円高デフレ不況で拡大し続ける企業の海外移転 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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安倍晋三応援ブログです。
やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじです。

昨日のNHKニュースNC-9は、タイの洪水被害から生産再開にこぎつけた三菱自動車を特集していた。
益子社長が現地工場に乗り込み作業服姿で大勢の現地従業員を前に訓示をしていたが、全員が生産再開を喜ぶように盛大に拍手をしていたのが印象的だった。これはいかにも日本的な風景だ。


この工場には現在2つの工場があるが、いま建設している3つ目の工場が12年ぶりに復活するミラージュの生産工場である。新型ミラージュは、ハイブリッド車なみのリッターあたり30kmという低燃費の世界戦略車として世界中に輸出されるが、その大きな輸出先のひとつは日本である。


タイでは日産が同じく大衆車のマーチを生産しており、これも日本に輸入されている。マーチも現行型になったときからタイの生産に切り替わっておりその分の日本での生産が減ってきているということになる。
ちなみに、最近の各メーカーの内外の生産台数と海外生産比率は次のようになっている。


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三菱自動車は乗用車メーカーの中では海外生産は比率は低いほうで、ホンダなどは70%を越えている。ちなみにホンダはアメリカ向けの80%はアメリカ国内で生産しているそうだ。
次のグラフでは、その海外生産比率が年々高くなっていることが分かる。


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10年くらいの間に約20%くらい比率が上がっているが、この間は円高が同じようなペースで進行しており、各メーカーが生産の海外移転でこれに対応しているようにも見て取れる。


タイには既に、トヨタ、日野、ホンダ、日産、いすゞ、三菱、マツダの各メーカーが進出しており、日系メーカーの生産シェアは90%を越えている。彼らは部品や金型などの現地調達率100%を目指しており、日本の1次部品メーカーや金型メーカーなどをどんどん進出させている。


1次部品メーカは2次部品メーカーに進出を促すという具合で、現在は3次・4次部品メーカーや付随するサービス会社も進出しているという。
(『タイのターゲット産業に属する日本側企業の調査・分析 2009 年3 月23 日 三菱UFJリサーチ&コンサルティング』による⇒ (http://osaka.boi.go.th/report/automotive.pdf


このまま円高と国内市場の冷え込みが続けば、自動車の海外生産比率はまだまだ増えるだろう。しかも、その系列の部品メーカーや設備、金型、サービスといった業種もそれにくっついて海外に出てゆく。さらに、系列以外の部品メーカーも新規取引や輸出を期待して進出を図ろうとしているのである。


そして、これらのメーカーは何も日本車の部品だけを作っているわけではないので、工場全体の移転をせざるを得ないケースもあるはずだ。

そうして、多くの生産と雇用が日本から奪われてゆく


現在の経済環境と政府の方針をみれば、自動車に限らず多くの企業が海外移転を進めることは当然というかやむを得ないだろう。会社をつぶせば元も子もない。この傾向を防ぎ、日本の雇用を守るには政府・日銀がその気になって、円高デフレと景気の低迷からの脱出を図ることが何より必要なのである。


テレビには三菱自動車の現地法人が、第3工場の操業に備えて新人社員の教育に力を入れている様子が映っていた。現場で指導しているのもタイ人である。


このように日本式の経営がタイでうまくいっている様子は見ていてなんとなく嬉しいが、一方では、これだけの雇用が海外に移転したと考えるとじっとしていられない気分になる。


円高デフレ不況を放置したTPP参加など、この流れを止めるどころか助長するだけである。


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