江戸の下町、北千住っていいなあ。
西口を出て左手の飲み屋街は細い路地でつながり、渋い飲み屋が軒を連ねている。COSMIC SOULの１階にある惣菜や「かざま」はメンチ６０円、ハンバーグ８０円という安さでいつも混みあっている。
左上にCOSMIC SOULの黄色い看板がある。I have a dream! オレには夢があった。「今度北千住きたら絶対に食ってやる！」と心に決めていたものがある。ずっと気になっていた数軒となりのレストラン「あわや」のシャリアピンステーキだあ。ほかのメニューは800円くらいのＢ級グルメだが、シャリアピンステーキだけは2200円もするので、何度も涙を飲んでいた。
で、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、チャレンジしましたー！
見るからに魅力的な店構えステーキ一面にすりおろしたタマネギがかかっている。歯ごたえのある肉感とジューシーな秘伝のソースが胃袋に投げ込んでくる剛速球にノックアウトされる。
このどしゃ降りのなかをきてくれた人はラッキーだったね。
前日を上回るくらいの感動とエンターテイメント、出演者もお客さんも一体となって盛り上がったからなあ。
オレの前座ステージは昨日の「演歌特集」につづいて、「隠れた名曲特集」をやった。
１軍選手（いつも歌う歌）があまりに強力なので、２軍選手の出番がない。しかし彼らもほかのチームにいったらまちがいなく１軍選手の実力なのだ。
超レアなネクタイ姿 photo by HIRO１、老人と海
２、海はひろいな
３、限界
４、イジメ
５、生きてるって叫べ
６、シャンティー（ハング：こうぢ）
謎の円盤ハング photo by HIROあみだクジで順番を決め、ではいよいよ「AKIRA歌のど自慢」最終日、エントリー歌手の登場です。
COSMIC SOULのオーナーこうぢは、得意のホーメイを聴かせてくれたあとに「今日は死ぬのにもってこいの日だ」を歌った。観客を圧倒する声量と繊細な歌詞の理解は、まさに「魔法ののどを持つ男」の実力だった。
宮古島ネーネーズは美しいピアノのカラオケで「Hello my mom!」を歌う。観客全員で教わった手話をそえる感動のステージだ。会場に来ていたこうぢのお母さんは「この人たち、最高！」と絶賛していた。
小指の手話はお母さんの意味。photo by HIRO群馬桐生からきたエスパー菊の登場に会場が沸く。美容師である菊ちゃんは完璧なドレッドウイッグをつくり、AKIRAになりきっている。しかも「背中」はオレの歌い方まで模写するという演出に、ギターの伴奏をしていたオレはおかしくてしょうがなかった。
クローンAKIRA photo by HIROさらにミスタースリムの登場で会場は笑いのるつぼにほおりこまれる。「ミスタースリム」ってメタボのヒロちゃんじゃないの（笑）！ ヒロちゃんは湘南で伝説のダイバーだったが、引退後はぽっこりおなかが出てきた。ん、なんかこのドレッド変？ 帽子からさがるドレッドはなんと海苔でできているではないの。電話帳を譜面台に置き「マヨネーズと電話帳」を熱唱する。「まさか本当に電話帳を食うのか！？」観客がドキドキしながら見ていると、四角くて黄色いものを取り出してくいはじめた。表紙にはタウンページのイラストまで描かれている。なんとこれはスポンジケーキを圧縮し、タウンページの表紙をオブラートに印刷して貼りつけたアート作品なのであった。朝練習にこのなんちゃってタウンページを３個も食べてきたという。「ここまでやるかあ！！」という驚きに会場は万来の拍手である。
どんな生物よ、海苔星人！トリは埼玉からやってきた夫婦茶碗こと、エツ＆トシである。彼らの結婚式にオレは肖像画を描いたので、それを思い出した観客は「うわー、あの夫婦だあー」と驚いている。（その肖像画が見られるブログ）しかも「ぬちどぅ宝」を歌うエツの美しいボーカルとトシのギターとコーラスは魂をふるわせるほどの実力派だ。会場はシーンと静まり返り、彼らの歌に酔いしれていた。
これぞ名唱！ photo by HIRO採点表を集め、集計の間にオレがその５曲を歌う。トシのリードギターとこうぢのパーカッションもつく豪華版だ。しかしオレの脳裏には、彼らの強烈なパフォーマンスが残っているため、歌いづらい。とくに「マヨネーズと電話帳」なんか海苔星人の顔が浮かび転調がわかんなくなっちゃったじゃねえかよ。もう本人が「おみそれしました」というほど、すごい芸術だったのだ。
ではでは待望の結果発表です。
銅メダルは、宮古島ネーネーズことタマちゃん＆むっちゃんの「Hello my mom!」（116点）、
銀メダルは、ミスタースリムことヒロちゃんの「マヨネーズと電話帳」（122点）、
そして見事金メダルに輝いたのは、夫婦茶碗ことエツ＆トシの「ぬちどぅ宝」（127点）だあー！
「背中」の菊ちゃん（114点）、「今日は死ぬのにもってこいの日だ」こうぢ（101点）も大健闘だった。
じっくり聴かせる歌あり、感動の手話あり、物まねあり、オリジナルアレンジあり、アートパフォーマンスありと、じつに見ごたえたっぷりの歌謡ショーだった。
大好評だったので、COSMIC SOULのこうぢと「つぎは冬至にやるか」とか、「大晦日に紅白AKIRA歌合戦」にするかなどと盛り上がった。
スタッフで絵描きのリエコ、清水君、おいしい差し入れをくれたこうぢママ、すばらしいパフォーマンスを披露してくれた出演者のみなさん、出演者より盛り上がってくれた観客のみなさん、ほんとにありがとう！ 次回はさらにグレードアップしてるだろう。うひひ。
※この２日間を録音したＣＤ（１枚1500円）を希望の方は「COSMIC SOUL」へメール（cosmic@jade.plala.or.jp）か、電話03-3882-7050（夜のみ）してください。