「科学戦隊ダイナマン」は、昭和58年から59年に放映された戦隊シリーズ第7作目(当時の位置づけとしては第5作目)である。
「ダイナマン」を最初に見たのは、昭和59年か60年頃の夕方の再放送である。
「ゴーグルⅤ」の再放送を見ていて、続けてそのまま見た。
ただ、当時はビデオデッキを持っていなかったので、全話は見ていない。
「バイオマン」(ただし途中話数まで)と併録で、ファンコレ(No.37)が発売され、それは購入した。
「バイオマン」が途中話数までというのは、ファンコレに「保存用決定版!」を求めていた自分にとって、中途半端で許せないものであった。
ファンコレを読んだことで、見ていなかった話も含め、「ダイナマン」については、ほぼ知ることができた。
その後は再放送もなく、DVDをレンタルすることもなく、未見のままであった。
昨年末から、東映特撮YouTubeOfficialで配信され、初めて全話を見た。
配信期間は、2017年12月2日から2018年6月2日である。
「ダイナマン」の再放送を見ていた頃、「バイオマン」の本放送を見て、初めて戦隊シリーズの面白さを知った。
「バイオマン」は、それまでの戦隊シリーズからの脱却を図った作品であり、様々な部分を変えようとしていた。
そのため、当時の自分は、いわゆる今までの戦隊シリーズである「ダイナマン」には、変革前の作品という印象を持っていた。
同じ変革前の戦隊シリーズである「ゴーグルⅤ」は、何も考えずに見て爽快感を感じるという点で、矛盾するようだが、好きだった。
そういう意味で、「ダイナマン」は、「バイオマン」ほど特撮マニアに訴える要素がない昔の戦隊で、「ゴーグルⅤ」ほど振りきれていない感があるという位置づけであった。
その後の「チェンジマン」、「フラッシュマン」も好きだった自分にとって、「ダイナマン」は、長らく、戦隊シリーズの中で一番下位に属する作品であった。
今回、初めて全話見て、やはり「バイオマン」以降の3作品には、ストーリー面で及ばないし、「ゴーグルⅤ」の方が自分は好きであるという感覚も変わらなかった。
ただ、再放送を見ていた時も思ったが、メギドが千年洞窟に落とされ、ダークナイトの登場、ゼノビアの策略、夢野博士の秘密というラストまでのストーリーは、「ゴーグルⅤ」を超えていたと思う。
特に、ダークナイトは本当にかっこいいし、正体が謎ということもあり(再放送時は、先にファンコレを読んで知っていた気がする)、魅力的なキャラクターになっていた。
また、スーパーダイナマイトがメカシンカには効かず、新必殺技を求めて模索するストーリーは、
・敵がパワーアップしたのが明確である、
・新必殺技を身につけるまでの過程の困難さ、心情の表現がしっかりと描かれている
という点で、「ゴーグルⅤ」より惹きこまれるものがあった。
ダイナマンのリーダー弾北斗は、赤間よりもコミカルキャラになっている。
後半は、アクションもかなりこなしている。
剣を武器にするというのは、レッドらしかった。
星川竜は、忍者の末裔という設定だが、個人的には、知的な要素もある黒田官平の方が好きだった。
春田純一氏は、「ゴーグルⅤ」では、アクションを一手に引き受けているという感じだったが、「ダイナマン」では、JACの卯木浩二氏がブルーを演じ、弾もかなりアクションを演じていたため、突出感がなくなってしまったと思う。
南郷は、いいおちゃらけキャラだった。
立花レイは、萩原佐代子さんが演じている。
オープニングの着物姿がすごく魅力的である。
ユリアンの時は、垢抜けない感じだったが、すごく女性らしくなった感がある。
レー・ネフェルの時の妖艶さはまだなく、立花レイの時の萩原佐代子さんが、個人的には一番好きである。
敵は、有尾人一族ジャシンカ帝国。
隕石に付着していた生命体が、独自の進化を遂げた地底民族である。
尻尾の数が階級を決めるというのが、当時の自分にとってはなんだかなって感じがした。
ただ、最後に、10本尻尾になったゼノビアが死に、尻尾をすべて失ったメギドが、その実力で王になるというのはよかった。
ダークナイトは、デザインも謎めいたところも本当にかっこよかった。
最後に、ダークナイトの正体がメギドだとわかり、メギドに戻った途端に、ダークナイトの時の策略家的な部分がなくなり、元のお馬鹿なメギドになってしまったのは残念だった。
音楽は、渡辺宙明氏が宇宙刑事シリーズに専任になったため、京建輔氏が担当している。
「夢をかなえてダイナマン」と「待っていたんだダイナマン」は、いい曲だと思う。
「ゴーゴーダイナロボ」の間奏部分が、すごく好きだった。
「夢をかなえてダイナマン」は、「スーパーギャルズメモリー」というLPで、萩原佐代子さんが歌っているバージョンがすごく情感があっていい。
忘れていたけど、「アキバレンジャー シーズン痛」で、内田真礼さんがカバーしている。
今回、久しぶりに、「ダイナマン」を見た。
最初に見た時から、30年以上経ってしまった。
その間、ずっと戦隊シリーズを見てきて、自分の中に、「戦隊愛」も生まれたし、いろいろ寛容になったと思う。
名乗りも、最初は抵抗があったけど、今は何とも思わなくなった。
ロボ戦が、不思議時空のような怪しい空間なのも、今では懐かしささえ感じる。
あの頃の戦隊の勢いとかアクションは、いつのまにかなくなってしまったが、自分の中の感覚に合致するものがあった。
今回見て、そんなことを感じさせられた。