モブサイコ100について | 北条明の世界

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モブサイコ100

「モブサイコ100」は、2018年に放映された深夜ドラマである。

原作は、ONE氏の同名漫画。

監督=坂本浩一氏、主演=濱田龍臣氏と、「ウルトラマンジード」の監督、主演が、そのままスライドしてきている。

なお、テーマは、「特撮」ではなく、「深夜ドラマ」とした。

今回のブログは、ドラマ版について記載する。

 

「モブサイコ100」は、原作を読んだことはないが、2016年に放映されたアニメ版は、第1話だけ見た。

超能力ものが好きなので、それで見てみた。

自分は、アニメを全く見ないわけではなく、アニメのことを排斥しているわけでもないが、基本的に、実写の方が好きである。

アニメ版にはすごくはまった感がなくて、第2話以降は、結局見なかった。

今回、「ジード」の監督と主演コンビということもあり、第1話を録画して見てみた。

個人的に、ウルトラシリーズへの思い入れが強いこともあり、そのまま見ることにした。

 

今まで、「未来からの挑戦」、「七瀬ふたたび」、「禁じられたマリコ」、「サイバー美少女テロメア」、「NIGHT HEAD」、「エスパー魔美」、「みんな!エスパーだよ!」、「増山超能力師事務所」などを見てきた。

自分が、超能力ドラマに求める要素は、

1.主人公が自分の超能力に様々な思いを持っていること

2.超能力を悪用する(または超能力者を消滅させようとする)強大な敵対組織があり、主人公が戦うこと。

3.主人公とは違う超能力を持つ者が登場すること

4.シリアスに描くこと

である。

「モブサイコ100」は、描写はシリアスではないが、それ以外の上記3つの要素を備えている。

そういう超能力ものとしての面白さ(爪との決着がつくか、茂夫が自分の中の悩みにどう対処していくかなど)もあるが、何と言っても、個性的なキャラクターがこの作品の最大の魅力である。

 

茂夫は、自分の能力に対して実に謙虚であり、能力を持っていることにとまどいがある。

超能力以外の要素では、弟に劣っており、そのことで劣等感を感じている。

モテたい=ツボミに好意を持ってもらいたいというのが、最大の望みである。

ただし、性格はとてもピュアで、霊幻に絶大なる信頼を置いている。

そして、その能力は、桁外れに強い。

ピンチになってそれを乗り越えるというのも好きだが、圧倒的に強いというのは、それはそれでスカッとする。

偉そうな誇山を余裕で圧倒するところは、すごくかっこよかった。

濱田氏には、リクとは違う魅力があった。

 

零幻新隆は、霊能力なんてないのに、零とか相談所に来る客に適当こいている。

ただし、実際には、その多彩な技で、相談者の悩みを解決している。

以前、責任を押しつけられ会社を退職しているが、その当人をも許せる実は人格者である。

時給300円で茂夫をこき使っているように見えるが、茂夫に対して、
「超能力は人に向けない」など正しい生き方を知らせている。

途中から、爪のボスを匂わせる描写があったが、結局そうではなく、最終話では、茂夫の超能力を受け渡され、爪の第七支部長を倒す。

個人的には、最後まで正しい人でよかった。

最高に魅力的なキャラクターであり、波岡一喜氏も役に合っていたと思う。

 

影山律は、兄と逆で、頭もルックスもよく、ツボミにも慕われている。

しかし、実は、兄の超能力に対して、コンプレックスを持っていた。

お互いに、自分にはない相手にあるものを欲していたという対比の存在になっている。

最後は和解したのはよかった。

 

周囲のキャラクターでは、

花沢は、一度戦って敗れた相手と、その後共闘するというのが、王道のキャラクターという感じでよかったし、荒井敦史氏がすごくかっこよかった。

肉体改造部部長の郷田は、どんな奴でも受け容れられる本当にいい奴だった。

爪のメンバーは、それぞれに個性があり、敵として十分な存在感があった。

第七支部の支部長が、実は最初から出ていた○○…というのもよかった。

ただ、「みんな!エスパーだよ!」で、英雄役を演じていた鈴之助氏は、個人的には、英雄が悪のエスパーになってしまった感があった。

 

濱田氏、波岡氏以外にも、モモニンジャー、斬月、キョウリュウグリーン、トッキュウ6号、操くん、R0、ボウケンシルバーなど、出演している俳優が、特撮出身者が多いのは単純にうれしかった。

根岸拓哉氏は、ギンガとジードの共演という感じだったし(役はちょっと情けない役だったけど)、坂ノ上茜さんは、やっぱりすごくかわいかった。

 

エンディングは、茂夫や零幻、肉体改造部の日常を描いたもので、一本の作品って感じになっていて、なんかほんわかする感じがよかった。

曲の「愛は奇跡じゃない」は、すごくいい曲だし、映像にマッチしていた。

 

個人的には、完全にシリアスに描いて欲しいという思いはあるのだが、表現上はコメディチックでも、抑えるところはしっかりと抑えていて、超能力ドラマとして納得できる作品だったと思う。

ストーリー展開も、全12話をうまく配していた。

登場キャラクターの魅力とともに、いい奴でいることの大切さを感じさせてくれ、見終わった後に、爽やかさを感じられる作品であった。