爆発する歓喜@埼玉県所沢市 | New 天の邪鬼日記

New 天の邪鬼日記

小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

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歌える喜びをなんと表現すればいいのだろう?
3ヶ月間歌を忘れたカナリアに徹し、自分を飢餓状態に追いこむ。
そのマグマのように沸騰するエネルギーが帰国第一弾ライブで爆発する。
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主催の一般社団法人プレシャスライフは、1200件もの子供の相談に応じ、19年間にわたる犬猫の保護、所沢市にある「となりのトトロ」の舞台となったトトロの森を守るなど、「人」、「動物」、「地球」を支援する活動をつづけてきた。
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「さあこれから気合を入れて化粧しようと思ったときに猫ちゃんを保護してという電話が入り、化粧より猫をとりました」
理事の淳子さんが大らかに笑う。
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会場には300人もの観客がつめかけ、
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オレと古市さんが登場する。
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オレはおびただしいネックレスやキツネのマフラーというマタギのような衣装だ。
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古市さんは脚本を新しいバージョンに進化させ、オレがいろんな役のセリフをこなすことになる。
なつかしいステージとスポットライト、ここがオレの住処である。
3ヶ月日本語を話さず、歌わない生活から、あるべき場所に帰ってきたのだ。
はじめて共演するピアニスト桜子がすばらしい演奏でサポートしてくれる。
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オープニングの「ウレシパモシリ」で300人が一気にさらわれる。
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2016年4月3日 埼玉県所沢市中央公民館大ホール
セルフストーリーオペラ「這い上がり」バージョン2
朗読:古市佳央 歌:AKIRA ピアノ:桜子
 
「ウレシパモシリ」(ピアノ)
1章 事故
「ウレシパモシリ」(ピアノ)
2章 病院
「勇者の石」(ギター)
3章 過去の回想
「愛を知らない子供たち」(ピアノ)
4章 治療
「PUZZLE」(ピアノ)
5章 友との出会い
「だいじょうぶマイフレンド」(ギター)
6章彼女との出会い
「愛することをやめないで」(ピアノ)
7章退院
「エイチ」(ピアノ)
8章 転機
「Hug yourself」(ギター)
9章家族
「家族」(ピアノ)
10章 オープンハート・震災
「雲の上はいつも晴れだから」(ピアノ)
最終章 感謝
「ありがとう」(ピアノ)

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1988年4月2日、16歳の古市佳央はバイク事故で炎上し、顔も指も希望も失う。
地獄のような手術とリハビリをくりかえし、何度も死を願った。
同じ重度の火傷で入院していた5歳年上の男性、佐藤さんと出逢い、おたがいの火傷に驚き、良きライバルとして友情を育んでいく。
(以下脚本を抜粋)

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8人部屋には佐藤さんがいること聞いていたが、どうせ大したやけどではないだろうって思っていたんです。ずっと拒んでいたらベットごと運ばれてしまった。
そして、俺は初めて佐藤さんと対面する。
【照明 AKIRA 100%・古市100%】
佳央ぎょえ、俺よりひどい火傷の人がいる
佐藤おえー、俺よりひでー奴が来た、しかも16歳
二人俺たち、、両想いかよ!!
【ピアノON】(アップテンポ)
佳央ねー、佐藤さん、何回手術したの?
佐藤そうだなあ、20回くらいかな
佳央えっ、俺まだ7回。負けたー。
よーし次は負けねーぞ、ねー、佐藤さんの火傷って全身の何%?
佐藤う~ん、55%かな
佳央えっ、俺41%。負けたー。
佳央よーし、ねー、佐藤さんもワルだったって聞いたけど、
どれくらいワルかったの?
佐藤おう!中3で大田連合の総長よ
佳央ひえっ、負けた、負けた、負けたー
【ピアノON 穏やかな曲】
佳央佐藤さん、俺ね、佐藤さんと出会ってから、笑えるようになれました
ありがとうございます。
自分が世界で一番不幸だって思っていました。
こんなひどい火傷の人って他にいないだろうって。

佐藤俺もだよ! でもさー、俺たち一生病院か施設だよな。
こんな姿で表に出ても見世物になるだけだしな。
【ピアノ 音変わる】
佳央佐藤さん、やけどして良かったって言える人生にしましょうよ!
だって、そうしないと俺たちなんでこんな苦しい思いしているのか
わからないじゃないですか
この経験があったから今の自分があるって思えるような人生にしましょうよ
佐藤う、、うん、約束するよ
(抜粋以上)

さまざまな出会いを通して佳央は念願の退院にこぎつけるが、彼を待っていたものは残酷な社会の差別だった。
何度も挫折をくりかえしながら佳央は挑むことをやめない。
差別のない社会を目指す活動や東北の震災支援をつづけ、日本一の講師に選ばれる。
佳央は今、佐藤さんと約束した「やけどして良かったって言える人生にしましょうよ!」という未来に立っているのだ。
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会場は嗚咽と感動に包まれ、生きる力を呼び覚まされていく。 
オレは歌う野獣と化していた。
観客が必死に閉ざそうとしていた心のドアが開かれるどころか、扉ごと爆破される。
何十年も抱えてきた苦しみが丸ごと全肯定され、肯定した瞬間に力へと変換される。
みんなが完全開放された笑顔に輝く。
この瞬間を見たくてオレは歌いつづける。
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きみの人生は最高だった
きみの選んだことに
なにもまちがいなんてなかった
今のきみになるため
ぜんぶ必要だった
きみの腕で自分をだきしめてやれ

Hug yourself,Hug yourself
Hug yourself,Hug yourself
Hug yourself,Hug yourself
Hug yourself,Hug yourself
自分を愛せない者に人は愛せない

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人の命と動物の命についてのパネルディスカッションが行われる。
古市さんやプレシャスライフのメンバー、議員さんたちが大切な話をしてくれた。
金木はじめがオレにかけよる。
「奇跡が起こったんです。妻エイコの白血病が治りました!」
「マジかよ!?」
長い間患っていた白血病で命もあきらめていたんですが、毎日AKIRAさんの歌を聴いて、紹介してもらった赤ひげ堂へかよったんです。病院の医者もありえないって驚いてましたよ」
つぎにすい臓ガンで死を覚悟していたミミと夫の大輔がやってくる。
「AKIRAさん、写真撮ったら重大発表を聞いてください」
「なんだよ?」
「ミミのすい臓ガンが消えました!」
「ウッソーーーー!」
「AKIRAさんのアドバイスで手が黄色くなるまでニンジンジュースを飲んで、食事を変え、AKIRA歌を聴いて考え方まで明るくなって、赤ひげ堂に通いはじめて4ヶ月の検査でガンが治ってるらしいということになり、そのあとの精密検査の結果が出たんです。すい臓ガンも転移も見つからない。完治ですよー!」
1年前に死を覚悟した2人の暗い顔からは想像もできない笑顔だった。
「ミミ、ついにパスポートをゲットしたな。命を救われたものの仕事は救う人になる。その喜びをたくさんの人に伝えていけ」
ミミと大輔はこの世のものとは思えない笑顔が爆発した。