命の奇跡に気づく | New 天の邪鬼日記

New 天の邪鬼日記

小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

5月17日(日)東向島「フルハウス」被爆証言を聞く+ライブ
「えー、ここ? なんかおしゃれなカフェとか想像してた」
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フルハウスは下町の風情を残す長屋の一角にあり、染物屋さんの文字がガラスにあってむっちゃかっこいい。土間を上がると6畳くらいの畳の部屋にふすまや壁が紺緑の漆喰で塗られ、天井は石庭のような渦巻き模様でできている。
オーナーの結(ゆい)さんは築100年近い2階建ての民家を友人たちとリフォームして、アートやイベントスペースとして利用している。
しばらくすると、品のある年配の女性がはいってきた。
被爆証言の語り部、山下久代さんである。
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85歳とは思えないほどかくしゃくとし、長身にワインレッドの花模様のドレス、おしゃれな帽子をかぶっている。
悲惨な体験の暗さは微塵もなく、明るい笑顔とはきはきした話し方にみんながひきこまれる。
山下さんは、墨田折鶴会の会長でもあり、東京の被爆者組織「東友会」に所属している。
当時21歳の山下さんは尾道に引っ越していたのに、たまたま広島にもどり、爆心地から1.6㎞にある広島市平塚町の町内会の人たちと建物疎開のあとかたづけをしていた。警戒警報が解除になり、ほっとして作業を開始した時……
世界が消えた。
左がピカッと光ったと思った瞬間、轟音とともに300人が爆風で飛ばされた。無傷で生き残った者は山下さんをふくむたった3人だった。
なにが起こったのかわからないまま意識をとりもどすと、「死」という文字が頭をよぎる。服は破れ皮膚は茶色に焼けている。
「なんとかしてください」
女性の声にふりむくと、その人の皮膚は溶けてなくなっていた。もたされていた救急袋から軟膏をとりだし、塗ってあげようとするが、体液で滑って塗れない。火傷した背中を三角巾でくるんであげるのが精一杯だった。中山村に避難し、6畳に10人で寝た。
「あついよー、あついよー」
5歳の子どもが泣きつづけ、5日後には息絶えた。救急隊は来ず、子どもを抱えた母親は腕の中で痙攣しながら死んでゆく子どもを抱きつづけるしかなかった。
町中に死体が転がり、8月の暑さに腐ってゆく。穴を掘り、死体を燃やすが、その臭いの気持ち悪いこと。
2週間後に東京の叔父をたよって目白に移り住む。
被爆の影響で、生理は2年止まり、卵巣嚢腫(のうしゅ)、胃粘膜腫瘍、肺に気泡ができる間質性肺炎、瀰慢性汎細(びまんせいはんさい)気管支炎などを患う。
28歳のとき46歳の画家と結婚する。
被爆した女性は白血病やダウン症が生まれやすいというので、子どもをもつことはあきらめたが、貧しいながらも幸せな夫婦生活を送った。
夫が73歳で亡くなったあとは、30年間一人暮らしをつづけている。
広島を思い出すのがつらく、死んでいった人たちに申し訳なく、ずっと口を閉ざしていたが、被爆50周年のとき、はじめて公衆の前で自らの体験を語った。
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「戦争は何ひとついいことはありません。
神の国は負けないとか、お国のために死ぬことはすばらしいだとか、だまされてはいけません。わたしたちは殺しあうために生まれてきたのではないのです。
ちがった価値観をもつ人たちとも手をつなぎ、ちがいを受け入れ、感謝しあって生きることです。
どんな人生でも、むだなもんなんかありません。どんなにつらいことでも、それを越えると大きな喜びが待っているんです。
親や天からいただいたたった一つの命を、せいいっぱい生きましょう」
あたたかい感動が会場をつつんだ。
この感動は、いくらオレが文章で再現しようとしても伝わるものではない。せっかくこの時代に生きているのだから、ぜひ被爆証言を本人の口から生で体験して欲しい。
8月には墨田区役所で写真展や講演があるからいってみよう。
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山下さんはオレのライブも聞いていくという。
ありがたいことだ。
ライブはコウヂのサポートをバックに、原爆から生き残った命そのものの力を歌いあげた「マーマレードスカイ」(アルバム「alone3」)からはじまった。

「マーマレードスカイ」

I sow the marmalade sky
Everything is melted down in
Brilliant brilliant brilliant mournig
marmalade sky
so beautiful marmalade sky

まるで夢でも見てるよう
あなたとまた会えるなんて
蝉時雨ふる川辺さえ
なにも変わらないわ

紅茶に浮かぶオレンジが
深く沈んでゆく
不思議ね想い出熟すと
甘くなるなんて

時はすべてを壊し
時はすべてを変えて
人は命の火を伝えてく

I sow the marmalade sky
すべてが光に溶けていった朝
the marmalade sky
神が泣いた朝


おたがい少し年をとり
それぞれの暮らしがある
うまくいかないことばかり
それも人生かな

ときどきこんな世界など
消えてしまえって思うけど
守るべき命があれば
それで生きていける

時はすべてを奪い
時はすべてを与え
人は命の火を伝えてく

I sow the marmalade sky
すべてが光に溶けていった朝
the marmalade sky
神が死んだ朝


今度いつまた会えるかな
別々の道へ帰る
路面電車に手をふる
笑顔昔のまま

忘れるほうが幸せでも
忘れちゃいけないこともある
乗り越えられぬ悲しみは
誰も選べない

時はすべてを許し
時はすべてを癒し
人は命の火を伝えてく

I sow the marmalade sky
すべてが光に溶けていった朝
the marmalade sky
君が目覚める朝

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1、 マーマレードスカイ
2、 ぬちどぅ宝
3、 Walking in the rain
4、 生きてればいいさ
5、 祈りの歌

「もしよろしかったら、今日は命がテーマのライブなので、すこしお話しをしてください」
1ヶ月半前に奥さんと娘を亡くしたAさんが栃木県からきてくれた。3歳で脳の発育が止まった娘さんは18歳になっても純粋で思いやりに満ち、無償の愛を与えてくれたという。
Aさんは事故直後の日記を朗読してくれた。
自分の内面でかかえていたものをもって外へ出し、痛みを通して人とつながっていく。とてもつらい道のりで、大いなる勇気と覚悟のいることだ。それでも人は悲しみを乗り越えていかなくてはいけない。
山下さんがいったこの言葉を信じて。
「どんな人生でも、むだなもんなんかありません。どんなにつらいことでも、それを越えると大きな喜びが待っているんです」
オレは「絆」という歌をAさんと家族に捧げた。

6、 絆
7、 たったひとつの命
8、 命の歌
9、 家族
古市さんの話
10、 PUZZLE

オープンハートの会」の古市桂央さんがきてくれた。
暴走族だった古市は16才のとき、バイク事故で重度熱傷41%という大火傷を負う。一命はとりとめたものの、ケロイドにおおわれた自分の姿に絶望する。
入院患者との心のふれあいや、すばらしい出会いによって成長し、今では日本中を講演し、たくさんの人たちに希望を与えている。(古市さんのブログは必見!)
「オープンハートの会」を発足し、「這い上がり」(ワニブックス)、「君の力になりたい」(北水)を出版する。
古市さんは長身を青いシャツにつつみ、黒いサングラスをかけている。もちろん火傷のあとは残っているが、かなりのイケメンである。
「ひとつのものさしを押し付ける日本の中でたくさんの子どもたちや弱い者たちが差別と偏見に苦しんでいます。医療は命を救ってくれたけど、そのあとの心のサポートまではしてくれません。どんな人でも明るく楽しく生きていける社会つくっていきたいんです」
やさしい話し方の中にも元暴走族の熱い想いが伝わってくる。オレたちはすぐ意気投合し、「いつか古市さんのオペラをやりましょう」と誓い合った。
命をテーマにしたイベントとはいえ、こんなにもすばらしい人たちが集まるとは予想もしていなかった。
被爆体験、家族を失う体験、容姿を失う体験、あらゆる試練をのりこえて、命たちはここに集った。



絵本作家シュンスケは「フルハウス」でつくったというネアリカをもってやってきてくれた。
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オレの夢をとっくに実現してしまった人もいる。世界192カ国をぜんぶ旅した志村さんもきた。オレはまだまだ72カ国だし、生きてるあいだにぜんぶいきてー!
キミコさん、ミワン、サトコ、ヒトミ、イワセのスタッフは、むっちゃ美味しいマクロビ料理をつくってくれた。
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「すべての出会いは奇跡」なんだという、当たり前な事実を思い出させてくれるすばらしいイベントだった。
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※ライブスケジュール

5月23日(土)静岡県伊豆「一枚の板 かりゆし工房」にてライブ。ゲスト:アシリ・レラ(アイヌ民族の語り部)。ピアニスト:nori
静岡県伊東市富戸1101-31(地図) TEL&FAX:0557-51-2002
開場 16:45 開演 17:15 交流食事会 20:30
チケット¥2000(1ドリンク付) 食事会費¥2000(すでに予約が60名を越えているのでお早めに)
レラさんのカムイユーカラ(神謡)、ウエペケレ(昔話)など、アイヌの知恵をお話してもらいます。レラさんのもとにかよい小説「風の子レラ」の作者でもあり、ミュージシャンのAKIRAが世界中の先住民から学んできた知恵を歌にしたライブとたっぷり楽しんでください。

5月24日(日)静岡県伊豆下田市「By The Sea」にてビーチライブ。
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吉佐美大浜(下田駅から南へ車で10分。バスもあります。地図
静岡県下田市吉佐美2248-2 TEL O558-22-1555
チケット2000円 開場 15;30 開演 16:00 交流会18:00
ビーチマニアであるオレの夢が実現した。海をバックにビーチで聴く野外ライブです。(雨天の場合、13代藩主、鍋島直泰の別荘)

5月30日(土)東京東中野「プリズン東京」にて「Mission Positive Vol.7」フェスティバル・ライブ(くわしくはこちら
東京都中野区東中野4-9-1 第一元太ビル地下1F(新宿より中央・総武線の東中野駅の東口北側出口から徒歩1分。地図
時間: 13:00~21:00 (時間中出入り自由) 料金:¥2,500
出演:AKIRA(20:10~21:40予定)海月 光。種まきピアニストりほ&ジョニー。本間 章浩。ミッチ&ビュリホー。鈴木洋見(写真家)。IKKEN(タップダンス)。PAPER☆PLAY’N(紙芝居)。他
予約問い合わせ:live@prison-tokyo.net
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6月5日(金)新潟県長岡市「笹森亭」ライブ
長岡市宮内4丁目9-28(地図
開場18:00 開演19:00 チケット2000円(1ドリンクつき)
問い合わせ:090-7402-1039(担当:かな)

6月6日(土)新潟県新潟市総合福祉会館(地図) 視聴覚室 脳性まひブラザーズ・プレゼンツ・AKIRA&マチオ・オペラライブ。母が焼身自殺を図ったマチオの自伝オペラ
OPEN 18:00 START 18:30 20:00終了予定 参加費 300円
〒950-0909 新潟市中央区八千代1-3-1 TEL 025-248-7161
主 催:「家族の証」実行委員会(新潟市補助事業)
後 援:こわれ者の祭典実行委員会 生き様発表会
お問い合わせ:有限会社ナマラエンターテイメント           
TEL 025-222-1125 E-mail office@namara.tv

6月 9日(火)新潟県新潟市総合福祉会館 視聴覚室 「はぐれ者の祭典」
新潟市中央区八千代1丁目3番1号)025-243-4366
新潟市で「はぐれ者」として個性的なパフォーマンスを繰り広げる者どもの祭典。
特別ゲストAKIRA(栃木県日光市・歌手・アーティスト)ピアニストnori。
開場18:30 開演19:00(20:30終了予定)
出演:月乃光司・木林おず(予定)・アイコ・松崎友紀(ダンサー)・AKIRA(特別ゲスト)
参加費:500円(当日のみ)
問い合わせ:TEL 070-6666-9940(はぐれ者実行委員会)

6月11日(木)新潟県新潟市 子育て支援「ドリームハウス」にてチャリティーライブ
ピアニスト:nori

6月12日(金)新潟県新潟市 「喫茶TEN」にてAKIRA自伝オペラ・ライブ
新潟県新潟市中央区白山浦1丁目613-3渡辺ビル(地図) 電話:025-266-4121
開場18:00 開演19:00 チケット2000円 限定30名完全予約制:電話090-2653-6716(担当みっちー)
ピアニスト:nori(from 名古屋)。パーカッション:ジョニー(from 北海道)。

6月14日(日)新潟県新潟市総合福祉会館(地図) プレールーム  Mrピーンの自伝オペラライブ
重い脳性まひを抱えながらも、明るくたくましく生き抜くMrピーン。名古屋から天才ピアニストnoriをむかえAKIRAの歌とMrピーンの語りによる愛と感動のオペラ。
17:30開場 18:00開演 入場無料 (新潟市地域補助事業)

6月20日(土)栃木県宇都宮市「護国会館」にてソロライブ
開場16:30 開演17:30 チケット¥2000
栃木県宇都宮市陽西1-37 護国会館(地図) 電話028(622)3180
宇都宮駅からバス・タクシーで15分。バスはJR宇都宮駅から作新学院行きが15分間隔で出ています。 駐車場は300台くらい置けます。
予約:yako97@nifty.com(携帯転送)。問い合わせ:090-3242-4190(矢古宇まで)

6月21日(日)栃木県宇都宮市「キャンドル雷都」イベントにてライブ
栃木県宇都宮市江野町8-3 オリオン通り「オリオンスクエアー」(地図
イベントは10時~21時まで。AKIRAのステージは2回あります。(時間がわかり次第お知らせします)

7月1日(水)~7月13日(月)小笠原父島ライブツアー

7月17日(金)名古屋「Tribal Arts」(トライバルアーツ)
名古屋市天白区中平一丁目501番地 TEL 052-848-3433

7月19日(日)京都ライブ予定

7月20日(月、休日)京都「Acorn's Village(エイコンズビレッジ)」にてライブ
〒603‐8233 京都市北区紫野西野町49(地図) ℡&ファックス 075‐493‐2983

7月21日(火)神戸「キテン」ソロライブ
開場19:00 開演20:00 チケット1500円+1ドリンク。
神戸市中央区中山手通1-23-10(地図) ℡078-222-9393

7月22日(水、皆既日食)大阪緑橋「セブンデイズ」にてソロライブ
大阪市東成区東中本1-15-12 プレミアビル1,2階(地図)TEL&FAX:06-6977-5001
開場18:00 開演19:30 ゲスト:大倉朋子

7月24日~26日香川県小豆島「げんきのたね夢楽」にてライブ&いろんなワークショップ

7月29日(水)広島県原田にてソロライブ

7月30日(木)広島県呉市「night cafe RAZZ」にて「てっちゃん命日」ライブ
呉市中通り4丁目3-19-2F左ドア Tel.0823-25-7810
開場20:00 開演21:00 チケット1500円+1ドリンク(前回の呉ライブのブログ

7月31日(金)広島市「フライングキッズ」にてソロライブ
広島市中区鉄砲町8-24 にしたやビル2F (地図) 電話 082-224-4692

8月1日(土)山口県にてソロライブ

8月10日(月)長野県野尻湖「縷衣香邸蚊帳イベント」にてライブ予定
13:00から翌日の10:00まで。参加費2000円。
アーティスト縷衣香の巨大蚊帳(6mX8m)でみんなで星空をみあげながら眠るイベント+AKIRAライブ。(寝袋持参)
テーマは「9.11で崩壊した世界を8.11神山で祈りによって再生したい」(縷衣香)

※北海道ツアーの現時点ブッキング

8月15日 アイヌモシリ一万年祭(予定)

8月16日 札幌郊外由仁:AKIRA with Johnny

8月19日(水)札幌市モエレ公園ガラスのピラミッドにて「AKIRA生誕50周年記念ライブ」(北海道新聞

8月20日 当別町コミュニティーセンター。当別町町民企画。AKIRA with Johnny

8月21日 札幌プライベートライブ 福祉作業所。AKIRA with Johnny

8月22日 帯広 昼の部プライベートライブ。
夜の部 帯広市大空町「サラダ館」 
帯広市西22南6-6-2  TEL:0155-36-8095 料金 ¥2,000
AKIRA with Johnny。企画 megu 主催:mother Jane & Sisuter NICO

8月23日 旭川滝上町 サマーキャンプライブ予定 AKIRA with Johnny。

8月28日 当別町「孝勝寺」ライブ。AKIRA with Johnny

10月3日(土)宮崎ライブ予定。

10月沖縄ツアー予定。