ゴジラ×メカゴジラについて | 北条明の世界

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ゴジラ×メカゴジラ

「ゴジラ×メカゴジラ」は、2002年に公開された、ゴジラシリーズの第26作(アメリカ版除く)であり、ミレニアムシリーズの第4作である。

脚本は「VSメカゴジラ」の三村渉氏、監督は手塚昌明氏で、前々作「×メガギラス」のコンビである(前々作は柏原寛司氏との共同脚本)。

対G組織の女性隊員が主人公という点で、「×メガギラス」と設定が似通っている感がある。

なお、特美助手で、田口清隆氏が参加している。

公開時、映画館で見ていない。

たぶん、公開の翌年にテレビ放映したものを見たんだと思う。

 

2014年7月にBSプレミアム「プレミアムシネマ」で放送されたのを、4月29日に見た。

おそらくノーカット放送である。

今回のブログは、この放送を基に記載する。

 

この作品の世界観は、昭和29年のゴジラの出現後、生態系が崩れ、モスラ、ガイラが出現した世界となっている(ゴジラはその後は出現していない)。

メーサー殺獣光線車が開発されていて、1966年に特生(対特殊生物)自衛隊が組織されている。

また、ゴジラは、第1作では溶解消滅しているが、今作では芹沢博士の特殊兵器によって白骨化した設定になっている。

劇中、モスラとガイラが(ゴジラも)ライブフィルムでちゃんと登場するのが、わかってるなって感じである。

 

ストーリーは、4年前の1999年から始まる。

家城茜が操縦するメーサー殺獣光線車と同僚の車両が激突し、崖下に転落した車両は、ゴジラに踏みつぶされる。

責任を感じた家城は、資料課に転属する。

しかし、家城は、葛藤を抱えながらも、ゴジラの再来に備え、トレーニングを続けていた。

そして、初代ゴジラの骨格を基に、3式機龍が開発され、家城はオペレーターに任命される。

初戦で、ゴジラの咆哮の影響を受けた機龍は暴走する。

そして、改良された機龍は、ゴジラとの再戦に挑む。

しかし、遠隔操作システムが効かなくなり、家城は機龍に乗り込み、直接操縦する。

そして、ゴジラを撃退する。

 

今回のゴジラは、前々作同様、背びれが大きいデザインに戻っている。

そして作品内では、人類にとっての災厄(=倒す敵)に徹している。

ただ、ゴジラが出現した理由が引き上げられた初代ゴジラの骨に影響されたものであり、再び出現したのも機龍に引き寄せられたためであるという、初代ゴジラとの因縁を持っている。

また機龍も、ゴジラの咆哮に影響を受けている。

「ゴジラ×メカゴジラ」のタイトルが出る際に、最初、「機龍」をバックに、二段で「ゴジラ ゴジラ」と出て、その後「ゴジラ×メカゴジラ」となるが、ある意味、初代ゴジラ対2代目(この作品内での)ゴジラというのを象徴している。

 

3式機龍は、エネルギー供給の関係で、活動時間が2時間に制限されている。

ロケット弾、ミサイル、口からメーサー、手からレーザー(?)を発射し、接近戦用に手からナイフが出る。

必殺技は、絶対零度で敵を分解するアブソリュート・ゼロである。

基本は遠隔操縦で、しらさぎ3機で輸送されるが、再戦時は空中で切り離され、空を飛んでいた。

再戦時に、病院を襲撃しようとしていたゴジラを突き飛ばして登場するシーンがかっこよかった。

途中で、バックユニットを排除するが、この方が身軽でかっこいい。

個人的には、ソフビも持っていた初代メカゴジラが一番好きであるが、VSメカゴジラより、機龍の方が好きである。

なお、劇中では、機龍と呼称されているが、沙羅が「メカゴジラ」と最初に言い、父の湯原もそう呼んでいるが、なんか無理なく「メカゴジラ」の名称を出しているのはよかった。

 

この映画は、ゴジラと機龍の戦いの中で、主人公家城の心の動きを丁寧に描いている。

家城茜は、釈由美子さんが演じているが、とても魅力的なキャラクターになっている。

釈さんは、その後、「LOVE GAME」に氷室冴役で主演していて、個人的にすごく好きだった。

「LOVE GAME」より7年前なので、まだ初々しい感じである。

釈さんは、次作「東京SOS」にも家城茜役で出演し、昨年も、「関係者&ファン1万人がガチで投票! ゴジラ総選挙」に出演して、ゴジラ映画に出たことを大切にしてくれているのがすごくうれしい。

女優さんは、ゴジラ映画とかウルトラシリーズに出演したことをあまり公表したくない人もいるだろうから、土屋太鳳さんもそうだが、いつまでも役を大切にしていてくれるのは、特撮好きとしては、本当に感謝の気持ちでいっぱいである。

この映画でも、ゴジラ映画に出演歴のある水野久美氏と田中美里氏が

出演している。

 

湯原役の宅麻伸氏は、なんかとぼけた感じがよかった。

ただ、茜を食事を誘って、最後茜がそれに応えてしまうのは、ちょっと微妙な感じがした。

娘の沙羅も家城茜との関わりがよかった。

特撮関係では、サコミズ隊長の田中実氏、「ガイア」のジョジー、仮面ライダーギルス役の友井雄亮氏らが出演している。

 

音楽は、大島ミチル氏。

「ゴジラのテーマ」は使用されていないが、ゴジラ映画にふさわしい音楽という感じがした。

 

特撮は、CGが使用されているが、しらさぎ撃墜シーンは、CGだなって感じがした。

それ以外は、違和感なかった。

 

この作品を見て、自分は、ゴジラVS人類という構図が好きなんだというのを改めて感じた。

そういう意味で、人類の兵器としてのメカゴジラ戦というのは、他怪獣が絡まない純粋な人類との戦いとなる。

「VSメカゴジラ」は、ラドンを出したことで、その分、青木の描写が薄くなってしまい、ゴジラと戦う魅力あるキャラクターになりえてなかったと思う。

脚本家は同じ三村氏だが、今作の方が、ずっとストーリーもキャラクターの描写も格段にいい。

そして、やはり最大の魅力は、釈さん演じる家城茜の魅力に尽きると思う。

今作のゴジラが、「釈ゴジ」と言われるのもわかる気がする。

ゴジラが戦っている時、いつも、ゴジラに肩入れしながら見ているのだが、今回はそれがなく、家城に感情移入していた。

それがすべてを物語っていたと思う。