金正恩が生き残る道 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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今朝(10日)の産経新聞(大阪版)のトップ記事は『北、3米国人を解放』だ。
スパイ容疑で拘束されていた米国籍の男性3人がポンペイオ国務長官と共に出国したことで『米朝会談実現へ前進』と報じている。

たしかに、この出来事により拉致被害者の解放につながるとの期待も高まるが、逆に、トランプ大統領がこの成果に満足して拉致問題を後回しにするのではないかとの不安もよぎる。

しかし、ここは「シンゾーの情熱が乗り移った」と述べるなど、安倍総理の極めて強い決意を肌で感じ取っているトランプ氏を信じたい。この問題をないがしろにすれば、最大の後ろ盾を失い、世界の首脳からも信用されなくなることは十分理解しているはずだ。

安倍総理は被害者家族との面談などあらゆる手段でトランプ氏に働きかけてきた。先日の訪米時に「この問題が解決しないと政治生命終えられぬ」とまで述べたのは、拉致問題をないがしろにすることは決して許さないという意味であり、トランプ氏もそれに応えたのだ。

とはいえ、制裁解除に関して、これまで世界は北朝鮮に何度も騙され続けてきた。
IAEAによる核査察も6か国協議も北の時間稼ぎに過ぎず、結果的に核とICBMがほぼ完成というところまで来てしまったのである。

だからこそ、トランプ氏は「北朝鮮の核ミサイル開発はリビア方式で完全に廃棄させる」が持論のボルトン氏を外交補佐官とし、CIAの長官だったポンペイオ氏を国務長官に据えた。リビア方式を成功に導いた最大の理由はCIAなど米英の情報機関による徹底した査察だった。

もちろん、金正恩はリビアの独裁者カダフィの末路をよく知っているだろう。
米朝首脳会談の日程や場所などは数日中に発表されるが、それが実現するかどうかは金正恩がこの「リビア方式」を受け入れるかどうかにかかっているのである。

今朝の産経抄では、その「リビア方式」を取り上げている。



【産経抄】5月10日
 北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐり、「リビア方式」がキーワードとなっている。「アラブの狂犬」と恐れられたリビアの最高指導者、カダフィ大佐は2003年、核兵器開発含め大量破壊兵器の放棄を表明した。

 ▼米国が放棄を確認してから、制裁解除などリビアに見返りを与えた成功例である。大佐が、無残な最期を遂げたのは、8年後だった。排水管に逃げ込んだところを反体制派の民兵に引きずり出され射殺された。

 ▼北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長のショックはさぞ大きかっただろう。2カ月後に父、金正日総書記が独裁者のまま迎えた死との、なんという違いか。体制維持のためには、大佐の轍(てつ)を踏まず、何が何でも核兵器開発を進める。そう誓ったとされる。

 ▼もっとも、大佐が核兵器開発放棄を拒否すれば、米英両国による武力攻撃は避けられなかった。米朝首脳会談を前にして、リビア方式による北朝鮮の非核化を主張したのは、強硬派として知られるボルトン米大統領補佐官である。正恩氏もトランプ米大統領の本気度に気づき始めたようだ。

 ▼正恩氏は早速、中国・大連市を訪れて、習近平国家主席と会談した。「窮鳥懐(きゅうちょうふところ)に入(い)る」のことわざ通り、「後ろ盾」の懐に飛び込んだ。トランプ氏は、3年前にイランと結んだ核合意に欠陥があるとして、離脱を表明した。ポンペオ国務長官が訪問中の北朝鮮に対して、一切の妥協はしないとのメッセージにもなっている。

 ▼福井県立大学の島田洋一教授によれば、リビア方式ではパンナム機爆破事件などテロの清算も同時に行われた。北朝鮮にとって、拉致事件がそれに当たる。いよいよ日本にとって被害者奪回の正念場である。国会審議を18連休した野党議員も本気で取り組んでほしい。

http://www.sankei.com/column/news/180510/clm1805100003-n1.html


リビア方式はうまくいき、大量破壊兵器の放棄表明からわずか3カ月で査察は完了し、3年後にはリビアとアメリカの国交正常化が発表された。その後、補償問題などもすべて解決し2009年にはオバマ大統領とカダフィが夕食会で握手を交わすまでになっていたのである。

しかし、カダフィー政権は外国の軍事介入や反政府勢力の蜂起により崩壊し、カダフィ自身は民兵に殺される結果となった。つまり、金正恩がリビア方式を受け入れるには、査察後の国内の混乱をどう防ぐか、自身の安全をどう確保するかなどの道筋が見えることが必要なのだ。

日米中韓の首脳が電話会談も含めて頻繁に話し合っているのも、そうしたことのすり合わせや駆け引きがあるからだろう。どんな内容かは想像するしかないが、安倍総理がたびたび語る「北朝鮮の明るい未来」にそのヒントがあると思う。

例えば、昨日の李克強首相との共同記者会見の場では次のように語っている。


 「今週、北朝鮮の金正恩(朝鮮労働党)委員長が再び訪中するなど北朝鮮情勢が大きく動く中、北朝鮮問題について時間をかけて話し合いました。北朝鮮には豊富な資源があり、勤勉な労働力があります。北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、経済発展をすることもできる。そのために累次の国連安全保障理事会決議をしっかりと履行し、日中が協調して行動していくことで李首相と一致しました」
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0509/san_180509_6803605654.html


また、先日の日米首脳会談の会見の場でも同じようなことを述べている。


 北朝鮮には勤勉な労働力があり、資源も豊富です。北朝鮮が正しい道を歩めば、国民を豊かにすることができる。北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、日朝平壌(ピョンヤン)宣言に基づいて不幸な過去を清算し、国交正常化への道も開けてくる。そのためには、拉致、核、ミサイルの諸懸案を包括的に解決することが大前提であります。今回の歴史的な米朝首脳会談を通じて事態が打開されることを、我が国も強く期待しています。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2018/0418usa.html


安倍総理が上記の主旨の演説をしたのは昨年10月の国連演説が最初だが、それを米国首脳と中国首脳の前で改めて繰り返したのである。これは、リビア方式以外に選択肢はないことを両国とも確認し合ったことの表れではないか。

とはいえ、安倍総理の言う北朝鮮の明るい未来と現状とのギャップはあまりにも大きい

拉致、核・ミサイル問題がクリアできたとしても、その後の手法や手順を少し間違えただけでアメリカとの完全な国交回復を果たしても混乱が続いたリビアの二の舞になりかねない
金正恩もカダフィーの末路を辿ることになるかもしれないのである。

日米中韓の首脳がそのあたりの対応策をどの程度すり合わせているか知る由もないが、大連で習近平と会談した金正恩の表情には意外なほどの落ち着きが見られた。習近平の前で多少緊張しているようにも見えるが、死の恐怖におびえている様子は全く感じられないのである。

 



これを、金正恩が腹を固めたからと受け取るのは楽観的過ぎるだろうか。

(以上)
 

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