猫の遠ぼえのインフレ体験 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじです。

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先日のエントリにコメントをくださったbygoblinさんから、次のような問いかけをいただいた。

『デフレだと価格より賃金が大きく下落し、反対にインフレだと価格より賃金の上昇率の方が高いと言うデータがあります。ここからインフレの方が良いと言う議論があるんですが、実際のところ因果は何なんでしょうね? 自分は単純に先を見越して労使交渉しているだけのような気がするんですが。』


なぜそうなるのかと聞かれているのだが、「一般的にインフレの時期のほうが景気がいいから賃金も上がる」ぐらいしか思いつかない。実際、インフレ期とデフレ期では物価と賃金の関係は明らかに違う。


人口構成も産業構造もかなり違う高度経済成長期と現在を単純に比べるわけにはいかないが、インフレとデフレでは私たち国民の消費者としての意識が大きく違うはずだ。そういうことは高度経済成長期を体験していない世代には分かりにくいと考え、次のように返事をさせていただいた。


>goblinさん
これはデータではなく、インフレ時代を長く経験した経験則ですが。
物価上昇が激しいので、名目賃金が先行して上がっている感じはありませんでした。春闘では物価が上がった以上に賃金を上げてほしいから頑張りました(笑)
しかし、後から考えるとそれが消費行動を促進していましたね。会社の売店で高いものを買うと無利子で分割払い(給料引き)にしてくれるので結構高いものも買っていました。
家をローンで買って、最初は月々の支払いがしんどくてもすぐに楽になりました。物価が上がり、給料が上がるとそういう感じになるのだと思います。アベノミクスが目指しているのはもっとマイルドなものですが。


この時代、物価がどんどん上がったが、毎年春になると給料もどんどん上がった。それでも、物価上昇に給料が追い付いていないような漠然とした思いはあった。実際にはグラフに示したように賃金上昇のほうがかなり上回っていたのだが、それでも物価上昇に追われているような気分だったのである。

この様な話を妻としていて頭に浮かんだのが消費増税に伴う「駆け込み需要だ。
このころは、それに似た心理がずっと続いていたように思うし、インフレ期からデフレ期になってからも「物価は上がり続けるもの」というイメージはなかなか消えなかった

会社の売店の話は一般には分かりにくい例えだったが、ポイントは値引きの代わりに代金を分割払いにしても金利がかからないことだった。しかも、会社の給料引きだから面倒な手続きがなかったから、家電製品や旅行鞄などいろんなものを買った。

来年には賃金が上がることを確信できればローンも組みやすいし、事実、賃金は上がるから負担感は軽減される。また、住宅も価格はどんどん上がるから、ヤドカリのように家を変わるたびに大きい家に住み変える上司を見て、自分も多少無理をしてもマイホームを手に入れようと考えた。

この時も最初はローンを負担に感じても翌年には楽になり、今度は車を中古から新車に買い替えた。もっとも、その家を売って現在の住まいに変わったのはバブル以降だったから、現在は購入価格の三分の一くらいの評価になってしまった。インフレとデフレで購買意欲に差がでるのはそういうことなのだろう。

今回の選挙で民主党などが盛んに「実質賃金がー」とやったので、『実質賃金』という言葉も多少は世間に知られるようになったかもしれない。しかし、自分の給料を実質賃金に置き直して「上がった、下がった」などと考える人はあまりいないだろう。

現状は消費増税の影響が大きく、多少賃金が上がってもそれほど実感はないだろう。しかし、物価も賃金も上がってゆく状況を作りだすことは必ず消費や住宅投資の意欲を高める。だから、過渡期といえる現状を乗り越えてデフレから早く脱却することが持続的な経済成長には必須である。

今年4月の消費増税とアベノミクスによる物価上昇を意図的に混同し、金融政策をやめろというのはデフレに戻れということだ。しかし、それでは私たち国民の消費意欲はわかず、あの民主党政権時代の閉塞感漂う時代に逆戻りすることになってしまう。

デフレから脱却するということはマイルドなインフレにするということであり、それ以外に日本を成長軌道に戻す道はない。
やはり、「景気回復、この道しかない」のである。

(以上)
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