大戦隊ゴーグルファイブについて | 北条明の世界

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ゴーグルⅤ・ダイナマン・バイオマン大全

「大戦隊ゴーグルファイブ」は、昭和57年から58年に放映された戦隊シリーズ第6作目(当時の位置づけとしては第4作目)である。

 

以前も書いたが、自分が戦隊シリーズを見始めたのは、「バイオマン」の途中からである。

そして、それまで子ども向けで幼稚だと思っていた戦隊シリーズへの認識が変わり、現在まで、30年以上見続けている。

「バイオマン」を放映していた頃、夕方に、「ゴーグルⅤ(タイトルでは「ファイブ」となっているが、何故か「Ⅴ」の方がしっくりくるし、ずっと「ゴーグルⅤ」だと思っていた)」の再放送をしていて、それも合わせて見始めた。

今回再見して思い出したけれど、たぶん、「ブラック!大逆転」からだと思う。

「バイオマン」が好きだった自分からすると、大河ドラマ的な要素の少ないほぼ一話完結のストーリー、1人ずつの名乗り、明るい作風など、やっぱり戦隊シリーズって特撮ものの中では一段下という要素にあふれていたのだが、見ているうちに、それにもかかわらず、好きになっていった。

第46話からの最終決戦に向けての盛り上がりは、本当に面白かったし、真剣に見ていた。

その後は再放送もなく、DVDされたのも遅く、また未見の本数が多かったためレンタルするのも後回しとなり、未見のままであった。

ただ、冒頭の写真の書籍は購入した(「バイオマン」が載っているというのもあるが)。

ちなみに、当時の戦隊シリーズは、「デンジマン」から「フラッシュマン」まではファンコレ(ただし「バイオマン」は「ダイナマン」と一緒に一冊で、途中話数まで)が発行されているのだが、「ゴーグルⅤ」だけは未発行である。

そして、今年、東映特撮YouTubeOfficialで配信され、初めて全話を見た。

配信期間は、6月10日から12月2日である。

 

「ゴーグルⅤ」の最大の魅力は、そのテンポのよさである。

とにかく、ストーリー、アクションのテンポがよく、見ていて爽快感を感じる。

そして、渡辺宙明氏の音楽が、それに完璧に合っている。

毎回ほとんど同じパターンなのだが、何故か途中で飽きたり、だれたりしないし、30分間(正味25分くらいだが)が長く感じられない。

自分は、宇宙刑事シリーズの音楽は、「レーザーブレードのテーマ」など好きは好きだが、ものすごく好きってほどでもなかったので、あまり、渡辺宙明氏に対して強い思いを持っていなかった。

しかし、今回、「大鉄人17」と「ゴーグルⅤ」の音楽を聴いて、その思いを改めた。

主題歌は、オープニング曲もエンディング曲も名曲だし、挿入歌の「出撃!ゴーグルロボ」もロボの出撃にすごく合っている。

エンディングでは、いろいろな国で子どもを守るゴーグルⅤが描かれているが、世界規模で戦っている(第1話はドイツから始まっていたし)感じが感じられ、すごく好きである。

そして、挿入歌として何回も使用された「フラッシュ!ゴーグルⅤ」は、覚えていなかったけれど、本当にいい曲だと思う。

 

また、アクションは、何と言っても飛び降りであり、春田純一氏のすごさである。

体を張っているというのが、画面からひしひしと感じられる。

あと、今回見ていて気づいたのは、全員が同じ場所で戦闘をしていて、それをカメラのズームと移動で映し出しているシーンが多いことである。

今の目から見て、すごく新鮮だった。

 

「ゴーグルⅤ」は、とにかくメンバーが魅力的である。

赤間は、爽やかでかっこいいし頼りになる、とにかくリーダーらしいリーダーである。

再放送で見ていた時は、自分は、黒田官平の方が好きだったが、今回見て、甲乙つけがたい双璧の二人である。

JAC(当時)の春田氏は、変身後のブラックも演じ、とにかくアクションはすごいし、さらに頭もいい設定でキャラもかっこいい。

しかし、赤間は、黒田の実力は認めた上で、それでもやっぱりリーダーとしての立ち位置にいられるというのがすごいと思う。

第42話で、負傷した黒田の腕を、レッドルビー光線で治しているシーンにそれがよく表れていると思う。

個人的には、レッドはやっぱり普段から真面目で頼れるこの時代のレッド像の方が好きである。

赤間は、「チェンジマン」の剣と並ぶ好きなレッドである。

 

青山は、若さで、レッドとブラックとの差異を表している。

黄島は、単なる力持ちのおちゃらけキャラにとどまらず、聴力を活かしたり、父親との関係が描かれたり、魅力が醸し出されていた。

演じていた伍代参平氏は、「ブースカ」のチョロ吉役の藤江善幸氏である。

桃園ミキは、当時すごく人気があり、演じた大川めぐみ氏は、「宇宙船」の表紙モデルをしていた。

「スーパーギャルズ・コレクション’84」での彼女は、本当にかわいかった。

山本さゆり役の細矢智恵子さんは、今回見ていて気付いたんだけど、小学生の時に好きだった女の子に雰囲気が似ていて、なんか複雑な思いで見ていた。

本郷博士は、最初と最後しか出てなくて、途中から見ていた時は、なんだこの人って感じだったけど、今回見ていて、ストーリーがちゃんと最初から繋がっているとかゴーグルⅤが危機的状況というのを印象づけていて、すごく効果的だったと思うし、画面が引き締まっていた。

 

デスダークは、帰ってきたウルトラマンのスーツアクターのきくち英一氏が、あまり魅力を発揮できる前に処刑されたのが残念だった。

マズルカ役の吉田真弓氏は、最後デスダークに裏切られ、すごく劇的な死に方をし、最初に見た時もそれが一番印象に残っている。

 

今回見ていて気付いたポイントとしては、

第12話で、電子銀河切りの横切りバージョンが登場(この時だけ)。

第16話では、コングが出ない。

第19話で、ゴーグルサーベルがレーザーブレード状になる(スパークサーベル、強化版は電光サーベルと呼称されているらしい 第50話でも使用)。

第20話から、コング搭乗時でなく、モズーの再生時に、「リフレッシュパワー」と言うようになる。

第25話で、ロボから3機に分離して攻撃するトリプル攻撃を使用。

第30話で、全員で変身する際に、それまでは「ゴーグルレッド」と言っていたのを、「ゴーグルファイブ」と言っている。

黄金魔剣をゴーグルシャワーで破る。

ゴーグルシャワーは、それ以外の場面でも、最後の切り札として使用されていることが多く、最強の技という感じであった。

第33話で、ゴーグルビクトリーフラッシュが、トラモズーの腕輪の力のために効かなかった(2回目は腕輪の力を無力化して倒す)。

第34話で、ネオメタル金属原子で強化されたモズーに対し、ハイネオメタルのサーベルによるゴーグルゴールデンスピアを開発する。

ゴーグルサンダー初使用。

第38話から、電子銀河斬りは、レッドがレバーを操作して発動するようになった。

第42話から、ゴールデンスピアの発動が短縮された(第49話でさらに短縮)。

第45話で、ゴーグルブラックがバック転をすると黒田に戻る。

マダラ忍者が変身するデスダークファイブが登場。

 

最終盤は、第46話でデスダークが手に入れた超エネルギー体ハイトロンを使用し作られた物質移送マシンと最終兵器ダーク砲が、第47話で登場。

ハイトロンで強化されたゾウガメモズーも現れた。

第48話で、ダーク砲を破壊するものの、ハイトロンで透明化したマズルカに秘密基地を爆破される。

マズルカの最期は、可哀想だった。

第49話で、本郷博士が帰還し、第2の秘密基地へ移動する。

体内にハイトロンエネルギーを持つクマモズーが出現。

デスギラー将軍がリフレッシュパワーを浴びた後に、クマコングに乗り込む。

ダークビーム砲で、ハンドミサイル、ゴーグルスピンが破壊されてしまう。

そして第50話。

ダーク砲が再登場するも破壊される。

ゴールデンスピアの新技、スピア風車で暗黒剣を折ると、デスマルク大元帥は死亡。

暗黒科学が産み出した最高の遺伝子にして究極の遺伝子である総統タブーとの最終決戦。

ハイトロンエネルギーで巨大化した巨大タブーには、電子銀河斬りが効かない。

ここでなんと、新技、電子銀河ミサイルを使用、タブーを倒す。

スピード感満載の最終話で、定番の名乗りのシーンもなかった。

本当に怒涛の展開の最終5話は、息もつかせないほど惹きつけられた。

初めて見た時もそうだったけれど、今回久しぶりに見て、やっぱり最高に盛り上がる終盤だと思う。

 

「ゴーグルファイブ」は、レッドの立ち位置や明快な一話完結のストーリー、予算のかかっていない特撮、体を張ったアクションなど、今から見ると、本当に昭和の戦隊を体現している。

確かに、もう少し話に深みがあってもいいと思うが、戦いに悩むこともないヒーローらしいヒーローは、頼りがいがあるし、かっこいい。

単純明快なストーリーなのに、見た後に、爽快感と何故か暖かいものを感じる、「大戦隊ゴーグルファイブ」とは、そういう作品であった。