映画『モンスターヴァース5』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

古関裕而を使え

 

 

ゴジラxコング 新たなる帝国

 

反米コンテンツとして始まった今シリーズも今や米国を潤すドル箱コンテンツ。いわゆるモンスターヴァースシリーズは東宝の大怪獣シリーズを現代ハリウッド第一線のCGを使ってリメイクするってな企画な訳だが、そもそもゴジラが傑作なのは一作目だけで二作目以降は完全に商業的プロレス映画として米国産のキングコングと手を組んでしまった。このリメイクシリーズは今回で第五弾となるだけあってメインキャストが固定化されつつあります。とりあえず地底に古代の大怪獣ばかり生息する空間があるって設定は今シリーズのオリジナルだが登場する主な怪獣たちは東宝特撮で慣れ親しんだキャラって所が見ていて楽しい。メカゴジラが前作では人類側の兵器として活躍していた訳だが今作では何とモスラが登場する。それも古代遺跡で呼び起こす設定まで忠実に再現。折角なら古関裕而の名曲も使って欲しい所です。あの大東亜戦争中には「鬼畜米ぶっ殺せ」的な軍歌の名曲を沢山産んだ日本を代表する作曲家の名曲が「モスラ~やモスラ~」と流れてくれないと物足りない。

 

「♪何が正義だ人道だ、あくなき魔手を打ち振るう鬼畜の如きアメリカを抹殺するのは今だこの時だ、やるぞヤンキー大空襲」「♪屍哀れなオクラホマ、続くウェストヴァージニア、ハワイ艦隊撃滅の世界揺るがす大戦果、胸が躍るぞ高鳴るぞ」と日本兵が登場する二作目の髑髏島でも流して欲しかった。やはり古関音楽は昭和を知る日本人の心の故郷です。ただギャレスエドワーズの第一作から「ビギニ環礁の水爆実験はゴジラを殺す為にやっていた」と設定を180度ひっくり返す歴史修正を行った鬼畜米だけあって色々と米国仕様になっています。このシリーズは東宝版ではマスコットにゴジラの子供版ミニラが登場する訳だが、こっちの米国版のマスコットは今作で登場したミニコングって所だろうか。やはり米国側としては日本産のゴジラより米国産のキングコングをマスコットにしたいという愛着が伺えます。とにかく典型的なハリウッド娯楽って感じで最後までノンストップなバトルで飽きさせない訳だが、やはり個人的には米国ゴジラと云えばエミリッヒ版の方が好きです。やはりユダヤ人スピルバーグが『ジュラシックパーク』(ジュラ紀の庭園)シリーズを大ヒットさせてる時にハリウッドSF第一人者の座を奪いに来たドイツ人エミリッヒによるゴッドジュラ(ジュラ紀の神様)は秀逸でした。