2018年4月21日から、東映特撮YouTubeOfficialで、「仮面ライダー」が配信され、毎週見ている。
「仮面ライダー」は、本放送時、見ていたのは間違いない。
ただ、2号編と新1号編を見ていた記憶はあるが、旧1号編を見ていたかどうかの記憶はない。
蜘蛛男とかは知っているし、蝙蝠男が女(たぶんルリ子)と一緒に写っているめんこが、すごく怖かった。
旧1号は、オートバイに乗っていると変身する(風力エネルギーを受けると変身するという認識はなかった)と思っていて、マスクが地味だなという印象を持っていた。
感覚としては、最初は今(2号編)とは違っていたんだという、過去のものという感じだった。
その後、再放送で見たかどうかは記憶がないが、第1話と第2話は、近年、東映チャンネルで見ている。
ということで、藤岡氏が怪我のため降板して、2号編が始まったとか経緯は知っているけれど、実質、初めて見る感覚であった。
ただ、何故か、上記写真の書籍を持っていて、なんとなくストーリーは知っていた(本郷の友人がさそり男とか再生怪人とトカゲロンが共闘するとか)。
今回見て、旧1号編を神格視する人たちがいるのを理解できた気がした。
藤岡弘、氏の魅力、ストーリーの展開、暗く異様な雰囲気など、画面に引き込まれるものがあった。
ストーリー展開上の矛盾を感じることはあったが、それ以上に、作品から様々な思いが感じられた。
いろいろ粗もあるのだが、それを補って余る熱気と勢いがある。
第9話以降、アフレコが藤岡氏でなくなり、第11話以降は、藤岡氏は以前のフィルムの流用での出演になる。
今見ると、確かに不自然さはある。
しかし、藤岡氏不在の中で、いかにそれを感じさせずに作劇するかという、懸命な姿が感じられる。
子どもの時は、本郷猛よりも一文字隼人の方が好きだった。
しかし、旧1号編を見て、藤岡氏の魅力に取りつかれてしまった。
改造人間としての悲哀を感じさせ、それでいてかっこいい。
藤岡氏は、変身後のライダーもバイクシーンも自分で演じていた。
まさに、仮面ライダーそのものであった。
さらに、主題歌まで歌っている。
主題歌は、藤浩一(子門真人)氏の方がなじみがあるが、藤岡氏版は味わいがある。
「レッツゴー!」ってところがいい。
ただ、バイクシーンを自分で演じていたことが、降板する事故につながってしまう。
事故によって、藤岡氏の出演が不可能になったため、番組をどうするかという点については、いろいろな意見が出されたという。
結局、ショッカーを追って、本郷はヨーロッパに行き、2号ライダーが新たに登場するという平山亨氏の案が採用された。
代役というのは、白鳥さおりや雪絵の時に感じたが、本当に違和感があるし、その作品世界が嘘くさくなる。
本郷が死亡したいうのは、藤岡氏の復帰ができなくなる。
そこまで考えて、自分の案を推した平山氏の功績は大きい。
平山氏は、菅田俊氏との関わりなど、本当に素晴らしい人である。
結果的に、仮面ライダーがシリーズとして、現在まで続いているのは、平山氏の英断があったからだと言える。
「ウルトラマン」は、制作が放送に間に合わず、39話で終了になった。
制作が可能であったら、あのまま続いていたという。
そうしたら、その後のウルトラシリーズはなかったかもしれない。
「仮面ライダー」も、藤岡氏の事故がなければ、旧1号のまま、あの路線で続いていたはずである。
そうなっていたら、2号ライダーも誕生せず、シリーズ化されなかったかもしれない。
様々な偶然が、今の特撮シーンを作っている。
旧1号編で、本郷猛に優るとも劣らない魅力を持ったキャラクターが、緑川ルリ子である。
当初は父を殺した犯人と疑っていたものの、誤解が解けてからの本郷を想う彼女の姿は、本当に美しかった。
時に、本郷を助ける行動的な姿もあった。
なお、本郷は、第7話で、ルリ子に正体を知られたくないため、目の前で変身しない。
結局、最後まで、ルリ子が、本郷が仮面ライダーだと知っているかどうかの言及はなかったが、おそらく気づいていたんだと思う。
ルリ子は、本郷を追ってヨーロッパに行き、本郷が日本に復帰した時に、戻ってこなかった。
その経緯は、平山氏によって、上記写真の書籍で、小説にされている。
演じた真樹千恵子さんは、森川千恵子と改名して、「アイアンキング」に出演している。
「アイアンキング」では、イメージが違っていて、同じ女優さんだとずっと知らなかった。
個人的には、緑川ルリ子の方が好きである。
旧1号編が終了して、引き続き、2号編を見ている。
確かに、子どもにとっては、不気味で恐怖を感じる旧1号編よりも、2号編の方が支持されるのもわかるし、だからこそ、あそこまで人気を得られたのだと思う。
ひろみが完全に浮いていて、ルリ子さんは、ヨーロッパに行って正解だったと感じる。
正直、現在の自分は、旧1号編の雰囲気が懐かしい。
13話、実質10話というのは短すぎた。
もっと見たかった。
あのまま続いていたらと思う。
ただ、13話だからこそ、旧1号編が特別な存在になっているとも言える。
今さらながら、旧1号編の魅力に触れられて、本当によかったと思っている。