野澤家の幽霊と長岡ライブ | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

いやいや、おまたせしました。
連日のライブ&打ち上げでブログがかけなかったのよ。
おまけに新潟市内にマンガ喫茶が少なくて、アップもできない。
これから日を追ってレポートしていきます。

5月29日(木)長岡ライブ
友人マコトとマサの結婚式が明日あるが、新潟ツアーなので出席できない。
マイコがビデオを撮影にきたので、「Beautiful」、そして「Happy birthday」を「Happy wedding」に変えて歌った。
撮影後、すぐリュウの車で群馬県沼田にむかう。

友人の野澤監督が沼田インターチェンジで待っていて、人質を引きわたすように車を乗り換える。
野澤さんは映画「HARUKO」や「マリアのへそ」の監督である。5年前に父親をガンで亡くし,今回はお母さんが倒れ、植物人間状態で新潟県の病院に入院している。
「18歳のときから家をはなれ、親不孝してきたから」と、野澤さんはテレビの仕事などをいっさい休止し、南魚沼市の実家にもどり、誰もいない家から母親のいる病院へとかよっている。
野澤さんは田んぼの中にある実家へオレを泊めてくれた。
080530野澤監督野澤監督と大工の父親が作ったという実家

「じつは、毎晩のようにでるんだ」
野澤さんの目はなにかにおびえている。
「でるって、なにが?」オレが聞く。
「おやじとおふくろの幽霊が」
「だっておふくろさんはまだ生きてるじゃないですか」
「もう半年以上意識はないからね。半分生き霊みたいなもんさ。毎晩きまって3時ごろ、どちらかがあらわれるんだ。いったいなにをしてほしいんだ? ってたずねても、なにも答えない。これはどういうメッセージなんだろう?」
野澤さんはけっしてオレを怖がらせようとして言っているんじゃないのが、真剣な目からわかった。
野澤さんのテーブルには、風邪薬、頭痛薬、胃腸薬、疲労回復薬などが置いてある。精神的にかなりまいっているようだ。
「アキラ、もし幽霊が出たら、このマスクをするといい」
「えー、幽霊退治にマスクが効くんですか?」
「うん、呼吸が楽になる」
わけのわからん理屈だが、かえってリアルだなあ。
地元の銘酒「八海山」を飲み、野澤監督は窪塚洋介主演で「COTTON100%」を映画にしよう! と本気で盛り上がり、オレはかなりビビりながら眠りについた。
パキッ、ガタガタッ!
夜中に何度か家鳴りがする。むむ、ラップ現象か?
怖いので目を開けなかったら、92歳で亡くなった祖父の夢を見た。
夢の中でオレがなにかを問いただしている。
おそらく祖父の代から80年住んだ家を立ち退くことを言っていたのかもしれない。
祖父はにこにこ笑いながら、うんうんとうなずいている。
オレがこんな生き方をしてていいのか、とたずねた。
またもや祖父はにこにこ笑いながら、うんうんとうなずいている。
むむ、祖父のほかに誰かいるぞ。
そう思ったとたん、目が覚めた。
でも怖くて目が開けられない。
たぶんこれが野澤さんの両親だと、直感した。
しかしなんだか好意的な感じがする。
言葉にはしなかったが、オレはこんな風に感じた。
「あいつは(野澤さん)自分で作り出した罪悪感におびえて、困ったもんじゃ。あんたからこう伝えてやってくれんか。だいじょうぶ、だいじょうぶ、そのままでいい。おまえが信じることをやっていけばいいんだよってな」
翌朝起きて野澤さんにたずねた。
「昨夜もでましたか?」
「それがめずらしく、ぐっすり眠れた」
「でしょう? だってオレのほうに出たんだから」
「おおうっ、そっちに出たか! で、怖かっただろう?」
「それがなんか好意的だったような気がしました」
「こ、好意的な幽霊なんかいるのか!?」
「もちろんいますよ。つーかほんとは好意的じゃない幽霊なんかいないんです。もちろん野澤さんの両親もそうです。オレの独断と偏見で野澤さんの両親の言葉を翻訳します。野澤さんという表現手段をもった息子をとおして、たとえば……家族や人が愛し合うこと、助け合うこと、分かち合うことの大切さを伝えたいんじゃないかな」
野澤さんは朝から涙目で真剣にうなずいてる。
「アキラは、アマゾンで修行しただけあって、シャーマンだな。オーラの泉に対抗する番組つくるか?」
「いいえそれより、COTTON100%の映画をつくってください」

野澤監督の車で南魚沼市から長岡へむかう。
ライブ会場でユウスケと妹のカナ、カナの彼氏ユーキャンが迎えてくれる。今日はユーキャンの写真展とのコラボライブである。
ユーキャンの作品は天井の枝から麻紐で吊るされていて、なかなか素敵なインスタレーションになっている。
080530ユーキャン1

初個展なのに、ユーキャンやるじゃん。
ユーキャンの友人たちやユウスケ・ファミリーが集まってきた。いいね、いいね、まさに家族ライブという雰囲気だ。
しかしユーキャンはちょっと緊張している。それもそのはず、ユウスケ・ファミリーというのは、ユーキャンの彼女であるカナの両親だ。とくにお父さんにとって娘の恋人というのは心理学的にいっても宿敵である。

1、Walking in the rain
2、たったひとつの命
3,愛のカタチ
4,だいじょうぶマイフレンド
5,祝福の歌
6,パズル

震災にあった小千谷を盛り上げるイベントを主催している細海さんと話した。2年前、震災直後の小千谷にはいろうとした道路が寸断されてはいれなかった風景が突然迫ってくる。
「8月30日(土)に小千谷で秋祭りがあるんですけど、出演してください」
おおー、ついに準備が整ったんだな。

出会いはおたがいの準備ができてはじめて許される。

今年アジア旅行から帰国してすぐの2月、今回の6月に新潟の呼ばれた。そしてまた8月って、ペース早すぎじゃねえの! って感じで、今年3回目の新潟ツアーが決まってしまった。(8月31日~9月5日まで新潟滞在予定なので、期間中はどんどんライブをいれてください)
オレのなかでは、北海道、沖縄、新潟というゴールデントライアングルだな。「こわれ者の祭典」といい、なぜか新潟に縁がある。
日本列島の肩甲骨にあたる新潟ってツボはなんなのよ!?

まったりといい雰囲気で後半がはじまる。

7,ソウルメイト
8,背中
9,Hello my mom!
10、Life is beautiful
11、家族
12、「アジアの落ちる」朗読(ユウスケ:ギター)
13、旅立ちの歌(アンコール。ユウスケ:ギター&ボーカル)
080530ユーキャン2

「タイにいって俳優になる」という無謀な宣言をしたユウスケに「旅立ちの歌」を捧げた。
ユウスケのボーカルもいいねえ。お父さんは息子の歌に惚れ惚れである。
「ところでどうですかお父さん、娘の恋人ユーキャンの写真は? これなんかカワイイでしょ?」
「いや、カワイくないな」
会場から爆笑が起こる。お父さんはあせって弁明する。
「いや、そういう意味じゃないんだ。作品として、これはカワイくないなと」
カナの友人からツッコミがはいる。
「そういうお父さんがカワイイ!」
もしオレが結婚して娘ができて、その恋人の写真展にいったら、
……ぜんぶ破り捨ててやる!!

※6月7日(土) 新宿歌舞伎町ルイードのロックフェスの応援よろしくお願いします!
★200万人以上の熱気に包まれた伝説のライブハウス「ルイード」での新宿ロックフェスティバルですよー!
080607ルイード

全国から選び抜かれた今もっとも熱いバンドたちに、たったひとりで挑みます。吉岡一門と戦う宮本武蔵の覚悟なので、ひとりでも応援団よろしくお願いしまっす!!(……ほんとは心細いのよ)
前売り予約は6月5日までにAKIRAまで直接メールください。入り口で「AKIRA応援団に前売り予約した○○です」と伝えればOKです。
akiramaniacom@yahoo.co.jp
6月7日(土) 新宿歌舞伎町ルイードK4
〒160-0021 新宿区 歌舞伎町 1-2-13 新光ビルB2(地図
電話問い合わせ:03 5292 5125
OPEN 15:00 / START 15:30(オールナイト イベント。AKIRA出演は17時~)
ADV:3,000(D別) / DOOR:3,500(D別)
出演:AKIRA / Soul吉木&Soul Mate / 乙女座 / クッキーサトナカ&ヘンデルとグレーテル/ Bummer Struck / T04E / crageon / バーズランド / 新宿スリム/カツミブラザーズバンド / フルハウス