「マニフェストからMANIFESTO」になっても結局「サギフェスト」!? | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

安倍晋三応援ブログです。
やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじです。

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

昨日のエントリに、ビジネスクールで学ぶ目的を聞かれて抽象的な答えをし、さらに具体的な内容を問われて答えに窮する営業マン君が登場した。しかし、この営業マン君も、現実の仕事では、毎月の売り上げや新規顧客の獲得などの数値目標や具体的な達成目標を持っているはずだ。

商品開発なら商品化スケジュールやコストなど様々な達成目標があるし、製造現場では生産性や品質、あるいは提案件数などの目標値が設定されたりする。自営業なども含め、どんな職種でも同様で、多くの場合、仕事には数字や達成するべき課題などの具体的な目標というものがある。

これは世間では当たり前のことだが、そういう目で選挙公約を見るとずいぶん大雑把だ。もっとも、政治や行政というものは企業に比べると数値などの具体的な目標に落とすことは難しい。政策が浸透し成果として表れるには時間がかかるし、なにより具体的に活動するのは民間なのだ。

しかし、だからといって、例えば物価目標を具体的に決めていなければ金融政策をいつまでやるのか、どこまでやるのかが判断できないだろう。民主党のように「行き過ぎた円安に対策を打ちます。」だけでは漠然としすぎていて、結果の良し悪しを判断する基準が不明だ。

行き過ぎていない円安」とは一体どのレベルなのか、「その根拠は何か」がなければ「一見もっともらしく聞こえるが具体的に説明を求められると答えられない言葉」、まさにビッグワードである。

注)「ビッグワード」については前エントリ参照

そして、このようなビッグワードがあふれているのが、先日発表された民主党のマニフェストならぬMANIFESTOである。

民主党の重点政策MANIFESTO「今こそ、流れを変える時。」
file:///C:/Users/OWNER/Downloads/%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%88_%E5%A0%B1%E9%81%93%E7%A0%94%E7%A9%B6_s2%20(2).pdf

前段は予想通り「実質賃金がー」「非正規雇用がー」などのアベノミクス批判のオンパレードだ。例えば「議員定数の削減」は、三党合意にもとづいて自公民中心に国会として実現すべきことだが、一方的に被害者面して「約束破り」だとしている。これらについては、また改めて取り上げてみたい。

上記のMANIFESTOをざっと眺めていただくと分かるが、後半の「主要政策」の部分も含め、数値が殆んど見られない。例えば、「消費税引き上げを延期する」としているから中止ではないが、いつまで延期とも、どうなったら増税するのかとも書いていない

増税延期そのものは安倍政権が既に決めていることだから、それ以外の中身は何も分からない極めて抽象的な内容になっている。ただ、資料の中で一か所だけ極めて具体的な部分がある。これを、自民党の2013年参院選の公約と比較してみよう。(自民党の公約は未発表)
太字強調はブログ主。

(民主党)
税財政改革
「財政健全化推進法」を制定し、2015年度プライマリーバ
ランス赤字半減2020年度黒字化の目標に向け、「歳出改
革」「成長戦略」「歳入改革」の3本柱の改革を進めます
(重点政策MANIFESTO 11ページ)


(自民党)
財政健全化への着実な歩み
●経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の一段の進展に寄与する姿を目指し、
 財政健全化に取り組みます。国・地方のプライマリーバランスについては、
 赤字の対GDP比を2015 年度までに2010 年度比で半減させ、2020 年度までに黒字化し、
 その後も債務残高の対 GDP 比の安定的な引下げを目指します。
(自民党参議院選挙公約2013 11ページ) 


数値は期日も含めまったく同様で、「財政健全化推進法」の制定を明記しているようにむしろ民主党のほうが意気込みが見える。これで財政再建ができるかどうかは別にして、ここだけが非常に具体的なだけで、あとは期日も含めた数値というものが見当たらないのだ。

例えば、アベノミクス批判の一つになっている非正規雇用の問題など、雇用についての部分を比較してみよう。

(民主党)
雇用
●「労働者派遣法の改悪」、「残業代ゼロ制度(ホワイトカラー
エグゼンプション)」、「解雇の金銭解決制度」の導入など労働
規制緩和を認めず、雇用の安定を図ります。
●「同一労働同一賃金推進法」を制定します。正規・非正規を問
わず、すべての労働者の均等・均衡処遇、能力開発の機会を確保
し、雇用形態を理由とした労働条件の不合理な差別をなくします。
●中小企業に対する支援を行いつつ、最低賃金を引上げてい
きます。
●過労死ゼロをめざし、民主党が提唱して成立させた過労死
等防止対策推進法に基づいた施策を着実に推進します。
●若年者雇用について、学校における職業教育や進路指導、職
業相談等就労支援をさらに拡充します。障がい者雇用を広げ、ま
た、高齢者が体力に応じて働ける環境をつくります。
(同12ページ)

(自民党)
雇用と所得の拡大
●成熟分野から成長分野への失業なき円滑な労働移動を進めるため、就労支援策を
 充実させます。今後5年間で、失業期間6カ月以上の人を2割減少させ、
 一般労働者の転職入職率を9%(2011 年:7.4%)にすることを目指します。
2020 年までに、20 歳から64 歳までの就業率を80%(現在 75%)にすることを
 目標とします。
●本社機能・研究開発拠点・データセンター等の地方移転、地方への新規企業立地促進に、
 一層の支援を図ります。
● 「テレワーク」「農商工連携」「キャリア教育」等の推進により、高齢者も若者も、
 女性も男性も、障害を抱える方も、ライフステージごとの生活スタイルに応じて働ける
 地域雇用の場を創出します。
●同一価値労働・同一賃金を前提に、パートタイム労働者の均等・均衡待遇の実現に
 必要な法整備等を行い、非正規労働者の処遇を改善します。
(同18ページ)

書かれている項目や内容はほとんど同じだ。「同一労働同一賃金」については法制化を掲げている民主党のほうが積極的にすら見える。しかし、「いつまでに」「どれだけ」がどこにもない。そもそも、MANIFESTOのどこを探しても、肝心の経済政策全般の集大成ともいうべき経済成長率の目標値がない

今こそ流れを変える時」と言いながら、その後どうするのかを何も考えていないから、時期も達成目標も示せるはずがないのである。
そして、この資料を見ていて気付いたのが鳩山政権時代からずっと続いている次の項目だ。

新しい公共
NPO税制の維持・拡充、休眠預金や社会的投資など金融
制度面での支援により、幅広い多様な主体が参加して公益を
担う「新しい公共」を進めます

この「新しい公共」はルーピーが熱心に取り組んでいた活動で、「地方分権」とは別物の「地域主権」や「外国人参政権」などとセットで「東アジア共同体構想」につながるものだ。NPOと言えば、小学4年生になりすました団体を思い浮かべるが、「新しい公共」はそのNPOが中心になる。

鳩山政権の国家戦略担当大臣だった仙谷氏に対し、この活動の中心になっていた『新しい公共を作る市民キャビネット』が提言を渡しているが、そのタイトルは「国の形を変え市民NPO政府と協働する『新しい公共』を!」となっていた。

このように、中国や韓国で反日活動にいそしんでいるルーピー氏の置き土産をずっと引き継いでいるのがこの政党なのである。野党時代の自民党は党内議論を繰り返して政策を磨き、政権復帰に備えた。そして、その政策は安倍政権に殆んど引き継がれて、次々と実行に移されてきた。

一方の民主党は、読売新聞には「安倍政権の政策の対案としては、新味や具体性に欠けるのではないか」「この1年余の党内論議の成果がうかがえない」と書かれ、毎日新聞にさえも「対案の肉付けが乏しい」と落第点をもらった。安倍内閣の揚げ足取りばかりで、政策に興味がないのだから当然だ。

達成するつもりも能力もない民主党がいくらマニフェストをMANIFESTOと言い換えても、サギフェストはサギフェストなのである。

(以上)

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ