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安倍政権が発足して1年4か月が過ぎたが、政権発足後の1年間で経済状況がどのように変わったかをまとめた資料が内閣官房の名で発表されている。GDPの推移、物価の推移、雇用や賃上げの状況、企業の動向や株・土地などの資産の状況が良く分かるので、ぜひ一読をお勧めする。
これまでのアベノミクスの成果について
平成26年4月16日 内閣官房
この資料に注目するのは、作成したのが財務省の影響が強いと言われる内閣府ではなく内閣官房すなわち官邸となっているからだ。では、何故官邸主導だからといって注目するのか。
以前、菅官房長官がテレビ番組で次のような発言をしたことがある。
「官僚の人たちは既成事実を作っていって、そこで(増税の判断を)せざるを得ない仕組みを作っている。それを私は今ぶち壊している」(2013年7月28日 新報道2001)
この発言は昨年7月の参院選後に消費増税が話題になりだしたころに新報道2001の放送中に飛び出した。私はこれを聞いて、安倍総理は増税を延期すると思ったのだが、そうはならなかった。その理由はよく分からないが、菅官房長官の狙い通りにその仕組みをぶち壊せなかったのかもしれない。
今回の資料が内閣府ではなく内閣官房となっていることは、もしかしたらその仕組みをぶち壊せたのか、あるいはまだまだ攻防が繰り広げられている途中なのかなどと勝手に想像をめぐらしている。
では、内閣府がまとめるのと官邸がまとめるのとでは何が違うのか。
いままでと違うと思ったのは次のグラフを見たからだ。
内閣府が四半期ごとに発表する報道資料やマスコミ報道で、このようなものを今まで見たことがない。
棒グラフは実質GDPの増減をそのまま示している(注)から、前期との比較も1年前の同じ時期との比較も容易だ。東日本大震災でGDPが大きく落ち込んだのが震災復興などで回復していたのに、消費増税ばかりに熱心な野田政権後半でまた落ち込んでいる様子も良く分かる。
(注:この数値は季節の変動を調整し年率に換算したもの。簡単にいうと数字は4倍になっている)
一方報道では、普通「内閣府が14日発表した7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動を除いた実質で前期比0.5%増、年率換算で1.9%増となり、4四半期連続のプラス成長となった。」という風に書く。内閣府の報道発表資料にそう書いてあるからだ。
これは四半期GDPの季節調整値を前期と比較して「前期比○○%増」とし、それを4倍して「年率換算△△%」としたものだ。この方式だと、例えば今年の1-3月期の駆け込み需要の反動で4-6月期のGPDが落ち込んだとすると、次の7-9月期はその落ち込んだGDPが基準になる。
反動で大きく落ち込んだものと比較するのだから、前期より少しでも良くなると前期比ではプラスになるから一気に回復したように見える。
財務省あたりはそれを根拠に「消費増税の影響は一時的なものだった」などとマスコミを使ったキャンペーンをやり、予定通りに消費税を10%に上げようとしてくるだろう。
しかし、上記のような見方をすれば本当に消費が回復し、民間の投資が回復しているかは一目瞭然で、そのようなミスリードはしにくくなる。官邸が菅官房長官が言うように官僚が既成事実を作ろうとしているのに対抗してこのようにしたのかどうかは不明だが、そういう効果があることは間違いない。
消費増税10%政局はとうに始まっているようだが、官邸には今度こそ官僚の作った既成事実化の仕組みを間違いなくぶち壊してほしい。
(以上)
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