会」の実現に寄与してくれることを期待して静かに見守りたいと思う。
(以上)
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