映画『みなさんさようなら』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

やり方は変えない

 

 

みなさん、さようなら


魅力的なオヤジだね。父も息子も。好色なコミュニストと知的なキャピタリスト。そんな親子関係の変化を描いていると思いきや、心境の変化はあんまり見えない。むしろそれぞれなりのやり方を曲げずに互いを思いやってるって関係が続いてる。やはり息子としては最後まで父を曲げたいのだろう。その経済力にモノを云わせ父に安楽を買ってやりたい。それで父を喜ばせられたならば彼の勝利なのだろう。一般論でも同姓の親子関係ってそーゆー認めさせてやりたいって感情が強くある。やたら時事が出るけどこの親子関係ってやっぱり東西冷戦を象徴しているのかな。

 

余命わずかと聞きつけて集まる古い友人を見ていると『五月のミル』を思い出す。死んだ後に来るか死ぬ前に来るかの差はあるけど、それぞれ全く気を使わないで自分勝手な事を云ってる様に見えて、辛気臭くしない相変わらずな自分を演じる。こーゆーユーモアがある友人達と最期までバカ云っていられたら理想的だと思う。最期位ヘロイン吸ってハメ外して思い出話に花を咲かせて馴染の顔と笑ってたい。これだけ幸せにしてもらっちゃ息子にお前は間違ってるって云ったら罰当りそう。