アンチアベノミクス池上彰氏を論破!(『日本経済が頂点に立つこれだけの理由』を読む) | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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安倍晋三応援ブログです。
やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじです。

このブログでも紹介した、ひろさんこと山本博一さんの日本経済が頂点に立つこれだけの理由 』がやっと手元に届き、一通り読み終えた。この本は、氏が自身のブログで発信してきたことを中心に、アベノミクスの論点を読者が理解しやすいように工夫したものといえそうだ。


すらすらと読めるのに、アベノミクスに関する主要な論点についての知識と理解が深まることはまちがいない。知らないこともいっぱいあった。そして、「成長こそがすべての解」という筆者の主張に共感することになるだろう。今後も座右に置いて、いつも参照する本になりそうだ。


著者略歴によると、山本一博さん(以下ひろさん)は現役の医療機器関係の開発設計技術者だ。年齢は私の半分以下だし、開発商品や専門分野も違うが、同じ開発技術者ということで親近感が湧く。氏は、全く専門外のマクロ経済を独学で学び、ブログで多くの読者を獲得し、そして今回作家デビューした。


そこで思い浮かぶのが『国債を刷れ!』『さらば、デフレ不況』などの名著の著者である廣宮孝信さんだ。彼も某精密機器メーカーの研究職という工学系の人で、独学で経済や会計の専門知識を身につけたようだ。工学系技術者の分析力はマクロ経済に合うのかもしれない。


もっとも、同じ工学系でも、私のように日程に追われてばかりで荒っぽい仕事してきたものには、ひろさんのような隙のない解析、分析、論理展開は無理だ。せいぜい思いつきのグラフを書いて思いつきの解説をする程度だし、年のせいか、自分が過去に書いたことさえ良く忘れる。


それはともかく、現役の技術者がマクロ経済に関するこれだけの本を出版するようになるとは、ちょっと以前では考えられなかった。時間のやりくりも含め、これを成し遂げたひろさんに敬意を表すると共に、ネット出身の新しい作家の誕生を喜びたいと思う。


それにしても、三橋さんや廣宮さん、ひろさんは、個人の資質はもちろんあるが、どこかの学派とかマスコミなどのしがらみがないからこそ、当たり前のことが当たり前に見ることができるという面もあるのだろうか。


ひろさんの特徴が最もよく出るのは、「日本はギリシャのように破綻するぅ!」のような、根拠がないのに、池上彰あたりが言うといかにもそうらしく聞こえる言説に反論するときだ。本書の中でも、池上彰の「アベノミクス最悪のシナリオ」を取り上げているが、すべて論破している。


池上彰の説明が分かりやすいのは、「日本の国の借金は1000億円以上もある」「これはGDPに対する比率ではギリシャよりはるかに高い」「だから日本はギリシャみたいになる可能性が高い」といった感じの、肝心のことを飛ばしたバカでもわかる単純な論理展開で説明するからだ。


ひろさんは、アベノミクスに対する池上の数々の妄言を一つずつ論破してゆくが、その態度は、妥協を許されない精密な機器の開発を思い起こさせる。もちろん、ページ数に制約もあるからブログほど細かく書かれていないが、その分すらすらと読み進めることができる。


私は、「ギリシャみたいになる」という池上彰に反論するには、理詰めで行くより、むしろ「あの菅さんと同じことを言ってますねえ」くらいのことを言ったほうが、一般には分かりやすいと思う。しかし、この本で勉強しておけば、理論武装も完璧なのである。


たとえ話もうまい。アベノミクス三本の矢のうちでも、第二の矢『機動的な財政政策』を最も重視する筆者が、金融政策の効果の限界と、財政出動の役割を述べている部分がある。非常に分かりやすい例えだと思うので、そこを引用させていただこう。


 もし、第二の矢である「機動的な財政出動」がなかった場合、金融機関に積み重なった大量のお金は行き場を失い、原油や穀物などの先物市場、もしくは株式、不動産投機に流れ、資産バブルが発生します。最悪の場合、不況下でのインフレ、つまり、スタグフレーションになります。
 
 また、低金利の円で資金調達し海外に投資する円キャリートレードが復活する可能性もあります。これを防ぐためにも、政府による財政出動が必要不可欠です。つまり、金融政策によりお金が溜まった池から、政府が公共事業という水路を引いてお金が民間に流れ込むようにすればいいのです。


ひろさんは、時にはこんな絶妙の例えも使い、どうしても難しくなりがちな経済の話を丁寧に、分かりやすく解説してくれる。しかも、池上彰のいんちき三段論法などは、根拠をきちんと示しつつ徹底的に論破してしまう。


この本は、テレビや著作で見た池上彰の話を信じてしまっている人はもちろん、一応の知識があるのに、池上の話を聞くとまた本当らしく思ってしまう人にもぴったりだ。もちろん、私のように忘れっぽい人は座右においておくといいだろう。


そして、なによりアンチアベノミクスで飯を食っている、コメンテーター、評論家、それに、アベノミクスに疑問を感じている人たちは是非読むべきだ。
つまり、この本は誰もが読むべき必読書なのである。

(以上)


ひろさんのデビュー本
「日本経済が頂点に立つこれだけの理由」山本 博一 (著)

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