「人間探求」はオレのライフワークだ。
そして人間を知れば知るほどひとつの結論に至る。
「人間はすごい!」
人のすごさ、「聖性」はふだん退屈な日常や弱さや愚かさに埋もれている。
しかしなんらかのきっかけが与えられると突如「聖性」が目覚めるのだ。
そのすごさを今日はまざまざと見せつけられた。
成田昌子(しょうこ)の物語を話そう。
父32歳 、母35歳、待望の赤ちゃんだ。
青森県出身の父は企業で設計士をし、仲間に慕われていた。
鳥や犬やうさぎを飼い、囲碁や将棋をたしなみ、お酒が大好きでいつも陽気に笑っている。
母の家族は、満州から岐阜県高山にひきあげ、戦後の激動期に祖父を狂犬病で亡くし、大変苦労をした。
母は元夫に多額の借金があったことを知り離婚をしていたが、父と再婚する。
母は卵巣嚢腫を患い妊娠が望めないと言われ、父との離婚を考えながら不妊治療にはげむ。
待望の赤ちゃんしょうこは愛情いっぱい育てられた。
子供の頃のしょうこは、目立ちたがりやなリーダーの優等生だった。
反面、空気の読めないしょうこは、時に意地悪されたり、仲間はずれにされたこともある。
しょうこが思春期の時、父の手に噛みついた。
父は決して叱らず、しょうこの気が済むまで、噛ませつづけてくれたという。
高校生になるとやんちゃな自分を封印し、おとなしい女子を演じるようになった。
短大を卒業し、音楽の養成所に入ろうと思った矢先に父が意識不明で倒れる。
救急医療を適切にうけられず、脳梗塞発症からわずか10日で息をひきとった。
最愛の父を亡くした母は生きる意欲をなくし、父の三回忌を終えると布団からでられなくなり、鬱と診断される。
10年以上寝たり起きたりの母に寄り添おうと、しょうこは音楽を学ぶことをあきらめてしまう。
しょうこは母と住んでくれるという相手を選んで結婚したが、夫や姑母は母を厄介者のように扱い、実家へ様子を見に行くことすら嫌味をいわれる。
しょうこが流産した時も冷たい言葉を浴びせられる。
母は難病を併発して亡くなり、しょうこは自分を守るために離婚をした。
ひとりで生きていくために大企業に就職する。
優秀な人材が集まる戦場のような職場で、周囲に気を遣い、身体も心も疲弊し、早く死にたい、お母さん迎えに来てと願っていた。
1年かけて横断歩道を時間内に渡れるようになり、岐阜のがんサバイバーリトリートに参加する。
がんサバイバー中園慶子に会い、みかんと3人で食事し、去年5月に滋賀合宿に参加する。
2018.12AKIRA ブログより
しょうこのボーカルは大きな感動を呼び、ついにしょうこは歌という使命を見つける。
しょうこの歌が聴きたいという多くのリクエストにCD制作を決意する。
しかし病気が再発し、腸閉塞で入院し、ゼリー状の腫瘍が臓器を圧迫し、歌うことも立っていることもできなくなる。
「祈りプロジェクト」で全国から祈ってもらい、奇跡が起こる。
「せめて1曲だけでも」とのぞんだレコーディングでなんと8曲を歌い上げてしまったのだ。
そのCDが生前葬ライブに集まってくれた観客30人に配られる予定だ。
1、Hug Yourself
2、勇者の石
3、Hello my mom!
4、しあわせ(昌子オリジナル)
5、えん
6、PUZZLE
7、あなたは大切な人です
8、ありがとう
9、PUZZLE ー bonus Tracー
※CDは今後一般販売されます。
2019.4 AKIRA ブログ
AKIRA ×しょうこ生前葬 恩送りライブ
しょうこの介護をしてくれる叔母さんやいとこなどの親戚、同僚や友人、AKIRA ライブで出会った友、AKIRA滋賀合宿の仲間たち、マキの笑いヨガの生徒など42人の仲間たちが全国からかけつけた。
やっとのことでかけつけた今日も38度近い熱と痛みはおさまらない。
会場のとなりに控室が設けられ、そこで聴くことになった。
今日はライブというよりも命のセレモニーだ。
オレはアイヌ衣装をまとい、自分のガン体験を歌った曲からはじまる。
1.奇跡
「ここまで足を運んでくださってありがとうございます。
コラボライブというより、ご縁あるみなさんにAKIRA さんのライブをプレゼントしたいと思って主催しました。
病気にならなければ、出会わなかったご縁がつながりました。
お世話になった方へのお礼として楽しんでいただき、AKIRAさんの歌から、何か受け取って帰ってもらえたら嬉しいです」
しょうこがステージにいるうち、会場のみんなに祈ってもらおう。
2.祈りの歌
「しょうこ、1曲短いのでいいから歌ってみないか?」
しょうこはアルバムに収録したオリジナルを歌ってくれる。
「おおー歌えたね!みんなの祈りの力だよ。じゃあ無理しないでとなりの部屋で聴いていて」
「しょうこが与えてくれた機会なので、今日は命の授業をしましょう」
死とはなにか? 30億年前に生命がなぜ死を遺伝子に組み込んでいったから話した。
「個」の死は人間という「種」を生かすために生まれた。
命の椅子を新しい世代にゆずる崇高な行為なのだ。
5.ハイボクノウタ
人は死んだあとどうなるのか、臨死体験の話をする。
6.Life is perfect
すべての人のどんな人生も完璧なのだという話をする。
7.Hug yourself (舞 :石垣島帰りのなーみー )
「しょうこさんとは、昨年9月に AKIRA 歌のれん分けシンガーのためのワンデーで初めてお会いしました。
大変な病気の中、こんな風に歌えるんだ!と印象に残ってて、レコーディングしたしょうこさんの歌声を聞いて、あー、この心地いい声を聞きながら眠りたいなと感じて、この曲が生まれました。
東京の石川シュウさん、ぶっつけですがカホンお願いします」
これはトム作曲史上最高の名曲だった。
苦しさは安らぎに
奇跡のメロディにのせて君は歌う
今夜はあなたの歌で眠ろう
今夜はあなたの歌で夢見たい
まさしく「手当て」療法だ。
ヒーリングより、笑う方が心も体も簡単に楽になるのでお伝えして笑ってる毎日です。
祈りは日本にはもともと、祝詞などいろいろありました。
あわうた。ひえとあわ、ひえは宇宙、あわは地球だそうです」
9.あわ歌
しょうこを献身的に支え続けてくれた中園慶子にでてもらう。
去年4月17日にしょうこちゃんと私はリボーン洞戸でのがんサバイバーリトリートで出会いました。
おたがいのことをポツリポツリと話すうちに、しょうこちゃんがひとりでどんだけがんばってきたんと、私は勝手にしょうこちゃんの応援団になり、しょうこちゃんは一人やないで!と言ってました。
リトリートの帰りにみかんちゃんと岐阜駅で待ち合わせて、しょうこちゃんはAKIRAさんを見たこともないのに、いっしょにみかんちゃんの主催するAKIRA 滋賀合宿に参加することになりました。
こうしてAKIRA さんとも合宿の仲間たちともつながりました。
合宿の前に、けいちゃん、私棺桶の中にはいってきたよって生前葬の話をしてくれました。
去年12月に滋賀合宿メンバーかおりんのライブが終わり、金沢へ向かう車の中で、しょうこちゃんは歌いたい気持ちをAKIRAさんに告げて以来、まさかこんな日がくるとは思いませんでした。
しょうこちゃんは、4/15 4/16に、自分の歌で感謝を伝えたいと命を尽くしてレコーディングしました。
AKIRA さんもその場に来てくれて、声もでない状態のなか魂の声でベストを尽くしました。
言っていいのかな? しょうこちゃんは私はお葬式をしない。このライブが皆さんとの生前葬のつもりでいるって。
今日も全身痛くて、座ってても横になっていてもつらいのに(涙ぐむ慶子)。
しょうこちゃんの覚悟を感じました」
慶子といっしょにしょうこを支えてくれたみかんが話す。
4/30と5/1 平成と令和の境目に伊勢神宮へいき、しょうこちゃんに平成最後と令和最初の日付の入った御朱印を届けるんだと1時間半並んでゲットしてきました。
だれか大好きな人を思えるということだけで幸せで、こんなにも豊かなんだと知れました。
AKIRAさんがまちがって楽譜をつぎのライブに送ってしまったので、滋賀合宿の仲間が急きょネットから歌詞を書き写してくれました。
AKIRAさんの言霊を書き写す姿はまるで『写経』のようでした。(笑)
おお、しょうこがみかんの歌を聴こうと控室からステージに出てきてくれた!
滋賀合宿のメンバー、全盲のコンちゃん、弱視のテラ、福井の耳の聞こえないアコーディオン奏者(最近フランスでも演奏した)カオリン、埼玉の虐待体験をカミングアウトした勇者にゃこねえ、愛知の多才表現勇者オリエ、笑いヨガマスターのマキ、東京ののれん分けシンガータクマとアリス、ワンデーに参加した トムと、カホンの石川さんも一緒に祈りながら、みかんの歌に耳をすませた。
10.あなたを想う (歌 みかん with 滋賀合宿の仲間)
一瞬一瞬変化する状況から運命や人々の無意識が何を望んでいるかを読み取り、そこにいる人々から最大限の力を引き出すライブをやってきた。
目に見える現実と目に見えない世界をつなぐメディウム(媒介)になる。
最後の『ありがとう』もレコーディングした曲を流すはずだったが、 CD-Rがまだ届いていない。ここはしょうこが歌うしかない。
13.ありがとう(ボーカル:しょうこ)
「しょうこーよくやった!これで思い残すことなく 死ねるなー」(笑)
アレンジャーの臼井さんが必死でつくったCD-Rを持ってきてくれた。
会場に来ることも立つこともままならなかったしょうこが命を振り絞り4曲も歌いあげ、みんなの心に命の火を灯した。
われわれはしょうこの必死で生きる姿に大いなる愛と勇気を受け取ったのだ。
しょうこはすべての人に「命への感謝」という世界最高の贈り物をくれた。
しょうこの「聖性」を目の当たりにし、それがすべての人がもつ自分の本性であることを体験した。
しょうこがすばらしい人生を生きてくれたおかげで、オレたちは出会えた。
つらい病気を背負ってくれたおかげで本物の命の歌を聴くことができた。
「あなたはあなたが思うよりはるかにすごい存在だ」ということを身をもって教えてくれたのである。
しょうこの人生は完璧だったよ。
しぶとく「まだ歌いたい」と思ったら、また会おうぜ。
あたたかい思いやりでサポートしてくれたスタッフ、そして参加者のみなさん、本当にありがとう。
最前列石ちゃんのヴィーナスポーズ
受付:じゅんちゃん(奈良)。心空 のりぃ ちゃん(大阪)。物販:にゃこねぇ(埼玉) 。アリス(東京)。駐車場:卓馬(東京)。ポストカードイラスト:心空 のりぃ(大阪)。カホン:石川 秀一(東京)。カメラマン:石ちゃん(愛知 岡崎)。会場案内:テラちゃん(愛知 半田) 。おりえちゃん:(愛知 名古屋)。コーラス(笑)こんちゃん (愛知 みよし)。会場設営:安保さん(滋賀) 。石ちゃん。秀さん。協力サポーター:
受付:じゅんちゃん(奈良)。心空 のりぃ ちゃん(大阪)。物販:にゃこねぇ(埼玉) 。アリス(東京)。駐車場:卓馬(東京)。ポストカードイラスト:心空 のりぃ(大阪)。カホン:石川 秀一(東京)。カメラマン:石ちゃん(愛知 岡崎)。会場案内:テラちゃん(愛知 半田) 。おりえちゃん:(愛知 名古屋)。コーラス(笑)こんちゃん (愛知 みよし)。会場設営:安保さん(滋賀) 。石ちゃん。秀さん。協力サポーター:
まきちゃん。じゅんちゃん。音響:カズミさん。楽譜提供:みかん、トム。楽譜写経:にゃこ、たくま、アリス、カオリン(福井)、くるみ(栃木)、秀さん、安保さん。司会:セットリストメモ:みかん。総合コーディネート、主催サポート:滋賀の中園慶子。
主催:しょうこ
「しょうこ、フィナーレは生涯最高の美顔で決めよう!」