映画『SAWADA』の感想 | アキラの映画感想日記

アキラの映画感想日記

映画を通した社会批判

残留思念

 

 

SAWADA 青森からベトナムへ

ピュリツァー賞カメラマン沢田教一の生と死


最近、東中野で新作が公開されている堀田カメラマン。

五十嵐監督と組んであの有名な沢田教一の生涯を追う。

5年ほど前、照明用のパラフィンを買出しに行った先で

偶然出会った記憶がある。『マリア』の話をしていた。

あの長い路地や列車からのズームバックはなぜ必然か。

報道ではなくドキュメント作家として現場にフィルムの

カメラを向けた経験がなければ共感できない実感を伴う

"見つめる姿勢"についての力強い言葉が印象的だった。

 

現場には霊魂が残る。だから実際にベトナムへ行った。

なるほど、実際に作品を見ても挿入される現地の情景は

動画フィルムでしか写し得ない残留思念を捕えている。

構造としては解り易いナラタージュで語られてはいるが

そこに切り取られた一つ一つの情景には娯楽の枠では

括り切れない、ドキュメント固有の拘りが効いている。