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Growing Wings

淡路島在住、諸星アキラのブログ

新井英樹の漫画「宮本から君へ」を読んだ。
(KCデラックス版全6巻。)
主人公は、エレファントカシマシの宮本浩次から名付けらえた宮本浩。
大学を卒業して都内の文具メーカー・マルキタの営業マンになったのだが、やたらに自分の存在意義について悩む。
それに同僚や上司もガラの悪い言葉で怒鳴り返す。
尊敬できる先輩、神保和夫の下についてから、土下座も辞さずに営業の仕事に打ち込む。
物語の始まりは、電車で一目惚れした甲田美沙子とのラブスーリーであるが、前半は、仕事熱中時代な内容。
後半は、神保を通じて知り合った中野靖子が濃く絡んで来るエグイ展開となる。
絵も最初の方は、素人が描いたような感じなのだが、物語が進むにつれてオッと思う迫力のある絵柄、コマ割り、アングルになる。
前半部分が、TVドラマ化されていて、原作の漫画が花沢健吾の漫画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」に影響を与えたと知っていたので、それで観たのだが、当時は、宮本浩を演じる池松壮亮に好感を持っていなかったのと自己中心過ぎる行動に不快感を持ち、続きの映画版を観る気にもならなかった。
が、「シン・仮面ライダー」で池松壮亮のイメージが爆上がりしたので映画版が気になり原作も読む気になった。
なぜ、そんなことをしたり言ったりする?それって犯罪にならないの?と自分的には、理解に苦しむ主人公なのだが、
最後の方では、いつの間にか心から熱く応援していたのだ。
感想として「面白い漫画」だったのである。ラストシーンが爽快!
 

 
タイザン5の漫画「タコピーの原罪」を読んだ。
宇宙にハッピーを広めるために旅をしているタコに似たハッピー星人のタコピーは小学4年生の久世しずかと出会い友達になる。
しかし、しずかは、同級生の雲母坂まりなから毎日陰湿なイジメを受けていて、ついに自殺してしまう。
実は、しずかの母親は、夜の店で働いていて、まりなの父親は、その店に通い詰め家庭崩壊をしていて、まりな自身は、母親から虐待を受けていて、そのせいでしずかを逆恨みしていたのだ。
タコピーは、時を戻すアイテムでしずかが死なないように努めるが、今度は、まりなを殺す事になってしまう。
家庭に不満を持つ同級生の東直樹も巻き込んで、物語は、ますますダークな方向に向かうのだが意外などんでん返しを迎える。
タコピーをはじめとした可愛らしい絵とエグイ物語のギャップが強烈!
「悪夢版ドラえもん」と評されて話題になったらしい。
 

 
星野之宣の漫画「宗像教授セレクション 源氏物語と平安文学」を読んだ。
2006年の「再会」と2009年の「源氏物語昆虫記」の2作を1冊にまとめた本だ。
以前に単行本で読んでいるが、このつながりのある2作をまとめているのには意味があって
内容的には、「源氏物語」、「竹取物語」と浦島太郎伝説の3つの物語は、関連があるという
考察がされているのだ。
その謎解きにからめて宗像教授の青春時代の悲恋も語られて深い人間ドラマになっている。
題材もタイムリーなのでお勧めの1冊だ。
 

 
本宮ひろ志の漫画「むかし話」と「みらい話」を読んだ。
「むかし話」の方は、各地の民話や地名の由来になった話の短編集。
内容的に感動的な展開もなく淡々とした教訓的な話が続く。
バイオレンスの描ける人なんだから大人向けのブラックな話にした方が面白かったのにと思った。
「みらい話」は、これから環境破壊から起こるであろう出来事の予想図的な話。
最終的には、地球に似た星に移住する展開なのだが、これも淡々とした物語。
ファンタジー系は面白いが、こういうガチなSFは向いてないのではないか?
どうしても巨匠の漫画家や映画監督の晩年は大人しい作風になってしまうものなのだろうか?
 

 
2023年12月公開の映画「仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦」を観た。
ガッチャードとギーツのクロスオーバー作品で監督は、山口恭平。
ケミーの捜索をしていた一ノ瀬宝太郎たちの前にギーツの敵であるジャマトが出現し、ギーツの出演者達が助けに現れる。
が、何者かの不思議な力によって、桜井景和、鞍馬祢音、吾妻道長がケミーとなってしまう。
元に戻すには、レベルナンバー10のケミーであるクロスウィザードが開催する「最強のケミー捕獲ゲーム」をクリアしなければならない。
ドラマ本編での怪しい人物、錬金連合の釘宮リヒトの正体が明かされたり、九条りんねが本作で仮面ライダーマジェードに初変身したりドラマとも連動している。
世界観が違う2作を融合しているので無理矢理感があるが、お祭り作品として楽しめる。
出来たら桜井景和の姉役の志田音々ちゃんも出して欲しかった。