「ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」は、2001年に公開された、ゴジラシリーズの第25作(アメリカ版除く)であり、ミレニアムシリーズの第3作である。
監督は、平成ガメラシリーズの金子修介氏。
公開時、映画館で見ていない。
たぶん、公開の翌年にテレビ放映したものを見たんだと思う。
2014年7月にBSプレミアム「プレミアムシネマ」で放送されたのを、2017年6月に見た。
おそらくノーカット放送である。
今回のブログは、この放送を基に記載する。
ミレニアムシリーズは、作品ごとに世界観を変えているが、この作品も前2作とはつながりがない。
ストーリーは、「護国聖獣伝記」を追うBSテレビのリポーターとその父の防衛軍准将を軸に、ゴジラと護国聖獣の戦いを描いていく。
ゴジラは、白眼で、ミレニアムシリーズで大きくなった背びれが小さくなっている。
そして、何よりも、ゴジラの正体は、太平洋戦争の犠牲者の怨念の集合体であるという。
この設定が、正直、受け容れられなかった。
これでは、怪獣ではなくて、お化けである(ウルトラ怪獣にも戀鬼のようなのもいるが)。
白眼というのもなんか嫌だった。
自分の知っていたゴジラとは別物という感じがした。
ただ、ゴジラが放射能熱線を発射する時に、キノコ雲が出るのは、核のイメージを鮮明にしていた。
なお、1954年に出現したゴジラは、未知の化学物質で倒されたと立花が言っている。
護国聖獣は、モスラ、キングギドラ、バラゴンである。
それぞれ漢字名がついているが、インファント島出身や宇宙超怪獣が日本を守る怪獣というのにも違和感があった。
キングギドラは、昭和ゴジラシリーズでは、メカゴジラと並ぶ最大の悪の怪獣であり、正義がこれほど似合わない怪獣はいない(VSシリーズでは、メカキングギドラは正義の怪獣になっていたが)。
当初の案の通り、バランやアンギラスの方が、護国聖獣のイメージに合っていると思う。
ゴジラは、最後、体内に侵入された潜水艇にミサイルを撃ち込まれ、その後、吐いた放射能熱線が、その傷口から外に漏れ、爆発する。
ゴジラの倒し方として、今までにないものであった(ウルトラシリーズでは、怪獣の体内に入って中から爆発させるというのはよくあるが)。
しかし、最後、ゴジラの心臓らしきものが鼓動を続けていて、復活を示唆している。
音楽は、平成ガメラシリーズの大谷幸であるが、タイトルロールで、「ゴジラのテーマ」と「怪獣大戦争マーチ」が使用されている。
久しぶりに見たが、最初に見た時の印象は覆らなかった。
この作品は、ゴジラマニアの中では、評価が高い。
ゴジラが、殺戮を繰り返す恐怖の象徴として描かれ、そして強いということ、第1作目を意識した演出であることなどが理由なのだと思う。
しかし、昭和のチャンピオンまつりゴジラで育った自分には、やはり違和感を感じるゴジラ映画であった。