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ツイッターで宇佐美典也さんの次のようなつぶやきが目に留まった。
資産の世代間格差が激しすぎるという意味らしい。
若い世代は貯蓄が少なく借金が多いのに対し、世帯主の年齢が60歳以上になると圧倒的に貯蓄の方が多い。「悲しくなるほどの世代差」は、高度経済成長期に育ち、バブルを体験している高齢者世代とそうでない現役世代の格差を嘆く響きがある。
実際、高度経済成長を前提とした年金システムが成り立たなくなたことや長く続いたデフレが様々な世代間格差を生んでいることは間違いない。ただ、上記のグラフがその証拠かといえば、ちょっと違うと思うのだ。
妻にこのグラフを見せたら「そんなん当たり前やん」との答えが返ってきたが私も同感だ。
私たちも若いときは借金のほうが圧倒的に多かったし、その借金が消えたのは定年になってからであり、このグラフは自分たちのこれまでを見ているようなのだ。
私事になるが、少し我が家の借金と貯蓄の歴史を振り返ってみたい。
30代に初めてマンションを購入した時は、僅かばかりの貯蓄をはたきローンを組んだから借金のほうが圧倒的に多かった。ところが、新居に移ってそれほどしないうちに中古車を新車に乗り換えた。もちろんローンである。
当初は不安があったが、すぐに毎月のローンを払ってもなんとか生活できそうだと分かったからだ。このあたりの感覚が物価も給料も毎年上がるのが当たり前だった当時と、デフレではないもののインフレとも言えない今との大きな違いだろう。
当時は高度経済成長期は過ぎかけていたし景気の波も大きかった。狂乱物価が起きるなど物価上昇は今から想像できないほど庶民の悩みの種になっていた。しかし、物価も上がるが給料もそれなりに上がると思えるから借金することの不安はなかった。
そういう意味では私たちの世代は恵まれていたのだろう。
そして40代半ば、バブルが弾けて少し落ち着いたと思えたころに現在の家を買った。15年ほど暮らしたマンションを売り、残りは少しばかりの貯金とローンでまかなった。マンションは買った時の倍以上の値段で売れたから、バブルの恩恵と言えるかもしれない。
ただ、これが最後の大きな買い物とかなり頑張って買った我が家は、その後どんどん値下がりする一方となり、いまや買った時の1/4から1/5の値段でしか売れそうもない。
バブルの恩恵どころか結果的には銀行に奉仕しただけだった。
この間、ローンを払いながら僅かづつ貯蓄もしたが、夫婦が本気で節約や貯蓄を意識しだしたのは定年間際になってからだ。そして、ローンを前倒しで払い終わり退職金を手にした。
上のグラフを見ると、そんな自分たちの歴史が想い出されるのである。
そこで、自分たちの若かったころと現在の貯蓄と負債額の比較をしてみようと思い立ったが、昔のデータが見当たらない。とりあえずそちらはあきらめて、安倍政権に変わってぞのあたりがどう変わったを調べてみた。
下記のグラフは民主党政権最後の2012年と最新の2016年の比較である。
もっとも目に付くのは現役世代の負債が増えていることで、特に世帯主の年齢が20代、30代の世帯では大きく増えていることだ。
民主党政権時代より景気は回復しているのに借金は増えているのである。
これを見てアンチ安倍は「借金が増えた―」と騒ぐかもしれないが、住宅購入などを目的に借金をする人が増えてきたと考えるのが自然だろう。各世代とも貯蓄も増えており、生活が苦しくなったから借金が増加したわけではないことが分かる。
現在は賃金の上昇も物価の上昇もまだインフレと言えるレベルではないが、インフレだったころの感じが少し戻ってきていると見るべきなのだ。
尚、高齢者の貯蓄額が特に増えているのは株など金融資産の評価が上がったことが最大の要因だろう。別に高齢者が急に節約して貯蓄に励みだしたわけではなさそうだ。
つまり、アベノミクスがデフレではない状況を作り出したことにより、借金をして住宅など大きな買い物をする動きが若い世代、現役世代に強まってきているのである。
今後景気回復が進み、賃金と物価がさらに上がることで好循環となっていくのだ。
ただ、GDPは民間住宅投資に比べ家計消費の伸びはにぶい。要因は様々だが「世代」という観点では高齢者世帯の増加は無視できないだろう。特に無職の高齢者世帯は現役世代よりかなり消費が少ないから全体の消費の足を引っ張ることになる。
またまた私事で恐縮だが、娘夫婦がマンションを買うと言い出した。
アベノミクスのおかげかどうかは聞いていないが、そろそろ借金をしてでも自分たちの住まいを手に入れたいと思うようになったのだろう。
そして、私たちが最初にマンションを買ったときにそうしてもらったように、親としてできるだけ援助したいと思っている。アベノミクスのおかげで民主党政権時代に大きく落ち込んだ資産価値が戻っているのがありがたい。
我が家も含む無職高齢者世帯の多くは貯蓄を切り崩して生活しているが、経済成長の観点からいえばこの切り崩しをもっと増やす必要がある。現役世代が借金をして住宅投資や消費に回し、一方の高齢者世帯は貯蓄をもっと積極的に使うことが求められる。
貯蓄と負債の世代間格差は経済成長の力になりうるのである。
(以上)
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