本土上陸&キャンプライブ | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

8月23日(土)
25時間の航行を終え、午後3時30分、東京竹芝桟橋に到着した。
よかったー、これで今日のライブに間に合う。
それにしても、東京、さぶい。
しかも小雨が降っている。皮のむけはじめた黒い肌をコットンセーターにつつみ、いきなりの秋支度である。
その足で山手線から中央線に乗り、立川、高尾で乗り換え、相模湖で降り、迎えにきてくれた主催者環樹さんたちと相模湖キャンプ場に到着した。
ひっろー!
相模湖畔の広大な敷地には銀色のテントが宇宙コロニーのごとくならんでいる。この雨にもかかわらず夏休みなので家族連れや子供たちも多い。
火起こし係りのジョニーさんがバーベキューを仕切っている。名古屋のノリちゃん、MP(ミッションポジティブ)のスタッフをはじめ、15人ほどの友人が集まっていた。
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「うわー、アキラさんがコギャルになった!」
みんなオレの日焼けに驚く。
080823akiramukemuke.jpgムキムキマンならぬ、ムケムケマン。

焼肉や焼きそばのバーベキューで腹ごしらえすると、夜の遊園地に移動する。
おおー、いいじゃんいいじゃん、これがライブの会場なのね。
いきなりハッピーバースデイが歌われる。そうか今日のライブはオレの誕生日を祝ってくれるためだったのね。
いきなりジョニーさんがオレの顔めがけてケーキをぶつける。
080823akiracake.jpgこ、この顔怖い!

アイヌモシリ一万年祭でランディさんや在るさんとやって以来だ(2002年当時の写真)。ありがたい。恩はケーキで返す。オレもみんなの顔にケーキをぶつける。みんなの顔が生クリームまみれになり、腹を抱えて笑った。
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これってぶつけ合うのは楽しいんだけど、生クリームの匂いがなかなか消えないのよね。鼻の中にはいったりすると、ずっと乳臭いのだ。ジョニーさんいわく「これは獣の臭いだ」という。
ピアノのノリちゃんはピアニカを買ってきた。これがまたカッコいいグルーブを生み出すのよね。
AKIRAライブを見慣れた常連なので、今日しか見られない超レアなライブをすることにした。
まずはじゃんけんで勝った人にリクエストしてもらい、さまざまなリズムに変えて演奏する。

1、 Born to love(ボサノヴァ・バージョン)
2、 家族(ロックンロール・バージョン)
3、 ぼくの居場所(バラード・バージョン)
4、 雲のうえはいつも晴れだから(レゲエ・バージョン)
5、 alone(ボサノヴァ・バージョン)

パトーロールの警備員がやってきて、近くのテントから苦情がはいったという。
ちょうど「alone」の「ぼくの前をゆくなーぼくは従わないー」と歌っていたときなので、みんな爆笑である。ジョニーさんの腕に入った「alone is not lonely」という刺青は、「ムショにはいれば仲間がいっぱいいるから淋しくない」という意味だったのか?!
今日は善良な日本国民として早めに切り上げた。
真夏のキャンプといえば、怪談である。
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ジョニーさんが20歳のころ、仲間4人で炭鉱が廃坑になった町の病院の廃墟に忍びこんだ。そのときはなにも起こらなかった。しかしいっしょにいった友人たちが、数ヶ月以内にひとりが片足切断、ひとりが目に棒が刺さる、ひとりが交通事故にあった。つぎはジョニーさんだとビビっていた。ある日ジョニーさんが写真を撮ったら部屋中の天井からたくさんの手が写っていた。ジョニーさんは恐怖におびえ、東京に移住した。そのせいかジョニーさんにはなにも起こらなかったという。
オレはまったく正反対の説を唱えてみた。
友人たちの事故は、さらに大きな災害を未然に防ぐための警告だったのではないか?
写真に写ったたくさんの手は逆にジョニーさんを守る手だったのではないか?
もちろんその説が真実かどうかはわからない。
大切なのは、「自分が世界を選び取る」という姿勢だ。
自分がいちばん心地よい世界を選べばいい。死者に対して、恐怖やより感謝、怨念より愛を感じられる世界観をオレは選ぶ。
そんな怪談話をしていたら、やっぱ死者たちが喜んで集まってきちゃったよ。
これ見て。
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でたな、満月マン!
真ん中にオレンジ色の光が、しかも人の前にあるではないの!
小さなオーブ(白光現象)もいくつか写っているのはめずらしくないが、満月マンはありえない心霊写真でしょう!!
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オレたちは前後の写真を見直したり、原因を探ったがわからなかった。こんな光るものも反射するものも誰ももっていないのに、ありえねーのよ、この光。
環樹さんの死んだお兄さん説、ジョニーさんのお母さん説、ヒロミちゃんや梅ちゃん説、うちの両親説などいろいろでたが、「とりあえずこれは、月がでたでた~という死者たちの陽気なメッセージだろう」と解釈した。

小笠原で新しい友人たちに誕生日を祝ってもらい、相模湖で親しい友人たちや死者たちにまで祝ってもらえるなんて、本当に幸せなことだ。
オレは49歳の誕生日を乳臭い香りとともに思い出すだろう。
環樹さん、ジョニーさん、のりちゃん、きよみ、こーち、マキン、さゆ、とも、ともお、まめ、ひで、かつ、カルロス、えいちゃん、満月マン、爆笑の思い出をありがとう!
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