歯の治療が終わり最後に歯垢を取って口の中を綺麗にしましょうという事で2025年11月28日に歯医者に行った。
診察室の前が白い壁で光に照らされていた。
その時、無数の砂をぶちまけた様な黒い点々が見えた。「何じゃこりゃ!」
片目をつぶると右目だけに見えるのだ。
歯の治療よりも、その点々の方が気になった。
ネットで調べると「失明につながる病気のサインの場合もあるため、飛蚊症の数が急に増えたり、光がチカチカしたり、見え方が変わったりしたら、すぐに眼科を受診することが非常に重要です。」と出てきた。
以前にも眼科へは閃輝暗点(視界にギザギザした光の波や模様が現れ、徐々に広がって一部が見えにくくなる現象。)が出た時に受診したのだが治療法は無いと言われてそれっきり行ってなかったので、何となく敷居が高かったのだ。
それで、そのまま放置していた。
ある夜、眠っていると壁を「ドン!」と強く叩くような音がして目が覚めた。気持ち悪いと思いながら、構わず眠り翌朝チェックしてみた。
僕は、左から祖父、祖母、父、母の順で壁に写真を飾っているのだが、そのうちの祖父の写真額の後ろの板がすっぽ抜けて下に落ちていたのだ。
見てみると止める部分は曲がったままなので、手品みたいに板が抜けて落ちた感じで、鳥肌が立った。
「おじいちゃん、怒ってるんじゃないのか!?」
それで、意を決して12月5日、仕事から帰ってから眼科に行った。
検査の結果、網膜剥離になる手前の網膜裂孔という眼球の奥にあるフィルムの役割を果たす網膜に穴や裂け目ができる状態であることが判明。
もう少し発見が遅れたら網膜剥離に進行して手術するしかないところだったが、今ならレーザー光凝固法(網膜などの眼底疾患にレーザー光線を照射し、病変部を焼き固めることで病気の進行を抑える治療法。)で進行を抑えられるということだった。
翌日、6日に受ける事になったが「3割負担で3,500円いります。」と言われ、「給料日、10日なんですよ。」と言うと「それまで延ばしますか?」と怒り気味に言われ「何とかします。」と返事をした。
自動車保険用に取っておいたお金を銀行から卸す。
6日に仕事から帰ってから眼科へ。
瞳孔を開く目薬をして、さらに検査をした結果、2か所網膜が避けているのが判明。瞳孔が開いたままなのを確認後、点眼麻酔。
治療台に顎を乗せ、レンズを直に眼にあててレーザーを数十回照射。
照射のたびに赤い小さな点が見え、麻酔のおかげで痛くはないけどそこが押される感じ。
照射時間は、10分ぐらいだったが、目薬の効果を待つ時間などで2時間ぐらいかかった。
1週間ごとに検査を受ける事となり、安定するまで激しい運動は避けるように言われる。
車を運転するなとは言われなかったので右目の瞳孔が開ききったまま車で帰宅。
(瞳孔は、翌日の朝まで開いたままだった。)
ちなみにレーザーで裂け目を止めても、他の部分がまた裂ける事があるらしい。
まあ、ギリギリで最悪の事態は避けられたわけだ。
それにしても、「おじいちゃん、ありがとう!」だ。



